フランシウム87

南フランスに住む日本人学生が発信するブログ。

気になる単語を入力して検索してください🌛

女性の幸せとは?フランス人女性の働き方から考えてみた

フランスでは、女性が結婚しても、子供ができても、働き続けるという事は一般的です。

f:id:bantan19:20160309030047j:plain

 

 

僕は残念ながらまだ結婚していないのですが、周りの同年代の友人たちには結婚ブームが来ています。

 

それはもう、FBを開くのがちょっと嫌になってしまうくらい(笑)

 

それとどうじに、女の子の友人たちは続々と寿退社をしています。

 

それに対して、フランス人の女性って結婚しても子供ができても、まだまだ仕事をしてる。

 

この違いは何なんだろう…?

 

 

 

どうしてフランスの女性はずっと働くことができるのか?

 

大前提として、いつまでも仕事を通じて社会とかかわりを持ちたいと考える女性が多い、という事が考えられると思います。

 

フランスの女性の中には、もちろん結婚して収入は旦那さんに任せて、自分は家庭でゆっくりしたいと考える人もいますが、比較的社会に身を置き続けたいと考える女性が多いという事です。

 

 

 

 

フランスでは親が子離れできるのがとても早い

 

フランス人の親って子供から離れるのがとっても早いんです。

 

たとえば、子供が1歳か2歳くらいになったら、もう子供部屋で一人で寝るようにさせます。

 

僕はこのことを知ったとき「え!?そんなに早いうちから子供を一人で寝かせるの!?なんか子供がかわいそう…」なんて思いました。

 

だって、日本だったら子供が幼稚園にあがるくらいまでは親と一緒に寝ませんか?

 

でも、フランスではそんなことはないんですね。

 

親が子供につきっきりでないのです。

 

子供も大切ですが、自分やパートナーとの時間も大切なんです。

 

 

 

幼稚園や学校での面倒なことがほとんどない

 

子供のいる人だったら良く分かると思うのですが、日本の幼稚園や学校って、何かと注文が多いですよね。

 

やれ雑巾を縫って来いだの、夕方の保護者会に参加しろだの。

 

ぎりぎりになって「軍手を使うので子供の手の大きさに合うものを用意してください~^^」なんて平気で言ってきたりして、その度に親は慌ててホームセンターに買いに走ります。

 

僕、8才年の離れた弟がいるので、弟が幼稚園に通っていた時に、仕事をしていた両親がよく幼稚園からの注文に翻弄されていたのを覚えています。

 

この部分、フランスではありえません

 

そもそも、フランスでは両親共働きであるという事を前提に考えられているので、そんな面倒なことはいちいち言ってきません。

 

雑巾?ぼろ布が家にある人だけ持ってきてくれればいい。

 

保護者会?みんなの仕事が終わる夜にやりましょう。

 

軍手?なくてもいいじゃーん!

 

こんな具合です。

 

おかげで、親は慌てふためく必要がないのです。

 

 

 

手の抜けるところはしっかりと手を抜く

 

日本のお母さんたちって本当にすごいと思います。

 

子供にかける手間の量が半端じゃない!

 

特にフランスに来て気づいたんですが、フランスは普通のスーパーでも離乳食の売り場がとても大きいんです。

 

それだけ需要があるという証拠。

 

フランス人たちは、手の抜けるところはしっかりと手を抜きます。

 

離乳食だって、乳児一人分の料理をプラスして用意するって、日本人的な考え方だと「そんな、たいした手間でもないじゃん」と考えがちですが、これを無くすと時間ってかなり節約できるんですよ。

 

一人分の違う料理を無くすという事は、時短料理なんかよりもずっと家事が楽になるんです。

 

手抜きをしていると言いましたが、そのかわり、休みの日に公園で子供と遊んだり、手をかけるところにはしっかり手をかけているのもフランス人の特徴です。

 

 

 

家族や社会の認知度が高い

 

当然ですが、女性が家庭を持っても働き続ける環境というのは、パートナーや社会の理解がなくては絶対に実現しません

 

一家の大黒柱である夫は、一家の大黒柱らしく働く妻をサポートするのって当たり前なんですが…

 

ここらへん、アジアの国の男性はまだまだ猿レベルの考え方持ってますよね。

 

企業の態勢なんて、男女共同参画社会基本法が制定されてこんなに時間がたっているのに、まだ反吐が出そうな対応をしているところがあるエピソードをよく耳にします。

 

 

 

”仕事をしている母親”が当たり前の国、フランス

 

母親になっても女性は仕事をしている、という考えが社会に浸透しているので、それ前提の社会システムがすでに構築されているんですね。

 

子供がいたとしても、常に子育て縛られる必要はないんです。

 

週末は交代でママ友の家に子供を預けて、フリーになったお母さんは旦那さんと友人の家のパーティーに行く。

 

これって、僕は人生を楽しむには最低限必要な休息の時間だと思うんですが、日本人ってそんなゆとりのない人が多いですよね。

 

僕の周りにいるフランスの女性、特にお母さんたちって、びっくりするくらい幸せそうですよ。

 

 

 

仕事をする両親というのは、果たして理想的な"家庭環境"なのか

 

女性であっても男性であっても、仕事というのは個人の幸せを得るための有効なツールの一つです。

 

(やりたくもない仕事が辛くて死にたい…っていうケースは、まず論外です。)

 

その点では、親になっても仕事を続けるというのは親にとってアドヴァンテージのあることだと思います。

 

そして、親にとってアドヴァンテージであるのであれば、仕事を続けるという事は理想的な家庭環境を作るには必要なものだと言えます。

 

 

 

フランスの雑誌で見つけた、フランス人のもう一つの理想像

 

先日、病院の待合室で雑誌を読んでいたらこんな記事を見つけました。

 

(残念ながら雑誌のタイトルは忘れてしまいました…)

 

それは、アメリカの上流階級の家庭で最近ブームな「キャリアウーマン」像の脱捨離という記事。

 

アメリカでは長くキャリアウーマンであることがもてはやされてきました。

 

SEX AND THE CITYやAlly McBealなどのアメリカドラマを見るとよくわかると思います。

 

でも、それが最近変わってきたというんです。

 

記事では3人の子供を持つお母さんがクローズアップされていました。

 

彼女は数年前までばりばりのキャリアウーマンだったのですが、それをすべて捨てて、今は毎日子供たちとお菓子作りをしたり、自由工作をしたり、絵をかいたり、歌を歌ったり…

 

彼女は仕事を続けることよりも子供たちとできるだけ多くの時間を過ごすことに幸せを見出し、旦那さんの理解のもと仕事を辞めたのです。

 

これ、フランスと真逆な部分がありますよね。

 

面白いのが、これを取り上げたのがフランスの雑誌だという事。

 

フランス外の雑誌の翻訳再出版ではなく、フランス国内の需要やモードをリサーチしたうえでまとめ上げられた雑誌だという事です。

 

つまり、フランス人の女性の持つ女性の幸せの理想像は、仕事を続ける母親というのと家庭で子育てに専念できる生活環境の2つがあるという事なのです。

 

一見、女性としての幸せに邁進しているように見えるフランスの女性たちにも、現実とは異なる理想像があるんですね。

 

 

 

フランスと日本の家庭環境の違いが子育てに与える影響は分からない

 

早いうちから子供と距離を置く、フランスの子育ての仕方は、子供に対して何か影響はないのか、と考えました。

 

特に、ネガティブな影響です。

 

例えば、日本だと添い寝をしてあげることによって子供の精神発達が促される~的な文章を目にすることがあります。

 

(↑これは今思いついた単なる例ですが、これに似たニュアンスの子育てに関する記事ってよく出回ってますよね?)

 

でも最近の日本のニュースを見る限り、親の頑張りの大きい日本のほうが、青少年の犯罪がどんどんヒドイものになっている印象があります。

 

フランスのように親が子供から距離を置いて生活していたとしても、親から子供に注がれる愛情には全く関係がないのでしょう。

 

それよりも、一生懸命手間暇かけた子育てに追われるあまり、幸せを感じずにストレスの溜まった親に育てられた子供たちのほうが愛情を感じていないのかもしれません。

 

日本も女性が、結婚しても、お母さんになっても、いつになっても幸せを少しでも多く感じられるような社会づくりがされればいいのに…と、南仏の遠い地から考えています。

 

 

francium87.hatenablog.jp