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DELF/TCF対策!フランス語の作文に使える2つの論展開

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こんにちは!

フランス語の試験対策として、今回は論展開について紹介していきたいと思います。

フランス語の作文の試験では、文章の構成はある程度決めてから挑むのが得策だと、以前のエントリーで言いました。

詳しくはこちらを読んでください(文章構成を学ぶ)↓

francium87.hatenablog.jp



TCF-DAP関連はこちら→TCF-DAP対策 - フランシウム87


TCF-DAPを受ける前に最後に確認しておきたいこと→TCF-DAPの作文対策!5つのポイントを押さえて大学入学に必要なレベルをクリアしよう - フランシウム87

 

TCF対策の問題集→【無料あり!】TCF-DAPで僕が必死に取り組んだ問題集 3選 - フランシウム87



実は、文章校正の中では使いまわしのしやすい型というものがあるのです。




 

まずは、全体の文章構成



作文を書くときには、

1.導入部

2.問題提起

3.論拠

4.結論 

という感じに、4部構成で考えます。

つまり、こういうこと。

1.Introduction
2.Problématique
3.Développement argumenté
        argument 1
          exemple
        argument 2
          exemple
        .
        .
        .
4.Conclusion 





 

1.導入部



最初の導入部の部分では、与えられた問題(文章だったり写真だったり…)を読んで、どんな内容のものだったかの概要を書きます。

お題が短い場合(例えば、「インターネットの普及で、国境という概念は無くなった」)の場合は、このテーマから自分が思いつく例や状況なんかを書きます。

例えば、インターネットの普及はここ数年で急速に加速し、私たちの生活に欠かせないものになっている~なんて感じの書き始めだと、その後にいろいろ書き足せそうです。

ここは全体の1~2割程度の簡潔な文で書きましょう。





 

2.問題提起



この部分については、また改めて詳しく書きます。

自分が提起した問題に沿って、これ以降の議論展開のコースが決まってくるところなので、まず最初に考えを固めておくところです。

問題提起にもいろんな種類があるんですが、原則「自分のこたえられる範囲で、なるべく広い視点を持つ」問題を考え付くことができるか、がポイントになります。

あまりにも専門的で視野の狭い問題提起をしてしまうと、あとに続く文が書きづらくなり、結果自分の首を絞めてしまうことになるので気を付けてください!





 

3.論拠



今回はここをメインに見ていきます。

論拠(argument)の部分というのは、簡単に言うと問題についての自分なりの考えと例を書いていく部分です。

要するに採点者の視点からすると、この人は何を言いたいのか?が読み取れる部分になります。

論拠の論展開には基本の2つのパターンがあります。



 a.pour/contre

これは、問題に対して「いい点」「悪い点」をそれぞれ挙げて、それぞれの例を書く。という書き方です。

「いい点」

「いい点の例」

「悪い点」

「悪い点の例」

と、これだけで4段落稼げます。

一つの段落で30単語書けば、論拠の部分だけで120文字稼げます。

もう少しアカデミックな書き方をすると、

-Développement argumenté
   argument 1
     exemple 1
   argument 2
     exemple 2 

こんな感じになります。

基本的にどんなタイプの問題にも応用可能な、使いやすい型なので覚えておいて損はないでしょう。

特に、問題に対してあまり詳しい知識がなかったときに有効です。

例えば、「微生物分解可能なビニール袋について」の問題が出たとき(実際にこの問題がB2の試験で出ました)、ほとんどの人は多くのことをフランス語で書けないと思います。

でも、いい点と悪い点ぐらいなら思いつきますよね。

僕は、まずこのpour/contre法を使って考えてみて、内容が薄く感じたら他の型に当てはめて考えます。



 
b.ジャンル分け 

pour/contre法より、もう少し専門的な知識を持っていた時に使える書き方です。

pour/contre法より多くの視点から切り込んだものになるので、作文の出来も良いものになります。

これは、問題をいくつかのジャンルに分けて、そのジャンルごとに考え+例を書いていく方法です。

ジャンルは何でもいいのですが、個人的なお勧めは「社会・経済・環境」です。

フランス語を勉強している人のほとんどは、どちらかというと文系の人が多いと思うので「歴史・文化・宗教」あたりに興味がわきそうですが、あまりお勧めしません。

なぜなら、範囲が広くてあいまいすぎるのです。

良い文章を書こうと思っても、自分の論拠に歴史を絡めて書いていたら時間がいくらあっても足りません。

それに、フランスはlaïcitéを重要視しているので、宗教を絡めることもあまり得策じゃないと思います。

で、「社会・経済・環境」なんですが、さっきの「微生物分解可能なビニール袋」についての問題だったらこんな感じに書けるのです。

社会→先進国では特にビニール袋の利用が多い。
    例:日本では少しの買い物でも無料でビニール袋をくれて、環境への負担が大きいと言える。 

経済→安定した微生物分解ができるビニール袋の生産コストが必要。
    例:今までのビニール袋は石油に依存しているが、石油の価格は不安定。

環境→ビニールという土にかえりにくい物質が微生物分解できれば、環境への負担が少なくなる。
    例:環境問題への取り組みになる。ビニール袋を餌と間違えて飲んだウミガメのニュースを見たことがあるが、こういった事故も減らせる可能性がある。

短時間でも、ざっとこれくらいのジャンルで文章が書けると思います。

これが、もっと自分の専門性にあった問題に当たれば、「ビニールの微生物分解を化学式で表すと…」みたいな感じで、より深い文章を書くことができるので、こういう場合には他の型が使えるようになります。

でも、限られた試験時間内で書かなくてはいけないという事を考えると、これくらいで十分なんじゃないでしょうか?


まとめると、こんな感じですね。

-Développement argumenté
   
    argument domaine 1 
       exemple
    argument domaine 2
       exemple
    argument domaine 3
       exemple
    .
    .
    .

この方法で書くと、すぐに字数が稼げるので便利です。

問題見て、あまりアイデアが思いつかなかったらpour/contre法

なんかいろんなアイデアが浮かんできそうだったらジャンル分けで挑むのが正攻法です。




 

頻出ジャンルは環境とテクノロジー



案外、フランス語の試験だからってフランス語やフランスの文化について問題が出されるという事は少ないよです。

特に最近の傾向だと環境問題とテクノロジー関係の問題が多くなっているそうです。

そのためには、やっぱりそれなりのボキャブラリーをもっていないとだめですよね。

例えばさっき見た「微生物分解可能」という単語もフランス語で何というかわからなければ、そもそも問題文を読むことができません。

日ごろからフランス語の新聞サイトを覗いて、見出しだけでもわからない単語を調べる癖をつけておくといいと思います。




 

フランス語がどうしてもわからないときは…



試験監督の人に聞いてみましょう(笑)

もうやばい!って顔をして、「この単語が分からないと文章が全く分からないんです…シノニムでも何でもいいからヒントをください…!」って、ダメもとで頼んでみてください。

ダメな場合が多いですが、人によっては内緒でヒントをくれたりします。

上手くいけば儲けもの精神のフランス精神を見習うべきところです。

 




 

作文の論展開はインタビューにもそのまま使えるテクニック



作文の文章構成というのは、実はインタビュー(面接試験)でも使えるのです。

(インタビューの場合は、問題提起をした後に、自分の論理をどう展開するか、あらかじめ展開の手順を説明する必要がありますが…)

なので、作文の勉強って結構大切なものなんです。






 

今回紹介した作文方法は論述の問題用



例えば、DELF B2だったら手紙のようなものを書かされる問題がよくでます。

そういった問題には今回紹介した論展開は使えないので注意してください。

でも、問題を与えられて自分で論理を展開していく問題であれば、今回の型を使って、文法・ボキャブラリーもしっかりと書いていえば、レベルでいうとC1ぐらいは望めると思います。

頑張ってください^^ 






 

例題



論展開のトレーニングとして例題と、簡単な答えの例を用意しました。

やってみてください。


sujet1. 自宅で仕事をすることが可能になれば、職場というものは必要なくなる。

pour/contre法

pour→通勤時間を短縮できる。例)東京では通勤片道に1時間かかるのはよくある話。自宅での仕事にすれば、1週間で10時間の通勤時間がカットできる。 

contre→人と人とのつながりが希薄になる。会社というのは仕事をするためだけではなくて、コミュニケーションの場としての役割も担っている。例)完全に自宅で仕事をすると、家から出ることが少なくなり、新しいストレスになる。


ジャンル分け

社会→場所にとらわれない新しい働き方が作れる。例)同じ仕事を続けながら海外に住むことも可能。

経済→交通費がかからない。

環境→マイカー削減でCO2減少。

その他→子育てや介護をしている人には大きなメリットになる。

【結論】自宅での仕事は新しい働き方として有意義である。





sujet2. 電子書籍の普及で、従来の紙の本は要らなくなるか。


pour/contre法

pour→どこにいてもほしい本が手に入る。端末が小さくて持ち運びに便利。例)実際自分が使っている体験談など。

contre→ラインナップにない本は買うことができない。例)欧米に比べて、日本の電子書籍の普及率はまだ低いため、ほしい本が手に入るとは限らない。 



ジャンル分け

教育→本の購入がより身近になって、読書をする習慣をより簡単につけられる。例)タブレット端末などを含めて、電子書籍の類は子育てに活用されている。

環境→紙を使わないので環境にやさしい。

文化→本特有の良さがなくなる。例)紙の質感などは電子書籍では再現できない。

 

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