英語のyou フランス語のtu 日本語の君
フランス語を含むラテン語は性の言葉には、2人称の主語が2種類あります。
親しい間柄の人に使う「君」と、敬意を表した「あなた」という言い方。
これって、日本語に置き換えると「君」と「あなた」になるけど、「君」の本来の意味って?英語にはyouしかないってことは、主語レベルでは敬意を表することはできないの?
日本語の「君」
君って、実は「君主」からきているそうなのです。
幕末に、自分と相手を表す言葉に、自らを卑下した「下僕」から「僕」が生まれ、相手の立場を高めた「君主」から「君」が生まれたそうです。
だから、君で相手を呼ぶというのは、すでに相手を敬う気持ちが込められているという事ですね。
フランス語の"tu"
フランス語には2人称の人物に対応する主語は2種類あります。
それは、tu(君)とvous(あなた)です。
僕は今まで、日本語の君は、とっても砕けた表現かと思っていましたが、上の理由を知ったら、君という言葉はtuにうまく対応してないんじゃないか、と思い始めてしまいます。
とはいえ、フランス語スペイン語も、どちらも喋っていて2人称が砕けた表現と敬称の表現に分かれているのは、僕にとってとても話しやすいものです。やっぱり日本語が母国語である以上、わかりやすい尊敬語があると、会話を円滑に進めやすいのです。
英語の"you"
そこへきて、英語はどうでしょうか
なんと、英語は2人称に使える単語がyouしかないではありませんか!
これは由々しき事態です。簡単に主語で尊敬の意を表すことができる日本語やフランス語と違って、英語では高貴な方からどこぞの馬の骨だかわからないやつまで、目の前にいる人間すべてが"you"になってしまうのです。
…というような話をフランス人としたところ、その人から意外な答えが返ってっきました。
「じゃあ、英語は常に相手に敬意を表しているんじゃない?」
目からウロコ。
確かに、今まで僕は頭の中で翻訳をするとき、youを君(フランス語のtu)に変換していたのですが、彼の考えではyouはあなた(フランス語のvous)に常に変換されるという、僕にとっては全く新しいアイデアだったのです。
僕はそれとは別に個人的に、英語が話されるアメリカは、様々な人種や階級の人が一から新しく作り出した国だから、身分の差があっても目の前の人はすべて同じyouで表現するようにあったのかなぁ。と、思っています。
実際のところは、どうなんでしょう。
おわりに
今日の考えは、とてもぼんやりとし過ぎていました(笑)
まぁたまには、いつも考えているようなとりとめもないことを書いてみるのもいいかなぁと(・ω・)いつも通りか。。。
そもそも、幕末志士たちが使い始めたと言われている「君」という言葉の価値が、現代使われている「君」と等価であるはずないので、今の「君」はtuに訳すのが妥当でしょう。
フランス語のtuとvousの使い分けは、フランス語を学び始めたばかりの時は動詞の活用も考慮しなくてはいけないので、使いづらいかと思います。
でも、慣れてくると、やっぱりこういう言葉の言い回しが微妙な相手との距離感を生むんだよな~という感覚がつかめてきて、結構面白い部分でもあります^^