フランシウム87

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フランス語の勉強法!より速くマスターする5つの方法![③リスニング編]


前回のエントリーでは、文法ができないのは自分で文章を作れない=応用力がないところが問題だと書きました。

詳しくはこちら↓

francium87.hatenablog.jp


文法問題では、自分からアウトプットするものなので、簡単な知識を貯め込んで、それをうまく組み合わせていけばいいのです。

でも、リスニングはアウトプットではなくインプットの作業です。

外から否応なしに入ってくる情報に対応していかなければいけないというところがリスニング対策の難しいところです。

だって、リスニング問題は簡単な文章から難しい文章まで、あらゆるレベルが混ざってできた文章の集大成なんですから。

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そこで、bantanのおすすめする勉強法は「シャドーイング」です。

響きからして効き目が見込めそうです^^

この方法には賛否両論あるのですが、bantanは実際リスニング対策は「シャドーイング」だけして、かなりの成長をしたと実感しているので自信を持ってお勧めします。

なぜなら「シャドーイング」をすることによって、リスニングで耳から入ってくる問題文を正確に"読み取る"ことができるようになってくるから。

そうなれば、あとはボキャブラリーと文法力が身についていれば問題が解けます。

では、「シャドーイング」のポイントを、反対意見も考察しながら見てみましょう。



 

シャドーイングとは?


シャドーイングとは、聞こえたものをそのまま口に出して復唱する勉強方法です。

本来は同時通訳者のトレーニングとして使われていたようです。

シャドーイングを効果的に練習していくと

 ①正しい発音が分かるようになる。

 ②何を言っているのか聞き取れるようになる。

という、2つの効果が得られるようになります。

理屈はこうです。

リスニング問題で使われるような短い量の文章の音源を聞きます。

(NHKラジオニュースなどの長い音源ではだめです!)

その音源の発音方法をそっくりそのまま繰り返すことができれば、その人は正しい発音とその文章を自分の頭の中で理解できるだけの情報処理速度が身に着いたという事になります。

理屈は簡単ですね。

でも、ほんとうにこんな単純な方法でリスニング力がつくのでしょうか?

ちょっと反論しているサイトを引用して、それについて考察していきます。





 

特に初心者はシャドーイングで勉強してもリスニング効果が表れない?



こちらのサイトをご覧ください。

diamond.jp

「聞き流すだけで話せるようになる」はウソ
人間は「知らない音」を何千回、何万回聞いても決して理解できるようにはなりません 

うん。これは仰る通りだと思います。

例えば、僕はいまアラビア語を友達から教えてもらおうかなーと思ってるんですが、今のところその友達が言ったことを復唱してるだけなんですね。

こんなの1000年かけても覚えられるわけがないw

だって、言われたフレーズを丸々暗記して、それを日本語の意味と結びつけようと頭の中で必死なんです。

でも、言われたフレーズの音を理解できるようにスクリプト(文章)を見ながらだったらどうでしょうか?

文字列と発音がセットになって頭に入っていくので、だんだんと音の種類が規則化されていきますよね。

これで「知らない音」はだんだんなくなっていきます。

だから、このサイトで言っている「聞き流すだけで話せるようになる」はウソですが、「聞く」ことによって発音の種類を理解していくことはできます。



英語初級者のシャドーイングは「百害あって一利なし」
発音も不正確で英語力も不十分な状態で、ひたすらネイティブのマネをしなさいというのは、まったくスケーティングの経験のない人にスケート靴をはかせて「浅田真央さんのスケートを見ながら、同じように3回転半ジャンプをしてみなさい」と言っているようなものです。
英語初級者にとって、シャドーイングは不正確な発音を何度も何度も体に刷り込んでしまうことになり、「百害あって一利なし」と言えます。 

違います。

まず、この例えがひどすぎますねw

筆記試験と技能試験をごっちゃにとらえてる感があります。

これは、スケートっていう自分の力では買えようのない物理法則のなかでやる行為をプロに真似てやっても無理という事です。

要するに、3回転ジャンプを初心者でもできるようにゆっくりスローモーションでできますか?

重力には逆らえないので、答えはノーです。

だから3回転ジャンプは初心者には高すぎるハードルなのです。

でも、リスニング教材をスロー再生で聞くことはできますよね?

ここにこのサイトの著者は気が付かなかったんでしょうか…

ゆっくり、単語一つを丁寧に分析して音をまねていくことは、この上ない発音のトレーニングになります。

音が分かってくれば、あとで文章を聞いただけで自分の頭の中で聞こえた文章を再構築していくことが可能になります。

ポイントはスロー再生ですよ!




 

フランス語の特徴を考えてみる



まず、フランス語には「liaison」や「enchaînement」 といった、単語の配置によって音がくっついたり消えたりしてしまうという特徴があります。

前の記事でも少しふれたように、ただでさえスペルと発音が違う言語なのに・・・本当に厄介です。

例えば Je vais à Paris. なら赤字の部分がつながって「ジュヴェザパリ」になります。

(正確に言えば、上のカタカナ表記に近い発音になります。フランス語の発音を完全に日本語のカタカナ表記で表現することは不可能なので)

(ちなみに、これはliaison facultativeといって、してもしなくてもいいリエゾンの一例です。分かりずらいですが念のため…)

こんなの、普通にテキスト読んで勉強していてもわからない・気が付かないですよね。

それを解消してくれるのもシャドーイングで、文章を正確に真似ていく過程で、自然と「書いてあるのに発音しない音」と「発音しないはずなのに発音してる音」などが発見することができるのです!





 

では、実際にシャドーイングのやり方を紹介します!




①シャドーイングに使う教材を用意する

リスニング教材ならなんでもいいです。

文章は長くないものを選んでください。

フランス語を勉強したてならスクリプト(文章)5行くらいで十分だと思います。

レベルが進んでいてもスクリプト20行以上だとかなり時間がかかってしまうと思います。

できるだけ短く、バラエティーに富んだ文章+音声のある教材を探してください。

 

僕のおすすめはこの教材です。

 

系統立てられた構成になっているので、読み進めることで自然とリスニングの力がつきます。

②スクリプトを熟読する

まずはスクリプトをしっかりと読んでください。

文章読解と同じ要領で、わからない単語があったら辞書を引き、スクリプトに書かれていることをしっかりと理解してください。

簡単な文章であればあるほど「こういうことを言いたいときは、こういう言い方ができるんだ!」という発見につながります。



③音源を聞く(通常速度で)

音源を聞いてみてください。

ここで同じスピードで復唱する必要はありません。

むしろ、間違った発音を身につけてしまうリスクを避けるために、ただ聞き流してスピードの感覚をつかむだけにしてください。



④半分の速度(0.5倍速)で再生!

僕はwindowsユーザーなのでwindows media playerを使っているのですが、イコライザーとかあるあたりから再生速度を変更することができます。

これで半分の速度で再生します。

どうでしょう、めちゃめちゃスローモーションで話し始めましたよねw

この速さで何回も繰り返し聞きながら発音の仕方を解読していきます。




⑤発音を解析してスクリプトに書き込む

ちょっと汚すぎて分かりづらいのですが、僕が実際に書き込んでいったスクリプトを見てください。

BlogPaint


僕はこのとき、発音ではなくてイントネーションの勉強をしていたので、矢印やスタッカートみたいな記号を使ってでいろんなイントネーションを書き込んでいます。

こんな感じに、自分が耳から聞こえる音を完コピするのに必要なのをすべてスクリプトに書き込んでいくのです。

イントネーションと同じ要領で、発音や「間合い」なんかも書き込んでいけますよ^^



⑥ひたすら繰り返し読み、だんだんスピードアップ!

あとは何回も聞く・発音の情報を書き込んでいく・読むをひたすら繰り替えし、完コピできたなと思ったら、少し再生速度を上げます。

おすすめは×0.5→×0.75→×0.8→×0.9→×1.0くらいのスピードアップがいいんじゃないかなと思います。

でも、これ通りじゃなくてもいいです。

あくまで完コピすることにこだわりぬいてください!



僕が高校生の時に英語のリスニングが飛躍的にアップするきっかけを与えてくれた「超・シャドーイング」という教材では、最終レベルを×2.0(倍速)に設定されていたのですが(理由は、英語は子音を聞き分けるところにリス民具のポイントがあるという事から)、フランス語では母音の聞き取りは重要ですし、なにより倍速までもっていくのは時間がかかりすぎてしまうので、そこまでする必要はないです。

っていうか、たかが10行程度のスクリプトでも、まじめにやると小1時間かかってしまったりするので…(僕が遅すぎるだけかもしれませんが)

でも、その分効果は絶大です!



 
 

発音の解析は「音声学」のテキストを使ってゆっくり丁寧に



もう一つポイントですが、フランス語では母音の発音が限られている(けど、種類は多い)ので、母音発音の違いをしっかりと抑えなければいけません。

逆に言うと、ほんの少しの母音の発音の違いで意味が通じなかったり、意味が違ってしまうことがあるのです!

例えば、フランス語初心者が最初に習うと思う鼻母音(voyelle nasale)がin,an/en,un,onの4種類あるというのはとても重要ですが、耳で聞いただけではその違いはとても分かりづらいと思います。

だから、鼻母音の4パターンが出てきたらマーカーでチェックするなどして、どれがどういう音になるのかというのをスローモーションで聞きながら頭に入れていく必要があるのです。

発音の規則は鼻母音だけではないのですが、発音の勉強を進めながら少しづつリスニングの勉強で練習していけば効率的に勉強を進められますよ。




 

リスニング勉強の利点は試験だけじゃない



何より一番力が付くのは「コミュニケーション」でしょう。

人の言ってることが分からなければ対話は成り立たないので、リスニング勉強は会話の勉強にもとっても有効です。

それに、こっちから発言するのもリスニングの勉強で例文できいた文章を真似ていくことだってできるのですから、リスニング勉強の恩恵はおおきいですね! 




 

というわけでシャドーイングがおすすめ



まとめると…

・シャドーイングとは、聞いたものをそっくりそのまま口から発音する勉強法

・初心者にも使える勉強(特に正しい発音を知るため)

・発音の勉強(音声学)と一緒にやればベスト!

・フランス語会話を勉強したい人にもおすすめ 



ワンランク上のフランス語聞き取りにむけてがんばってください!^^ 

 

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