フランシウム87

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大学生の進路!大学生活で身につけるべき7つのポイントをフランスの大学の講座で聞いてきた

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閑話休題


最近、フランス語の勉強の仕方をまとめて書いていたけど、今日はフランスの大学生の進路の話です。

1年生の2学期が始まって一週間経つところなんですが、1回目の進路についての講義がありました。

内容は、僕たちが今学期にこなしていかないといけない「進路に関する課題」(点数つくって。ひぇー) と、社会に出るにあたって、大学生活で何を身につけて何を考えていくべきか。という2部構成になっていました。

今日は、後半部分を大学生活で身につけるべき7つのポイントとしてまとめたので、読んでみてください。

ちなみに、僕のスペックは理系大学の1年目です。




 

①個人の進路プロジェクトを持とう!



まず最初に言われたことは、「個人のプロジェクトを作る」ということです。

僕たち学生は、これをガイダンスに従って約3か月かけて企業へのインタビューなんかをしながら作ってくのです。

プロジェクトとはどういう風に見つけるかというと、下の図をご覧ください。

無題


人それぞれが持っているsavoir(知識)、savoir-faire(技能)、savoir-être(特性)の3つの要素をが交わるところにprojet(計画)があるのだそう。

そういった個人個人異なる形のprojetを考え、同時にそのprojetを実行する場所(=企業)を探し出すことが「個人のプロジェクトを作る」という事なんだそうです。

簡単に言えば「個人の特性の行かせる場所を探せ」ってことですよね。

うーん、そんなに簡単な話じゃないんだけどなぁ。




 

②プロジェクトについて調べよう!



これは日本でいうところの「企業調査」でしょうね。

ネットやサロン、エクスポジションなどに出向いて、実際にその分野の人と交流を持ってこいと言っておりました。

これは確かに有用ですよね。

実際に会ってみて話すことでいろいろと新しいことに出会えます。

そこで、自分のプロジェクトに新しい角度からの視点が持てたりしますし。

特に、現場の「生の声」が聞けるのは面白いですよね。

本気で自分の研究の成果とか説明されると、どうしても聞き入ってしまいます。

 


 

③評価・評定!



学校生活で得る評定や、ディプロムの種類はもちろん。

それ以外に、自分自身の価値という言葉が出てきました。

これは何か?

一つは、やる気やモチベーションなどの「成長するための栄養素」みたいなのが多い=人間として価値があるんだそうです。

2つ目は、他と差をつける能力

でた。やっぱりここら辺は世界共通なんですね。(って、日本とフランスしか知らないけど)

勉強が優秀なだけではダメなんだ。その個人として、他と違う力が今の時代は求められている。

この能力は、勉学の中でも身につくものだし、個人的な活動、家族環境、社会的な活動の中でも育まれていくそうな。




 

④「今、何をするべきか」という情報を習得しよう!



②と③を通じて何が得られるかというと

‐プロジェクトを決めることで、今後のプランが立てられる。(教育やインターン、他の町への移動など)

‐必要な時間や道筋にめどが立つ。

‐しなくてはいけないことは何なのかが見える。(家族や生活環境の問題など)


僕は大体、いつもここがすっぱ抜けてるんですよねw

やりたいと思う→やっちゃう。の超単純構造なので、プラン設計的な問題のしわ寄せは後からきます。

でも、プラン設計に力を入れすぎるあまりに、逆に見通しが立たなくなって身動きできなくなる…なんてこともあり得ると思うので、ある程度「適当に」このステップをクリアするのが賢明だと思います。




 

⑤利点・難点



これは、あなたの作ったプロジェクトに「いい点」「悪い点」を挙げていくということです。

「悪い点」が多い場合、その問題は超えることができそうなのか?ということを、上の①~④のステップを通して解決するのです。


特に注目すべきことは、可能性・現実性・計画性の3点。

この3つがしっかりと組み込まれている良質なプロジェクトを今のうちから作るのだそうです。




 

⑥やってはいけないこと



ここ、個人的にはおもしろく感じました。

1.仕事のすべての面を調べるな
2.他の人に、自分のプロジェクトの最終決定権はない
3.好みだけで判断するな
4.複数の情報源から判断しろ
5.横たわっている問題は無視しろ
6.サブプランも用意しておけ
7.過剰な野望は持つな

1番…ねぇ(笑)

これ、日本だったらブラック企業に知らないで入る「飛んで火にいる夏の虫」の斡旋スローガンみたいになりますが、フランスでは「分からないうちにいろいろと調べすぎることで、その分野の本当の楽しさを見失うリスクがある」だからだそうです。

なるほど。

ま、個人的にもあまり神経質になって詮索するのは良くないと思います。

常に夢をもって挑戦してみて、違うと思ったらやめればいいし。



 

⑦黄金の規則



1.教師を含め、いろいろな人に経験談を話してもらう
2.常に好奇心をもって、柔軟で、チャンスを逃さないようにしよう
3.何が大切なことか、常に心にとめておこう
4.いろいろなグループ、ネットワークに参加しておこう
5.時間、エネルギー、粘り強さは惜しみなく自分に投資しよう
6.自分の弱点と強みを知っておこう
7.いろいろなプロジェクトが作れるように、常にアイデアを貯めるようにしよう

 



 

フランスだって就職難 



今、個人の生き方が変わっている時代なので、どんなに有効求人倍率が良くなっても、自己実現ツールになるような仕事が多くない限り、若者たちは常に就職難にあり続けることになります。

日本ではブラック企業が少し前から注目されていますよね。

フランスはブラック企業こそ厳しい法律で取り締まりがされているためありませんが、個人の働きたい場所に就職できるかという「自己実現の場としての就職問題」が大きな壁になっています。

日本人である自分の視点からだと、なんて平和な悩みなんだ…なんて思ったりもしましたが、この裏側には移民問題なども潜んでいるのであまり簡単な問題ではないです。 

フランスも日本も、仕事探しというのは大きなステップであるので、そこへ注がれる力は大きくなっているのでしょうね。

(僕は日本で就職活動をしたことがないので、どういったサポートを日本の大学がしているのかわかりませんが…)