フランシウム87

南フランスに住む日本人学生が発信するブログ。

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フランスの大学で困ること

ところ変われば文化が変わる。

文化が変われば習慣が変わる。

習慣の違いって結構インパクトが大きいものです。子供のころ、友達の家の習慣と自分の家の習慣が違っていて、ショックを受けたなんてことはないでしょうか。島国・日本の中でも習慣に違いは多種多様なんだから、日本から出ると、習慣の違いというのはグッと大きくなります。

 

有名なところでは、欧米では家の中にも靴を履いたまま入ることでしょうか。最近では、土足禁止の家も増えてきているので、現地の人の家に招かれた時に靴を脱ぐという場面に出くわすことも多くなりました。

大体、海外在住の日本人の家は土足禁止であるのが一般なので、家に上がるときには靴を脱ぐということを見越して靴下は穴の開いていないものを選んで履いていきます。反対に、フランス人に家に呼ばれたときは「靴、脱がないだろう…」と思ってテキトーな靴下を履いていって恥ずかしい思いをした…なんてことはよくあることです。え、僕だけ?

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mokuji

 

 

 

フランスの大学で困ること

 

日々の生活にあふれかえっている、海外と日本の文化の違い。

数えだしたらキリがないのですが、今回は、大学生活の日常から「えーそんなことしちゃうのー?」って思ったことをピックアップして紹介したいと思います。

 

 

 

講堂の机にスペルを書いちゃう

 

僕は外国人なので、先生の言ったことがうまく聞き取れず、近くの友人に「ねぇ、今先生なんて言ったの?」と聞くことがしょっちゅうあります。

みんな優しくて、自分の板書の手を止めて僕に教えてくれるのです。複雑な単語なんかは、口頭で言っても僕がうまく理解しないことはわかりきっているので、スペルを書いて教えてくれるのです。が、だいたい机に直接書いてくれます。

フランスに限ったことではないのですが、欧州ではノートをとるときでも基本ペンを使います。シャーペンや鉛筆はあまり使われません。もちろん使う人もいるのですが、ペンのほうが主力だと思います。

昔、どこかで聞いた話なのですが、殊、フランスにおいては紙に書き下す文章は、すべて頭の中で完全に構築された状態であるべきとされていたのだそうです。完璧に構築された文章というのは、スペルミスの修正はもちろん、文法も文章構成も何もかも、後から訂正する必要がない文章ということです。というわけで、最初から訂正することを予想した鉛筆などの「消せる筆記用具」ではなく、ペンなどの「消せない筆記用具」で書くようになったそうなんですね。

現在では、ノートへの板書は個人が好きに選んだ筆記用具を使って構いません。しかし、試験だけは(デッサンなどを除いて)絶対に黒か青のペンでなければなりません。

 

話がそれましたが、そういった理由があって、友人のほとんどはペンを使っているのです。で、そのペンで僕が質問した単語を机にどんどん書いてくれる…机って、本来みんなで使うものなんだけどいいのかな?って心配しちゃうくらい、みんなどんどん書いていく。落書きはもちろんあるけれど、それに加えて「みんなのノート」と化してゆく講堂の机。めっちゃ汚いです。

 

 

 

図書館の本はドッグ・イヤー

 

ドッグ・イヤー。以前、気になるページの角を追って目印にすることを、犬の耳が折れた状態に倣って「ドッグ・イヤー」と紹介している日本の通販カタログのCMがありました。

 

図書館の本って、普通ページを折ることってないですよね?

僕、もともと活字が大嫌いな性分なので本を読むことはあまりないのですが、いろいろと勉強をするにあたって、やはり読書をする必要が出てくるんですね。

高校生のころの倫理の先生が、それはそれは素晴らしい先生で、多くの名言を残してくれました。そんな彼の名言の中に、「電車やバスに乗ったら本を開きなさい。読んでも読まなくてもいいから、まず本を開くという習慣をつけなさい。」というものがありました。

僕は、この言葉の通りに、どこかに出かけるときは本を持って家を出て、本を開くようにしています。

そうすると、例えばトラムのなかで友人にばったり出くわすことがあるんですね。

とうぜん、その友人は僕がどんな本を読んでいるのか気になるわけです。「ちょっと貸して」とか言って、数ページパラパラした後「へぇーありがと」と言って帰された本のページの端は、もうしっかりドッグ・イヤー。

「え!?なんで折ったの?」と聞くと、「だってここ読んでたんでしょ?折っておかないとわからなくなっちゃうじゃん。」って。

学校の図書館の本だから折らないほうが良いよとは言ったのですが、これも文化の違い、というより習慣の違いなのでしょうか。相手には僕の言ったことが腑に落ちなかったようです。。。

 

 

 

土足が困る

 

最初に書いたように、海外では靴のまま家に入ることは特別なことではありません。むしろ一般的と言ってもよいでしょう。

靴のまま家に入るということは、キッチンにも靴のまま入りますし、子供だったらソファーの上にも靴で飛び乗ってしまうことがあります。(だいたいダメッ!って叱られますが)

海外ドラマを見ていると、主人公がハイスクールから帰ってきて、靴のまま自分の部屋のベッドにつっぷす…というシーンを見たことはないでしょうか。そう、海外では日本では考えられないくらい土足ゾーンが広いのです。

 

ここで困るのが、公共の場での土足ゾーンも広くなってしまっていること。例えば、電車やトラムなどでは平気で椅子の上に足を投げ出している人がいますし(もちろん、靴は履いたままです)、学校の講堂なんかでは奥の席に行きたい人は椅子の上を歩いて行ったりします。

 

逆に、我々のように家に入るときに玄関で靴を脱ぐ習慣の中で育つと、家の入口にある玄関マットで靴の裏をゴシゴシしないまま入ってしまう人が多くいます。後で靴は脱ぐんだし、玄関は汚くて当たり前、掃除のときにきれいにすればいいんだから当然と言えば当然なのですが、玄関マットで靴の裏をゴシゴシしないで家に入る日本人は、ヨーロッパの人から眉をひそめられてしまうのです。

 

 

文化の違いで困ること

 

どれも改めて考えると小さなことなんですが、生活の中で頻繁に起きると結構困ってしまう文化の違い。

もちろん、欧米の人も一人一人それぞれ異なった家庭の"文化の違い"があるわけなので、今日この記事に書いたことが全員に当てはまるわけではありません。こういう人がいるんだよ、程度のことです。

 

まぁ、ちょっと煩わしいくらいの文化の違いであれば、発見することも海外生活の面白いところではあるんですけどね^^

 

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