外国語の勉強法┃フランス語をもっと上手にする3つの問題点
フランス語を勉強しているけど、なかなか上達しないという話をよく耳にします。
そういう人は、フランス語に限らず外国語を勉強するために必要な”ある考え”が疎かになっているのかもしれません。
この記事で紹介する3つの問題点が、今一度フランス語を勉強するために必要なものを自分自身に問いかけるきっかけになれば嬉しく思います。
なぜ、フランス語なのか?
まずはとても根本的なところから考えてみましょう。
なぜ、フランス語を勉強したいのでしょうか。英語やスペイン語ではなくフランス語を勉強しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。
フランス語の勉強は、めざす目標によってさまざまなプロセスを計画することができます。日常会話くらいできればいい、専門的な分野の話題をフランス語で扱えるようにしたい、など、めざすビジョンはある程度明確である方が、フランス語の勉強の道筋を考えるのに役立ちますし、なにより大きなモチベーションとなります。
フランス語の勉強のためのプロセスの考え方
なにもフランス語の勉強に限った話ではありません。他の学問でも、仕事でも同じだと思います。ある程度のきめられた期間の中で、ある程度の仕事をしようとしたとき、まず考えなくてはいけないこと。それが一つ目の問題点である、「時間の逆算」です。
A,B,Cという3つのタスクを、3ヶ月を目標に取り組もうと考えた時、あなたはどうやって時間を配分しますか?
まず最初にやるべきことは、それぞれの仕事に掛かりそうな時間を見積もることです。つまり、これからやるべきことの全体像をざっくりとでいいので把握するのです。
もしそれぞれのタスクが同じような比重であった場合、3ヶ月を均等に3つのタスクに割り当てればいいので、1つの仕事を1ヶ月ずつ取り組めばいいことにあります。もしくは、1日の仕事時間を3等分して、それぞれのタスクを同時進行で進めることもできますね。
もし、それぞれのタスクの比重が均等でなかった場合、自分でその比重に検討をつけ、それをもとに時間の配分を考えてゆけばいいのです。
この作業は、語学学習にとってとても大切です。
なぜなら、語学の学習というのはあまり時間をかけてしまうと成果があまり実らない学問だからです。
以前、"サグラダファミリア現象"と命名して、時間をかけすぎることで失敗するフランス語勉強について紹介しました。
独学で、あわよくば3年くらい勉強して、日常会話くらいのフランス語がしゃべれるようになりたい^^
なんて考えている人は、はっきりいってフランス語の勉強を止めたほうがいいです。
3年もかけてやっと日常会話くらい、ってことはかなりゆっくりなペースでの勉強をイメージしてますよね。そんなスピード感じゃ覚える量も少ないし、時間がかかって前に勉強したことは忘れるし、いいことありません。
僕は、こののんびりの考え方を「サグラダ・ファミリア現象(phénomène de Sagrada Família)」って呼んでます。
サグラダ・ファミリア(スペイン・バルセロナにある、建築家ガウディの設計した教会)は、1882年から建設を続けていますが、まだ終わっていません。
工期があまりにも長いため、いまでは建設と並行して、初期に作られた部分の修復もしているのです!これじゃあ、完成するのはどんどん先になりますよね。
でも、2010年にローマ教皇が訪問することが決まった時には、今まででは考えられないくらいの急ピッチで工事が進んだのです。なんだ、やればできんじゃん。
マイペース=のんびりやる、じゃないんです。
例えば、あなたがフランス語の勉強の中で動詞の活用と時制に対して苦手意識を持っているとします。この場合、どのように勉強の筋道を立てたらよいのでしょか。
僕だったら、まず最初に動詞の活用には何パターンあるのか、時制の種類がいくつあるのかというのを把握することから始めます。そして、フランス語の勉強が進まないことに悩みを抱いている人は、往々にしてこの「把握する」というところが上手くいっていないようなのです。
僕がこのことに気が付いたのは、僕はフランス語を勉強する前にすでにスペイン語をしゃべることができたという、少し特殊なケースであったからでした。というのも、動詞の活用と時制の種類において、フランス語とスペイン語は(もちろん違いもありますが)かなり似通っているのです。つまり、僕がフランス語の勉強を始めての直接法現在の動詞の活用の暗記をしているときには、すでに「あぁ、こんなのがフランス語でも接続法大過去まであるんだろうなぁ」と、ざっくりと把握できていたのです。そして、この把握があったからこそ、半年でフランス語のある程度の指標となるB2レベルをとる!という目標を立てて、それに対して効果的なプロセスを設定することができたのだと思うのです。
この把握、ざっくりとしたもので良いというのは言うまでもありません。このステップでマニアックになりすぎても意味がないのです。実際、僕もスペイン語の知識を適用してある程度の時制のバリエーションは予想していました。しかし、やはりスペイン語とフランス語は同じものではないため、実際に勉強に取り組んでみると多くの予期していなかった違いが出てきたのです。
ざっくりとした全体像の把握のためには、この文法サイトを活用すると良いでしょう。この作業にお金をかける必要はありません。
その後、きめ細やかで丁寧な学習には、問題集の活用を考えると良いでしょう。
こちらの記事で問題集についても書いているので、良ければ目を通してみてください。
あなたの勉強時間、足りてますか?
こうしてプロセス設計ができあがったら、あとはそれに沿って勉強を進めていくだけです。
しかし、勉強を進めるという単純な行動にも障害があります。
二つ目の問題点は、根本的に「勉強時間が足りていない」という事。
これは多くの日本でフランス語を勉強している大学生に見られるのですが、フランス語の学習と言えども一つの学問。相当の時間をフランス語の勉強に費やさない限り、フランス語はマスターできないという事を理解していない人に起こりがちな問題です。
理想は、毎日8時間くらい勉強することでしょう。少なくとも5時間くらいは日々の学習に充てたいものです。2-3時間の勉強は、それは勉強とは言えず、ただの気分転換です。
普通に考えて、毎日8時間くらいみっちりフランス語の勉強をすれば、例えば動詞の活用くらいのものはすぐに覚えきってしまいます。こうして短期間で「理論」を頭に詰め込んでしまえば、あとは時間を圧縮したおかげで余った時間で、フランス語を話す友達でも作って実際に話す「実践」をすることができます。さらにあなたのフランス語をブラッシュアップすることができるのです。
最近ではitalkiなど、ネットでフランス現地の先生を探すこともできるので、こういったサービスも活用していけば、独学でもフランス語を効率よく勉強することができますね。
もう社会人であれば、そんなに多くの時間をフランス語の勉強に割くことのできる人は少ないと思います。この場合は、フランス語学習は相当な茨の道になることを覚悟しなければなりません。
そして、そもそもそこまで時間と労力を費やしてフランス語を勉強する意味があるのだろうか?という、根本的な問いをしなくてはいけないときが遅かれ早かれやってくると思います。もちろん、気分転換程度でフランス語の勉強を楽しみたいのであれば、それはとても良い考えであると思います。でも、もしフランス語をプロフェッショナルなものにしたいと考えるのであれば、時間の確保は不可欠な要素です。
外国語は、もう一つの世界の扉を開けてくれる
このプログでもたびたび言ってきていることなのですが、フランス語に限らず外国語を勉強するというのは、今まで自分の知らなかった他の世界への扉を開けてくれる鍵になると思っています。
日本語では知り得なかった情報、日本語だけでは至らなかったであろう思考、そして、日本語だけではできなかったであろう他者への理解や共感。。。こうしたことを実現するためには、やはり人間の頭で外国語を学習することしか今のところ方法がないのです。
外国語学習という、言ってしまえばどんな赤ちゃんだって身につけることの出来る”ことば”を扱う分野において、とても大切なものは、興味を常に維持する「好奇心」でしょう。そして、この「好奇心」という3つ目の問題点は、今書いた通り、言語が新たな世界への鍵であるという事を念頭に置いておくことで、自然に解消されるものだと思います。
おわりに
僕は今、フランスの国立大学で生物学を勉強しています。
フランス語を専門的に勉強することから離れて暫く経つのですが、フランス語を勉強することを通して身につけた学習のスキルは、意外といろいろなところで役立っていると実感しています。
僕が今回こうして書いてきたことは、実際に僕がフランス語を通して発見したことです。と同時に、今年もさらなる成長を願って、自分に対する戒めとしても書かせてもらいました^^
2018年も、みんなのフランス語ライフにとって、すばらしい年になりますように!!