南フランスのパニエから┃ニンジンみたいなpanaisという変わった野菜
海外に行ったときに、日本では見たことのないような食材や料理に挑戦するのって楽しいですよね。
僕はもともと料理人であったにもかかわらず、忙しさを言い訳にあまり新しい食材というものにチャレンジしてきませんでした。なんか、最近無性に変わった食材が食べたくなったりすることがあるので、そんな経験から発見した南仏の野菜を紹介したいと思います^^
あ、ちなみにパニエとは、フランス語で買い物などをするときに使う「バスケット」を意味します。
ニンジンのようで、そうじゃない。panais(パネ)という野菜
この前、行きつけのバーで勉強をしていた時、居合わせた日本人の人と料理の話になり、その時の会話の中に登場して初めて名前を知った野菜。
panais(パネ)
wikipediaで検索したところ、日本語のページでは「パースニップ」という名前で書かれていました。
パースニップ(Parsnip、学名:Pastinaca sativa)は、セリ科の二年草(まれに一年草)。ニンジンに似た根菜で、別名にアメリカボウフウ、シロニンジン、サトウニンジン。ヨーロッパ原産。 - wikipedia
形は確かにニンジンみたいですよね。
でも、白です。そして、でかい。長さ20cm、幅も頭の太い部分で15cmくらいあります。かなり密で重たい印象があります。
八百屋さんに聞いてみたところ、「ポトフのように煮るとおいしい」とのこと。ふむふむ。
でも僕は最近家であまり肉を食べなくなってしまったため、野菜ばっかり煮てもあまり美味しくないかも…と思い、他の調理方法を聞いてみました。
「あとは、さいの目に切って、バターと一緒にジャガイモみたいにしっくりソテーするとか…」
ジャガイモのソテー大好き!うん、それにしよう!という事で作ってみました。
調理方法はいたって簡単。
ニンジンのように皮をむき、ジャガイモのようにさいの目に切り、水にさらしておきます。
鍋にはバターのような動物性脂肪を溶かし(僕は今回、冷蔵庫の中にあまっていた鴨の脂を使いました)、適当に切ったニンニクとherbes de Provanceという、南仏ハーブミックスをじっくり脂の中で炒め、香りを引き出します。
ニンニクや乾燥ハーブ、鷹の爪など香りを引き出したい食材は、最初に低温の油でじっくりと炒めることが秘訣です。炒めれば炒めるほど、良い香りがどんどん引き出されてきますよ♪
十分ニンニクの香りが出たころに、先ほど切ったパネをいちどに鍋に入れ、軽く塩をして蓋をしてしばらく待ちます。
この野菜のいいところは、ニンジンみたいに火の通りが悪くないという点。ニンジンって火の通りが悪いじゃないですか。カレー作ってニンジンだけ固かった経験があるのは、僕だけじゃないと思います。
でも、このパネという野菜は、かなり早く火が入ってしまいます。その割に、熱が通っても形崩れがしないので、放っておいても問題ありません。形崩れしにくいので、八百屋さんは煮込み料理のポトフに向いてるって言っていたんですね。
ちょっと鍋の底から香ばしい良い香りがしてきたら、いいタイミング。あつあつをいただきます。
パネは、その形から連想するように、セリ科特有のニンジンのような爽やかな香りがうっすらとします。でも、食感はニンジンとは全く違い、滑らかなジャガイモ、ヤツガシラのようなきめの細かい感じがします。栄養的には、カリウムの含有量がとても高いです。疲れやすい人、とくに足が良くつる人にお勧めです。
日本でもこの野菜は売っているんでしょうか。調べてみたところ、ニンジンよりも早くから中世ヨーロッパでは栽培されていたようなのですが…
これからどんどん冬になってきますね。根菜のように体の温まる食材で、寒さを乗り越えましょう^^!