フランスの夏祭り!L'estivalでワインを飲もう
夏祭りって楽しいですよね~^^
日本でも夏には祭りイベントが各地で催されますが、フランスでも同じこと。
フランスではエスティヴァル(estival)という名前で呼ばれたりして、各地で開かれています。
mokuji
毎週末がお祭り!
モンペリエ市ではエスティヴァルが7,8月の間、毎週金曜のの夕方から開催されています。フランスでは最近悲しい事件が立て続けに起こっていたので、人の多い場所には可能な限り近寄るべきではないのですが、やはりどうしても夏の感じを味わいたくて行きました。1回いければ満足なので、もう今年は行くことはないでしょう(´・ω・`)
日本のお祭りは伝統に根差したものが多いような気がします。浴衣を着て盆踊りを踊って。。。フランスでは(少なくともモンペリエでは)あまりそういった風潮はなく、野外コンサートに出店が並んで、みんなちょっとしたピクニックを楽しんでいる様子です。
僕たちは人があふれる出店通りから少しだけ離れた、ファーブル美術館(夏の休暇に南仏旅行はいかが?┃目的別にみる南仏の旅行先3選! - フランシウム87)の前でピクニックシートを広げました。このあと、だんだんと人が集まり出します。それもそのはず、美術館の前がスウィングダンスのダンスブースだったからです!
生ガキが楽しめるのがモンペリエのいいところ
僕は生ガキが大好きです。過去に3回、カキにあたっていますが、それでも好きです。熱狂的な信者とでも言いましょうか(笑)
フランスのカキは大西洋と地中海のどちらでも採れます。モンペリエで食べられるカキは、もちろん地中海で養殖されたもの。「風立ちぬ」を詠んだことで知られる詩人、ポール・ヴァレリーの故郷が風光明媚なセットという町で、モンペリエからそう遠くないところに位置しています。このセットという町の裏手に、ブジグという漁村があり、ここで多くのカキが養殖されているため、モンペリエでは比較的簡単に新鮮なカキが手に入るのです。
カキの屋台にはこんな「カキの噴水」が置いてありました…
カキの他にも、ボイルされたエビやいくつかの種類の巻貝など、生ものが苦手な人でも食べられるようになっています。水玉模様のかわいらしいテーブルを囲んで、キリッと冷えた白ワインを片手に、みんな幸せそう。
ちなみに、こちらではカキを注文すればパンとレモンとバターが一緒に出されます。レモンは日本でも絞りますが、パンとバターってちょっと意外ですよね。でもこれがよく生ガキに合うのです。ぜひ、お試しあれ^^
魚介を扱っているお店は案外多く、いろんなところでカキの誘惑と戦う羽目になります。このお店では、カキを冷やすためにクラッシュされた氷の中にカキが埋め込まれていました。これが本当の「カキ氷」…
この日僕は浴衣を着てエスティヴァルに行ったのですが、ここのおやっさん気前がよくて、浴衣を着ている僕を見つけて2個もカキを試食させてくれました♪ あざーっす!
5€で地元のワイン2種類が飲めます!
エスティヴァルの大きな魅力の一つに、地元であるラングドック・ルーシヨン県のワインを安く飲めるという点があります。
もともとラングドックのワインというのはフランスのテーブルワインを生産するとして有名な地域なのですが、テーブルワインと言っても実に味わい深いワインを生産しているのです。そんなワインどころの多くのワイナリーがこぞってブースを設置しているとなると、アルコール好きの血が騒ぎます。
去年は確か5€で3杯飲めた気がするのですが…今年は2杯でした。5€払うとチケット2枚とワイングラスを渡されます。このチケットを持っていろいろなワインブースをまわって、お気に入りの一杯と交換する仕組みです。グラスは持って帰ることができるので、モンペリエでお宅訪問をすると、大体どこの家にもこの小ぶりの夏祭りのワイングラスがあります(笑)
ワインブースにはワインの作り手さんがいるので、フランス語が達者であればワインについていろいろとレクチャーを受けることができます。慣れてくれば、レクチャーを受けながらあれこれ試飲をして、チケットを渡すことなく多くのワインを飲み歩くなんてことも。
僕はMas Granierというワイナリーが、屋外で飲むワインとしては最近のお気に入りです。ブルゴーニュのワインが好きな人からすると顔をしかめられそうなほど、フルーツや花のブーケが日に干されて香りを凝縮したような、濃厚なアロマのワインを作るんですよね。イメージとしては、ドライフラワーで作ったポプリのような感じです。グラスを手で温めていると、本当にポプリのような香りが漂ってくるのです。やりすぎると発酵した香りになってしまうのですが…
上品さなんて一切なし。南仏人の毛深いこぶしでガツンとやられる感じのワインです(笑)
音楽も溢れています
野外コンサートも数か所のブースで演奏されていて、カントリー調の歌が聞こえたり、僕たちの目の前ではスウィングダンスが踊られていたり。
他にも、スパニッシュギターをかき鳴らす、シプシー・キングスのような演奏をしているところもありました。
照明で真っ白けに飛んじゃってますが、本当はよく日に焼けたダンディーなおじ様たちでした。それにしてもすごい人だかりですよね。
スペイン音楽を聴くとふと思い出すのですが、ここら辺一帯はその昔、今はバルセロナが独立への道を歩もうとしている気運の出発点ともなっているカタルーニャ辺境伯領の一部だったんですね。モンペリエから南に下ったコリウールという町を訪れたとき(コリウール - フランス南端の港町へ - フランシウム87)にも、道ではスパニッシュな音楽を耳にして、いまだにこの地に残るスペインでもフランスでもない、独特な文化を耳で感じたのです。
あ、ちなみに本家ジブシー・キングスもモンペリエという町を気に入ってるそうで、年に1回くらいはモンペリエにコンサートに来ています。
estivalで見つけたおもしろいアイス
他にもestivalではいろいろな郷土料理を食べることができます。
全てを紹介することはできませんが、最後に今回見かけたちょっと変わったアイスを紹介します。
まずはglace artisanaleと書かれていたこちらのお店。
glaceとは「アイス」のことで、artisanal(e)は「手仕事の」という意味があります。その名のとおり、職人さんたちが氷の入った木桶の中で、一生懸命アイスの液体を攪拌しながら冷やし固めていくのです。こんなに暑い中…本当にご苦労様です。
お味はバニラココナッツ。フレーバーのわりにあっさり目の味でしたが、舌触りがとってもいい!これならどんぶり一杯いけちゃいそう!
もう一件は、なんと羊の乳を原料に使ったアイス屋さん。
羊のミルクなんて臭そう…と思ったのですが、これが意外と軽やかな口当たりで臭みも一切ありませんでした。限りなくフレッシュな羊チーズを食べている印象。(個人的にはもうちょっと臭くても良かったかも…と。)
この通り、フレーバーの種類もたくさんあります。
しかし、こちらのアイスは既製品のようで、エスティヴァル以外でも取り扱っているお店があるとのこと。だれか旅行で南仏に来た人におすすめできそう♪
…と、こんな感じで、フランスの夏祭りもなかなか楽しいのです。