フランシウム87

南フランスに住む日本人学生が発信するブログ。

南仏の春┃「ボッティチェリの3枚の絵」から

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いよいよ、南仏の空にも春がやって来たようです!

 

 

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3月と言えば、僕が地中海沿いの気候の中で最も好きな時。

スペインのバレンシア、フランスのモンペリエと、地中海沿いの2カ所の町に住んで思ったことは、この地域は春の始まりが最も心地が良いという事。

 

地中海周辺と言えば夏というイメージがあると思いますが、ちょっと暑すぎるんですよね。特に8月あたりはアフリカ大陸からやってくる熱波にあおられるので、下手したら体に大きなダメージを与えるほどの暑さになります。

 

南の方なんだから冬は?という意見もあるかと思いますが、南仏の冬は意外と寒いのです。特に北から寒気がやってくるとかなり冷え込むうえ、南仏の家はもともと寒さ対策がなされていないので、その冷たい空気が隙間風となって室内に入り込んでくることも。

 

秋は地中海沿いの雨季なので、こちらもダメ。スペインでは、この地中海沿いで秋に降る激しい雨の事をgota fría(「冷たい滴」の意)とも言い、この短い雨季を境に急に冬の気候へと変わるのです。

 

つまり、南仏においてゆっくりと移り行く季節の変わり目、そして心地よい気候という2つの条件が合うのは春だけなのです。

 

まるでボッティチェリの世界

 

南仏で春がやってくる兆しは、いくつかの段階によって感じることができます。

まずはアーモンドの花。一見すると桜と見間違えるような可愛らしいアーモンドの花は、まだ寒さが残る冬の終わりごろから咲き始めます。アーモンドの花が咲き始めると、南仏にもそろそろ春がやってくるのだという事が分かります。

その次に僕の目を引くのがローズマリーの花。株の特徴にもよるのですが、だいたい3月ごろから咲き始めます。日中暖かいなという頃には、ローズマリーの可愛らしい青い花は満開。この花をたくさん摘み取って乾かしておくと、食材ではなかなか珍しい青い色彩を皿の上に添えることができる、料理の貴重なアイテムになります。

そして、いよいよ暖かい日が照り、芝生の上で昼寝がしたいなぁと思うような気候になってくると、一気に様々な花たちが咲き始めます。

その様子は、まるでボッティチェリが描いた「春」のような光景。

特にヨーロッパらしいなぁと思うのは、小さな様々な種類の花が野原一面に散らしたように咲く風景。

 

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日本も野原に行けば花が咲いていますが、どことなく雰囲気が違うんですよね。ヨーロッパのほうは、ポプリに使われるような小さな花を、パッと野原一面にちりばめた感じ。日本は、大ぶりなタンポポがあったりして花束を見ているような感じ。

 

名画をレスピーギの名曲で楽しむ

 

ボッティチェリと言えば、僕が好きなのは絵画という方向ではなく、クラシック音楽の方向です。

イタリアの近代の作曲にオットリーノ・レスピーギという人がいます。このブログでも以前、ローマ3部作に関する記事で登場したことがあります。

(過去記事)

彼の作品の中に、ボッティチェリの絵画からインスピレーションを得て作曲された、その名も「ボッティチェリの3枚の絵」という曲があります。そして、この一曲目が日本でもCMやデザインなど多くの分野で利用されている「春」という絵が下敷きになっている曲なのです。

春の訪れが、目まぐるしく吹く風や、様々な生き物や花の命の芽吹き、なんかキラキラしたものも舞ってるー!という感じで音で表現されている、とっても爽快な一曲です。

 


Respighi - Spring - Three Botticelli Pictures (1/3)

 

曲の印象と言うのは演奏者(もしくは楽団)で大きく変わります。お勧めは、クラウディオ・シモーネが指揮するこのCDです。

僕は年間100枚はクラシック音楽のCDを聴いているのですが、その中でも「これは!」と思うものは年に数枚あるかないかです。そのうち、「今後もずっと聴きたい」と思うものはぐっと数を減らします。クラウディオ・シモーネの指揮する、このレスピーギのいくつかの組曲が収録されたCDは、僕にとっては数少ない「いつまでも聴いていたい1枚」なのです。

何がすごいかというと、リミットのない楽団の音の解放感が、レスピーギの古典→オーケストレーションという見事な調合と相俟って、どこまでも突き抜けるような鮮やかな色彩感が実現されているという点です。何を言っているかわからないと思いますが、聞いてもらえればどんなものだかわかると思います。特に、オーボエの音色が魅力的なのです^^

 

 

 

そんなこんなで、モンペリエにも春がやってきてなんだか嬉しいです。

と、同時にもうすぐ試験の季節がやってくると思うと心穏やかじゃない側面も。

モンペリエの「春」は、これから楽しい時期を迎える南仏の第1曲目となるでしょう^^

 

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大学の構内にて