いま流行りのバスク・チーズケーキ┃東京・GAZTA(ガスタ)で本場の味を楽しむ!
最近、日本の旅番組で取り上げられることの多くなったバスク地方。
スペインとフランスにまたがるこの地方には、他とは異なる独特の文化があります。それは食文化についても同じこと。一昔前はバスク地方のお菓子の「ガトー・バスク」が有名でした。
しかし最近、新しいバスクスイーツが日本で人気になりつつあります。それがバスクのチーズケーキ!
今回は、日本でも味わえる本場のバスク・チーズケーキ情報も交えて、旬のバスクの味覚を紹介します!
バスク・チーズケーキ
バスク地方とは?
バスク地方の定義
バスク地方とは、一言でいうと「バスク語を話す地域」です。
バスク語とはなんぞや?と思うかもしれませんが、その正体はよくわからない部分が多い、謎の言語です。一説によると起源は古代ルーン語らしいので、スペイン語やフランス語など、ラテン語を起源もつ言語とは全く違った言葉です。また、バスク語は習得が難しく「悪魔の言葉」とも呼ばれています。
フランスとスペインにまたがるバスク地方
バスク地方は、地域の定義が話される言語によるものなので、普段私たちが見る世界地図の国境とは異なる境界線で区分されます。
つまり、バスク地方とはスペインの北部からピレネー山脈を越えたフランスの南部にまで至る、大西洋沿いの地域です。地方であって国ではないので、スペイン側を「スペインバスク」、フランス側を「フランスバスク」と呼んだりもします。バスクは一つの国の中に収まっていないのです。
フランスとスペインの間の言葉のテリトリーは、時代によって大きく変わっているのがわかります。
バスクのチーズケーキ
バスクの料理
バスク地方は、スペインともフランスともつかない、独特な文化を持っています。スポーツや祭りなども他では見ることのできないユニークなものが多いのですが、料理の特殊性も無視できません。
特にスペインバスクにあるサンセバスチャンという町は「美食の街」として世界に名を馳せています。
この記事の中でも紹介しているのですが、サンセバスチャンは世界で最も面積当たりのミシュラン星付きレストランが多い町です。
バスクのお菓子
そんなバスクの人気料理の一つが、バスク地方の伝統菓子。
バスク地方の伝統菓子でもっとも有名なものはガトーバスクでしょう。もとは17世紀ごろにフランスとの国境にほど近い地域で生まれたこのお菓子は、トウモロコシの粉と動物性油脂、ハチミツで作られた、硬く乾燥したものでした。お菓子というよりは、保存食に近いものであったと考えられています。
その後交通の要所となるにつれてガトーバスクの需要は高まり、それに合わせてアーモンドをたっぷりとつかった、滑らかで風味の良いお菓子へと改良されてゆきます。しかし、その後20世紀初頭からのスペイン内戦などの悲劇もあり、バスク菓子の需要は急速に衰えます。こうした伝統菓子が再度日の目を見たのは21世紀が近くなってからのこと。グルメ大国フランスでは様々な技法を駆使したお菓子が注目を集める中、興味深いことに100年も昔の古めかしいレシピで作られた古き良きバスク菓子が、今の欧米諸国で話題になっているのです。
バスクのチーズケーキ
さて、今回の主役のバスクのチーズケーキは、そんな古き良きバスクの香りを感じることのできるお菓子。素朴でありながら食材の味が詰まっています。バスクのチーズケーキは、これ以上に無いほどズシリと密で、まるで滑らかなチーズを味わっているような食感。ふわふわと足腰のおぼつかない一般的あベイクド・チーズケーキとは違います。
ならば、わざわざケーキじゃなくてクリームチーズを食べれば良いのでは?と思う合理主義的な読者もいると思いますが、それではダメです。バスクチーズケーキのもう一つの特徴は、表面の黒々としたカラメルです。このカラメルの香ばしさの、口の中にいつまでも残しておきたい優しいミルキーな甘さは、なぜか幼い時に暖かい部屋で食べたような幸せな味を醸し出すのです。
バスク・チーズケーキの名店
バスクチーズケーキで世界に名を馳せた名店
バスクのチーズケーキでもっとも有名な店は、サンセバスチャンの旧市街に店を構えるバル、ラ・ヴィニャ(La Viña)です。
そうです、お菓子屋さんではなくて、飲み屋のバルで作られるチーズケーキが美味しいと評判になり、その噂は各メディアを通じて世界中に広まりました。日本でもテレビで取り上げられています。
世界中の人に愛される味
実際にラ・ヴィニャにいってみると、朝から観光客で賑わっていました。既にチーズケーキは焼き上げられていて、壁にいくつも並べてあります。こうして冷まされたチーズケーキが切り分けられて、バーカウンターで食べるチーズケーキは絶品。朝だからコーヒーと一緒に楽しんでも良いし、チーズがたっぷりと入っているのでワインと一緒に楽しんでもGood!スペイン人は男性も甘いもの好きな人が多いので、あまり広くない店内には老若男女がこのチーズケーキをほおばっています。
他の店では味わえない?
バスクのチーズケーキなので、他の店でも同じようなチーズケーキを食べられないわけではありません。現に、隣三件両隣、同じようにチーズケーキを提供しているバルはあります。
しかし、ラ・ヴィニャほど「うまい!」と思えるチーズケーキは他にないのです。精神的な思い込みあるかもしれませんが、ラ・ヴィニャのチーズケーキが一番美味しいと思います。
僕が初めてこの店に行ったのは、たまたまその隣の建物に宿をとっていたからでした。朝ごはんを食べに下に降りて、隣の店を見たらチーズケーキが並んでいたので食べたのです。そこで美味しかったので、きっと他の店も美味しいだろうと思っていくつかのバルでチーズケーキを注文したのですが、なんか今一つ物足りないのです。
やはり、ラ・ヴィニャのチーズケーキは、ラ・ヴィニャでしか食べることができません。
ガスタ(GAZTA)のチーズケーキ
日本で食べることのできるバスク・チーズケーキ
ガスタ
そんなサンセバスチャンのチーズケーキに思いを巡らせながら前回の記事(バスクに行くならココに行こう!サンセバスチャン旧市街から簡単に行けるおすすめスポット - フランシウム87)を書いていたら、なんと!東京でラ・ヴィニャのチーズケーキを食べることができるというではありませんか!
ラ・ヴィニャで修行された方がオープンしたチーズケーキ専門店だそうです。
アクセス情報
ガスタ(GAZTA)
営業時間 9:00~19:00 (小品無くなり次第終了)
定休日 月曜日(※月曜日が祝日の場合は、翌日火曜日に振替) /p>
電話番号 03-3440-7495
住所 東京都港区白金1-14-10 1F
早速行ってみた
というわけで、ガスタに早速行ってみました。
場所は東京メトロ白銀高輪駅からすぐ近く。モダンな店構えが目を惹くのですぐに見つかると思います。
この日伺ったのが17時を過ぎたころ。商品が無くなり次第終了のお店なので少しドキドキしながら向かいましたが、多くはないけれどまだいくつかチーズケーキが残っていました。サンセバスチャンのラ・ヴィニャは大きいホールから切り分けられるのですが、ガスタでは1人前の小さなものと、大きなホールの2種類があります。
食べてみた
僕の知っているラ・ヴィニャのチーズケーキは、大衆的なバルでややぞんざいに切って出されるものだったので、仰々しい箱に丁寧に詰められたガスタのチーズケーキは包装に少々興ざめでしたが、味は満足です。
やはり、サンセバスチャンで食べるものと東京で食べるものとでは、気候や感情などのバックグラウンドが異なるので同じ味覚で味わえるとは考えていないのですが、それを差し引いてもガスタのチーズケーキは美味しかったです。
また、現地サンセバスチャンで食べる時にはできない、「バスクチーズケーキ×日本茶」という組み合わせが楽しめるのも、日本で食べることの利点の一つです。僕は日本茶も好きなので。
チーズがたっぷり使われているのがよくわかる、かなりリッチな味わいです。半分に切ってみるとよくわかりますが、一般的なチーズケーキのようなふわっとしたスフレ感はなく、舌触りの良い上品な食感のペーストに仕上げられています。甘いもの好きの方にはもちろん、どこかのパーティーに行くときのお土産にも使えそうです。
日本以外にも…
なんと、ラ・ヴィニャのチーズケーキは日本以外にもトルコで味わえるようです。しかも、移動式トラックで。写真でみる限り、こちらはラ・ヴィニャと同じようにホールから切り出してその場で食べるスタイルのようですね。
おわりに
一昔前はNYチーズケーキが流行ったりもしましたが、今後バスク・チーズケーキの波がやってくるかもしれません。ミーハーな人もそうでない人も、このチーズケーキは外しません。ぜひ一度ご賞味あれ!