フランシウム87

南フランスに住む日本人学生が発信するブログ。

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ラマダン2017

今年も始まりました。ラマダン!

ラマダンって、たぶん初めてこの言葉を耳にしたのは中学生のころ。英語の授業で先生が話していたのを聞いて初めて知った記憶があります。

 

ラマダンって、まぁ簡単に言うと断食するんですけど、日本で断食っていうと、ちょっとしたダイエットみたいな、健康志向的なイメージがありますよね。

僕がフランスに住み始めてそろそろ4年。イスラム教の人たちと多く接してきた中で、何となく見えてきたラマダンン情報を紹介したいと思います。

 

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宗教を理解するって難しい

 

海外で生活していると、宗教観というものの大きさに気付かされます。

スペインにいた時は古くからのカトリック観にびっくりしたのですが、フランスはイスラム教徒が多い分、イスラム教のインパクトが大きかったように思います。

 

イスラム教の人が豚肉を食べないのは有名な話なので、多くの人が知っているところだと思います。前回のカレーの記事でも、この忌避すべき食材について触れました。

 

francium87.hatenablog.jp

 

で、今回はラマダンについて。

2017年のラマダンは5/27-6/25日までの30日間。

この30日間、イスラム教徒たちは日の出ている間は飲まず食わずです

 

もうほんと、文字通り飲まず食わずで、水一滴すら飲もうとしません。

日が沈んだら食事してもいいんですけど、フランスって日が沈むのが遅いんですよねー。なんだったら南仏の夏は22時ごろまで薄明るいくらい。

なので、日没で食事できるといっても、実際のところは夜の9時ぐらいになって、やっと食べ物を口にできるのです。もう、20:45くらいからみんなそわそわして、食事の準備を完ぺきに整えてます。

ここで食べるものは、ジュースや飲むヨーグルトみたいな飲み物、ナツメヤシの実などの栄養価の高いものや、それぞれの国ごとに特色ある、あまーいイスラム発祥のお菓子たち。

あまり大量に食べると胃に負担をかけちゃいますからね。少量で多くのエネルギーを摂取できるものが望ましいとのこと。

 

また日が出てきたら一切飲み食いできなくなるので、彼らの朝ごはんは夜中の2-4時くらいなのだそう。

 

それだけでなく、ラマダン期間中はアルコールは飲めないし、その他いろいろ生活の規則があるのだそうで、僕は聞いてるだけで辛くなってしまうのですか…(笑)

 

さて、そもそも彼らはなぜラマダンをするのでしょうか。

 

 

ラマダンの意味

 

ラマダンはただ断食をするだけではありません。もちろん、ダイエットとかデトックスのためでもありません。

 

まず僕が驚いたラマダンの理由は、断食をすることによって、食事をすることのできない貧しい人々の苦しさを知ること。

 

初めてこれを聞いた時、「え、ラマダンってそんな目的なの( ゚Д゚)?」と驚いてしまいました。

 

豚肉を食べないのは、暑い地域で傷みやすい豚肉を食べることを控えるため。一夫多妻制なのは、広大な砂漠のなかで子孫を残すためにとられた方法…みたいな話を聞いたことがあるのですが、断食が他者の苦しみを知る方法だったとは。

 

あとは、こういった苦しい期間を通して自分自身と向き合う大切な時間にもなるのだそう。ここら辺は、四国のお遍路さんとか、サンティアゴ・デ・コンポステラの巡礼と似たような感じがします。

 

 

ラマダン中でも社会は回ってる

 

いくらイスラム教徒がラマダンという苦しい期間を過ごしていても、イスラム教徒以外の人たちはいつもと変わらない1ヶ月を過ごします。

だから、社会は何ら変わることなく回り続けるのです。

まぁ、日没後の軽食のための時間が勤務中の人なんかは、その部分を特別な休憩時間として確保してくれるくらいのことはあるでしょうが、ラマダンだからと言って勤務の軽減なんかはないそうです。

 

僕の通っている大学も、追試はがっつりラマダン期間中です。

朝いち8時からの試験とかだったらまだいけそうな気がしますが、夕方16時からの試験+ラマダンって、もう無理だと思います。

僕なんて、たかが2時間の試験にスニッカーズ+パウンドケーキ+水で挑んでるのに。。。

だから、ムスリムの友人が先日の試験前に言った「追試は嫌だなぁ…」という言葉には、特別の重さが感じられました。

 

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ラマダン中はすごく優しくなる

 

これが初めてラマダンをしている人と過ごしていてびっくりしたことなのですが、ラマダンしてる人たちってすごく優しくなるんです。

まぁ普段からヨーロッパの人って道譲ったり(車の場合は例外)、扉は空けて後の人を待ってくれたり、日常生活レベルで親切なことが多い印象があります。

 

でも、ラマダン中のムスリムの人たちは格段にやさしくなります。

具体的にどこら辺かというと、ラマダン解禁された後の軽食の時。

周りにいる人たちにやたと自分たちの食事を勧めます。

最初は、せっかく断食空けて食べることができるようになったんだからいいよー自分たちで食べなよー。って言っていたんですが、よく考えたらラマダン中は人に親切にすることを徹底するようなんですね。

貧しい人の気持ちを知ることもしかり、おなかが減って喉が渇いて暑くてイライラしても、ラマダン中の喧嘩はご法度です。

 

なので、それからは勧められたものはありがたく頂戴することにしました。(ていうか、いくら断っても食べるまで勧め続けてくれる。)

人の好意にお返しできるものは感謝しかないので、ちゃんとしたお礼を言いながら一緒にナツメヤシをもぐもぐ食べます。

 

でも、ラマダン用の軽食ってさっきも描いたように高カロリーのものがほとんどなんです。僕は普通に夕飯食べちゃってるので、だいたいこの期間中、僕はカロリー過多になるみたいでニキビができちゃいます。

 

ラマダンって知れば知るほど興味深い行事。

でも、僕にとっては肌が荒れるイベントです(´・ω・`)