フランスでアロマオイルを買うなら?┃アロマで自分だけのフレンチライフを作ろう!
アロマテラピーが日本で人気に火がついてから暫く経ちます。今では洗剤や芳香剤など、日本のあらゆる製品に様々な香りが付けられていて、良くも悪くも日本人は香りに対して関心が強くなったなぁと思います。
もともと日本人は鼻(嗅覚)が割と敏感な割に、生活環境の匂いにあまり関心を払っていなかったんじゃないでしょうか。日本に帰ると、路地や駅が飲食店の酸化した油の匂いがしたり、満員電車にはヨーロッパのものとは違う独特の体臭が充満していて驚きます。対してヨーロッパは、犬の糞はそこら中に転がっていて臭いのですが、一方で家の中は良い香り、料理の匂いは他の部屋にうつらないようにする…なんていった配慮があったりして、香りに対して関心が高いのかな、と思うのです。お風呂を入る習慣がなかったから、上塗りの香りが重要だったという時代背景があったからかもしれません。
そんなヨーロッパで発展した、香り(アロマ)療法(セラピー)。もちろんフランスでは今日でもアロマセラピーは人気で、普通の薬局でもレジ横に必ずと言っていいほどハーブの精油(エッセンシャルオイル)が置かれていますし、僕が大学で学んでいる生物学でもエッセンシャルオイルの殺菌作用が授業で出るくらい。
逆にフランスで見かけるアロマセラピー用品は多いので、いざ買おうと思うとどのメーカーのものを選んだらいいのか迷ってしまうもの。そこで、今回は僕のアロマ話と、最近発見したオススメの精留所を紹介します。
エッセンシャルオイルで健康づくり
母がアロマセラピストでもあるので、アロマで幼い頃からセラピられていた僕ですが(笑)大人になって海外で一人暮らしをしていても簡単に実行できる健康維持法として重宝しています。
香りの療法なんて、なんだか眉唾物な気がしないでもないですが…っていうか、僕自身もアロマセラピーには抗生物質みたいな決定的な効き目はないと思っているのですが、不思議なことに風邪をひかないんですよね。もう10年以上、歯医者くらいしか病院には行っていないですし。単に体が丈夫なだけかもしれませんが、良い香りだし効き目なくてもまぁいっか、という感じでアロマポットでエッセンシャルオイルの香りを部屋に充満させています。
対して母はインフルエンザウィルスもアロマの力で寄せ付けようとしない強者で、冬に石油ストーブを出したら、常に何らかの香りが火のすぐそばに置かれた陶器製のポットから出ていました。
生物学的には、実際にエッセンシャルオイルの中には抗バクテリア・抗ウィルス作用のある物が存在します。また、香りの正体は分子で、それが免疫力を高める効果のあるレセプターに特異的に結びつくことがあるだとか、様々な証明が出つつあるのも事実です。
でも、殺菌性があると言っても高濃度の場合のみ効果があることがほとんどですので、アロマポットで揮発した精油成分が空気中のバクテリアを殺せるかというと、微妙なところですけどね。
一家に、これ一本!
そんな中で、僕がエッセンシャルオイルの殺菌性を実感した出来事があります。
ティーツリーという、エッセンシャルオイルの中ではかなりメジャーな種類で、フランスの薬局では大抵どこにでも置いてあるエッセンシャルオイルがあります。値段もお手頃なので買いやすい。
ティーツリーの一番の効能は殺菌力。ちょっとやそっとの菌なら、たちどころに殺してくれます。というのも、恥ずかしい話ですが、数年前に水虫を自分の足に発見してしまって…それでネットで調べていたらティーツリーの成分が配合されたクリームが水虫に聞くと書いてあったのを発見し、また別のサイトではティーツリーの精油は直射日光にあたらなければ皮膚に直接塗布することができるなんていうことも書いてあったので、ものぐさな僕はティーツリーのエッセンシャルオイルを数滴、足に塗っていたんです。
そしたら、2週間くらいで完治しました!(^^)!ティーツリー恐るべし。3.5€でこの破壊力。
水虫と言っても、正体は真菌。ということで、今度は同じ真菌である食べ物に生えるカビで実験です。
ミカンって、いっぱい買うと大体一個は犠牲になって、全身緑色のカビに包まれるじゃないですか。だから、カビがちょろっと見えたところでそのミカンを専用の個室(タッパー)に移してあげて、すぐ近くにティーツリーの精油を一滴たらしてみたんです。そしたら、やはりミカンは全体的に腐りましたがティーツリーの精油を垂らした側面にカビが生えることはありませんでした。垂らしてない方の側面は青のりかっていうくらいカビてました。
まぁ、それからはなんでもなくても常に足にティーツリー塗ってます。ヨーロッパだと圧倒的に靴を履く時間が長いので、匂い対策になって良いですしね。それ以外にも、部屋でアロマポットとして焚けば殺菌できそうな気がするし、ちょっと目を覚ます香りなので勉強でボーとしたときにも使えます。ほんと、一家に一本は置いておきたいエッセンシャルオイルです。
媚薬としてもアロマ
媚薬として使えるアロマはいろいろあると思うのですが、僕がお勧めするのはイランイラン。
殺菌作用のすぐあとに媚薬効果を紹介するのもどうかと思いますが…香りには抗バクテリア作用よりも、人間の心を惹きつける作用のほうが強いと個人的には思うので、アロマの媚薬的な活用法はマストなのです^^
さて、イランイランは多くの魅惑的とされる香水にもほんの少しだけ使われている香りなので、部屋の香りとして使う場合もごく少量にとどめておきます。効果のほどは…御自分で御確認ください^^
イランイランはちょっと気分が沈んだ時、何かやらなくちゃいけないのに体が重い時にも、心を奮い立たせてくれる効果があると思います。
bantanおすすめの精留所
さて、アロマオイルの話をひとつひとつしていたら、それだけでブログが一つ作れてしまう量になるので一旦終了。
秋になって、また新しくエッセンシャルオイルが欲しいなぁ、そういえば顔に塗る用にキャリアオイルも欲しい…と思ってネットで探していたら、Abiessenceというサイトを発見しました。
Abiessenceは、リヨンの西にある精留所&ブティックで、原料から自社栽培・自社精留とこだわっているところがポイントです。また、樹脂系の精油などを木からとった後も、その木を廃材とはせずに精油とは違った目的で使い切るため、ゴミを出さないようにしているのだそう。うーん、ビオですなぁ。
さらに嬉しいことに、びっくりするほどリーズナブル。量も小さい単位で購入することができるので、まずはお試しで5ml…みたいな買い方ができて便利です。
そして、Abiessenceではエッセンシャルオイルだけでなく、キャリアオイルや植物から抽出した精水なんかもあるので、手作りコスメを作りたい女子の皆様、必見ですよー!笑
僕は、南仏の厳しい乾燥に耐える目的のためなので、油買って肌にベシベシ塗るだけで手の込んだことはしませんが…(;・∀・)
あ、ちなみにこのサイトで売られているものの中には食べることのできるものもあります。っていうか、むしろ食べる用のものもあります。僕が肌に塗ろうとして買ったヘンプシードオイルもその一つで、買って肌に塗ってみたら驚くほどのキツい匂い!後日、日本にいる母とラインでその話をしたら、ヘンプシードなんて肌にはあまり使わないと言われ、今ではキャロットラペサラダのドレッシングにして食べちゃっています。
ヘンプシードオイルは、今年の夏に日本に帰ったときにちらほら見かけたので、恐らく日本でもブームになったのか、それともこれからブームになるのかわかりませんが、食べて体に良いオイルとしても注目されています。僕は生化学の授業の中でも、特に脂肪酸についてが大好きなので油ラブ♥なのですが、そうでなくてもいかにも体に良さそうなことが実感できる味をしています。
因みに、ヘンプシードはフランス語でchanvreです。部屋(chambre)と一文字違いなので覚えやすいのですが、気を付けるところが2箇所あります。それは、「ン」のおとがnとmで書かれているということ。bやpの前ではn→mになる法則に乗っ取った書き方です。そして、日本語と同じようなbの音とは異なり、vの音はしっかりとした唇をかむようにして発音するという点です。(実際に噛みはしないですけどね。イメージイメージ。)
一緒に買ったローズウォーターも食用可でした。バラって、意外と牛肉の煮込み料理とかに合うと思います。牛テールの煮込みなんかが最適だと思うのですが、ほんの少しだけ隠し香りに使うとオシャンティ。
Visites d'Abiessence : les huiles essentielles 100% Loire
他にもザクザク、フランスのアロマ
ついでなので、僕が使ってみて良かったと思うサイトを紹介します。
〇ムセゲ・ラボ
フランスでフィトタラピー(植物療法)を広めた重要な人の一人である、モーリス・ムセゲのブランド。1960年代に、殺虫剤や重金属などの汚染物質を使わないことを保証した。ムセゲ・ラボの前身となるPhytobioというブランドを設立。世界で最初に農業における化学物質の必要性に疑問投げかけた人の一人でもある。フランス南西部のジェール県に本部を置く。
ホームページ: https://www.messegue.com/
エッセンシャルオイルのページ:
https://www.messegue.com/aromatherapie/huiles-essentielles.html
〇オナテラ
様々な自然療法(代替療法として使われるものを含め)を、様々な人に手軽に使えるようにすることがコンセプトのブランド。2011年にエクサン・プロヴァンスで設立。
ホームページ: https://www.onatera.com/
エッセンシャルオイルのページ:
https://www.onatera.com/produits-huiles-essentielles,1.html
〇アロマゾーン
日本にいる時に見たサイト。2005年からプロヴァンスに本部を置く、フランス大手のアロマ関連グッズを扱うマーケットの一つ。世界中から原料を調達する一方で、フランス独自のBIO認証を受けている製品が多くて人気。
ホームページ: https://www.aroma-zone.com/
エッセンシャルオイルのページ:
https://www.aroma-zone.com/sante-bien-etre/huiles-essentielles-et-coffrets.html?mode=grid&limit=12
それと、今回紹介したところはこれ。
〇アビエサンス
リヨンの東に位置する、モン・デュ・フォレにある精留所直営のマーケット。その土地で撮れた植物しか使わないため、種類はあまりないけど、値段がとても安く、完全な自家栽培。
ホームページ: http://www.abiessence.com/
エッセンシャルオイルのページ:
http://www.abiessence.com/162-les-huiles-essentielles
以前紹介したことがあるのですが、僕の住む南仏モンペリエには、エッセンシャルオイルの香りを簡単に料理につけることができる調味料が作られています。料理好きの人は、これで料理の幅が広がること間違いなし。
おわりに
南仏と言えど、冬は寒くなります。やはり夏のように外を出歩く機会は少なくなるので、おうち時間を充実させる工夫が必要。アロマテラピーで心も体も元気に、今年の冬も過ごしたいものです^^