フランシウム87

南フランスに住む日本人学生が発信するブログ。

留学の必要性?┃日本を知るための3つのアドヴァンテージ

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このブログでは「フランス留学」や「フランス語の勉強法」をメインのトピックとして取り上げています。ありがたいことに毎月数万回もの閲覧をして頂いているようなので、少しでも誰かの力になっていればなぁと願っています。

 

ブログを読んでいる方から、ブログ上のコメント欄と、ツイッターのプライベートメッセージから質問も受け付けています。フランス留学のためのビザに関する事や、フランス語の勉強方法についての質問が多く、基本的にすべての質問に対して可能な限りの返事をしています。

 

そんな質問の中で、以前から多くの人から寄せられていて気になっているものがあります。

「留学には何のメリットがあるのか?」という事です。

今回はこの質問に対して、スペインとフランスという2つの国の留学経験、利き酒師の経験、フランスの大学で微生物学を学んだという、僕なりの個人的な経歴を踏まえて答えを書いていきたいと思います。

フランス留学を考えている人はもちろん、日本が好き!日本から出たくない!と思っているような人にも是非読んでもらいたい内容です。

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留学をするのは大変なこと?

 

留学と聞くと、人生の一大決心の様に思うかもしれません。

確かに留学をするのは簡単な話ではありません。留学中のお金をどう工面するか考えることはとても大変ですし、ビザを取得するのも一筋縄ではいかないものです。僕も19歳の時にスペイン留学をしたときは、右も左も分からず、結局ビザ習得までに1年弱の時間を費やしました。

 

また、日本の家族や恋人、ペットなどの関係性をどうするかというのも大きな問題です。ほんの2週間程度の海外旅行であればこれらの問題はどうにかなるかもしれません。しかし、留学と言うのは長期間になることが一般的です。それに、留学中は留学している本人が勉強でいっぱいいっぱいになることがあるので、なかなか日本に残してきた人や動物たちに、今までと同じようなケアができないものです。

 

仕事の問題は言うまでもありません。あなたが社会人で、既に安定した職についているのであれば、それを手放してまで留学をすることに意味や価値があるのでしょうか?学生も、就活までの貴重な時間を犠牲にして留学することに利点があるのでしょうか?

 

ちょっと考えただけで、留学を考えると問題が山積みであるように思えます。

 

何のために留学をしたいのか

 

確かに留学をするというのはハードルが高いものです。問題を一つ一つ解消するには、おそらく多くの時間と労力が必要になるでしょう。

 

そもそもなぜあなたは留学をしようとしているのでしょうか?

 

留学の理由は外国語がしゃべれるようになりたいから?それとも、海外で仕事をしたいから?日本を脱出して心機一転新しい地で頑張ってみたいという人もいると思います。

理由は十人十色。果たしてその理由は留学という大きなハードルをクリアしなくてはいけないほど価値のあるものなのでしょうか?言い換えれば、留学をする労力や時間という犠牲を払ってまで価値のある目標を持っているのでしょうか。

 

厳しい就職活動で勝ち取った仕事を投げ出してまで、留学をすることに価値があるのでしょうか。1年の停学を申請してまで、外国語を学びに行くことに価値があるのでしょうか。

 

こうして自分のシチュエーションと、あなたの頭の中の「留学の価値」を天秤にかけて、多くの人が留学を諦めるか、もしくは僕のブログに「留学には何のメリットがあるのか?」という質問を書いているのだと思います。

 

留学の価値

 

僕は神様ではないので、全ての人の留学生活が価値のあるものだと言い切ることはできませんし、新興宗教の教祖でもないので価値ある留学生活という暗示をかけることもできません。

確かに留学することによって得られるものと失うものを天秤にかけるという事はとても大切なことです。何事も無鉄砲に行動するより、ある程度考えてから行動したほうが良いでしょう。

しかし、得られるものと失うものが、あなたが今予想しているものが全てだと信じているとしたら…本当にそうなのでしょうか?

 

結論から先に言うと、僕は留学に対する大きなアドヴァンテージが忘れられている傾向にあると思うのです。そのアドヴァンテージを3つ紹介します。

 

①比較をするには対象が必要

 

これは僕が座右の銘にしたいくらい、いつも心の中で考えていることです。

僕は大の酒好きなのと、日本にいた時は日本料理の仕事をしていたこともあり、日本酒利き酒師の資格を持っています。また、僕が今住んでいる南仏というのはフランスでも有数のワインの生産地としてい知られているので、僕の生活はここ数年、酒にまみれていると言っても過言ではありません。幸せな生活です。

利き酒師という仕事は、日本酒を飲んであーだこーだ言うような仕事に思われるかもしれません。しかし、実際は日本酒の特徴を的確にとらえて、お客様の要望に沿ったお酒を案内する仕事なのです。ワインのソムリエも同じようなものだと考えていいでしょう。すると、必要になるスキルは「酒の比較」です。

利き酒と言うのは、実は一つの酒ではできないのです。何種類もの酒を並べて、比較することで初めてコメントができるのです。僕の尊敬するスペインのソムリエも、ワインの味をコメントするには、「比較」は必要不可欠だと言っていました。(もちろんプロになって多くの経験と練習を積めば、1種類の酒を飲んだだけでコメントを出すことはできますが、根底にあるのは常に「比較」であることに違いはありません。)

 

このアイデアを留学に応用して考えてみましょう。

僕は1年に1回は日本に帰るようにしているのですが、日本に帰るたびに気になるのが「日本のココが素晴らしい」系のテレビ番組が多くなっていることです。

日本の良さを再認識するテレビ番組が増える事は悪い事だと思いません。むしろ日本の歴史や文化を再発見するきっかけになっていいものだとすら思います。問題なのは、こうした番組の多くは、日本と海外の国々との「比較」が無いという事です。

「比較」が無いと何が問題なのでしょうか?他の国々との比較なくして日本の内面ばかりを見ていると、その考えは次第にエゴイストなものになってしまいます。あたかも日本は素晴らしい国であるかのようなイメージが出来上がってしまうのです。しかし、注意しなくてはいけないのは、このイメージはテレビ番組によってつくられた絶対的な日本のイメージであり、他の国々との比較によってつくられる相対的な日本のイメージではないという事です。

仮に「日本のココがダメ」というテレビ番組があればまだいいのですが、それでは視聴率を獲れないことはテレビ局はよく知っています。そのため、多くの番組は日本の文化を礼賛するような偏った番組のバラエティーになってしまっているのです。これが日本の現状です。

 

もう気づいているかもしれませんが、留学をして海外を知るという事は、日本の閉塞的な情報を自らの力で打開するということになるのです。それは、海外と比較して日本の教育の現状が破綻している、もしくは労働者の権利が失われているということかもしれません。何に気付くかというのは、その人次第なのですが、とにかくほかの国で生活して、時間をかけて日本と「比較」をしないと、この視点は手に入らないのです。

 

僕は、この「比較」する能力というのは、留学することで手に入る何事にも代えがたい貴重なスキルだと考えています。

 

②海外から見る日本の質

 

日本人と言うのは勤勉でまじめで礼儀正しく、海外からの評価はおおむね良好です。

これは今の世代の日本人だけでなく、海外の人たちの目に映る先人たちのお陰でできあがった日本人に対する評価だと思うので、そうした人達に感謝するのと同時に、日本人であることに誇りを感じます。

 

しかし、当たり前ではあるけれど日本に対する全ての評価が良好であるわけではありません。

例えば、世界レベルで見ると日本人の文章構成能力は乏しいものです。僕は生物学をフランスという「論理的な言語」で有名な国の大学で学びました。そこで経験したショッキングなことの一つに、日本の論文が「文章校正的にダメな論文」の例として頻繁に取り上げられていたことです。先生が「こういう文章構成ではダメですよー」と言いながら例に出すのが、次から次へと日本の大学や研究所が作った論文だったのです。

違う視点から考えれば、内容は良いのに書き方がダメだという事で、日本人たちが書いた論文の内容については一定の評価をしているようです。書き方が如何せんイケていないのだそう。実際、僕のような新米が読んでみても、確かに内容が頭に入ってこない分かりづらい文章構成で書いてあったりするのです。

 

多くの日本人は日本の功績を日本語でしか読まないと思います。しかし、外国語を通してそれらを読んでみると、なぜ日本の高い技術力が世界に受け入れられていないのかが分かってきます。なぜ機能的に優れていた日本のスマートフォンが、iphoneというシンプルすぎる機種に負けてしまったのでしょうか。一度海外の視点から物事を捉えないと答えが見つからないことはたくさんあります。そういう視点を日本の企業は求めているのではないでしょうか。

 

③外国語を喋ることができるようになると、新しい世界が一つ開ける

 

これは僕が前々から繰り返し言っていることです。

外国語を習得するためには何も留学までする必要ないのですが、言葉とあわせてその文化背景や生活様式を知るためには、やはり現地で生活することは欠かせません。

人は何かに行き詰ったときに、アドヴァイスを得たいと考えます。顕著なのが占い師に行く人たちでしょう。新しく学んだ言語と言うのは、新しいアドヴァイスがたっぷりと詰まった新しい世界の扉を開ける鍵の様なものです。今の生活に閉塞感を感じているのであれば、言葉を学んで新しい世界に足を踏み入れてみると良いでしょう。きっと日本の何が良いのか、何が悪いのかを判断することができるようになると思います。

 

おわりに

 

留学にそれなりの価値を見出すことができなければ、留学に踏み切ることはできません。多くの人はあれこれ予想を立てて留学によって得られるのと失うものを天秤にかけて判断しようとしますが、それでは不十分だと思います。

今回の記事で紹介した①比較をするためには対象が必要②海外から見る日本の質③外国語という新しい世界への扉の鍵、という3つのアドヴァンテージを今までの予想に加えて、もう一度天秤にかけてみてください。果たして、留学があなたにとって価値のあるものになりそうでしょうか。