フランス語の勉強法!より速くマスターする5つの方法![⑤作文編]
早いもので、「フランス語をより速くマスターする5つの方法」も最後になりました。今まで紹介した方法は実行可能でしょうか?
本気でフランス語だけに集中して勉強できる環境があるんだったら、1日5時間くらい勉強すれば半年でかなりの語学力が付きます。
学生やお仕事をしている人は、大変だとは思いますが毎日2時間、週5日は時間をとりたいところですね。
「毎日2時間なんてムリ!」という人は、そもそも外国語を自由に操れるようになるための環境が整っていないと思います。そこから見直してみましょう。
さて、今日のタイトルは「作文」です。
フランス語の試験ではexpression (production) écriteの部分ですね。
作文でうまく点数が取れない…という人に考えられる問題点を順位づけてリストアップしてみました。
①ボキャブラリーが足りない
②言い回しが分からない
③文章構成が分からない
この3つは、どれも採点基準になるので超重要です!
それでは、順番に見てみましょう。
作文は話し言葉と書き言葉で、使うボキャブラリーは違う
まずはこのことを頭に入れておく必要があります。
フランスは、言わずもがな、美しい言語の一つとして有名です。
個人的には、これは発音とかもそうだけど、文章の書き方が美しいんじゃないかな。と思います。
僕はスペイン語も話すんですが、スペイン語ではフランス語のようにシーンに応じた多彩なボキャブラリーの使い分けはあまり求められません。
どちらかというと「分かりやすさ」のほうを重要視します。
誤解を招きたくはないのですが、スペイン語のほうが語彙数が少ないというわけではありません。
そうではなくて、シーンごとにふさわしい単語というのがあって、それがフランス語のほうが大切にしていかないといけないと僕は感じている、ということです。
あえて日本語に例えてみると、「~が言うには」「~によると」「~曰く」
この3つは言いたいことは同じでも、ニュアンスはそれぞれ違いますよね?
ニュアンスが違うと、使われる「場」が変わってくると思います。
正式な形式ばった文章には「~が言うには」より「~曰く」を使ったほうが適当ですね。
こんな感じに、フランス語でも話し言葉と書き言葉で使い分けられる様々な単語を覚えないといけないんです。
ひぃぃぃ…って感じですよね。
でも、ボキャブラリーにはあまり神経質にならなくても大丈夫。
次に紹介する方法を進めながら、同時進行でボキャブラリー数を増やしていけば、書き言葉用の単語力はだんだんと着実についていきますよ。
フランス語作文特有の言い回しは、とにかく文章を書いて訂正してもらおう
どちらかというと、問題はこちらのほうです。
英語でいうところの5W1H(quoi, quel,quand, où, comment)やmais, parce que, c'est pour çaなどの会話でよく使っているような文章をつなぐ言葉はよく理解していると思います。
では、étant donné que, certes...mais などはどうでしょうか?
bien que と si bien que の使い分けはしっかりとできますか?
こういった細かいトリッキーな言い回しが、フランス語の作文に好まれるんです(笑)
(決してトリッキーなわけではないんですけどね。僕たち外国人からしたら厄介な部分なのでそう言いました。)
こういうところは個人学習では限度があります。
はっきり言って、独学で作文の能力は上がりません。
誰かフランス語がネイティブな人を探して、その人に文章を直してもらってください。
文型、適正に使われてない単語、動詞の活用 etc... きっと真っ赤に訂正されて返ってくるでしょう (*_*;
そうしたら、その真っ赤になった紙はあなただけのオートクチュールの参考書になります。
直してもらうだけではだめですよ。
自分の書き癖を、直してもらったことを利用して軌道修正していくのです。
慣れてきたら、だんだんと難しい表現を取り入れてみましょう。
難しい表現ほど使用の幅が限られていくものなので、ここでもいろいろダメ出しをもらうチャンス出てきます。
こうして「フランス語に適した文の書き方」がすこしずつ身についていきます。
作文の文章構成を学ぶ
フランス語の文章というのは文の構成がかなりしっかりと出来上がっています。
僕は自由な文体で文章を書きたい派なので、なんだか歯がゆいところなんですが、このフランス語の文体から外れて書くとおもしろいことに意味が伝わりにくくなってしまうんです。
というのも、フランス人は子供のうちからシステマティックな文体で書くよう教育を受けているそうなので、そこから外れた書式というのはあまり馴染みがなくて、分かりづらいみたいなんですね。
良くも悪くも機能的。
対して、日本語でも「起承転結」のように文体のおおまかな構成というのは学校で習いますが、日常目にする文章が常にそれを意識されて書かれているかというと、あまりそうでないように思います。
これがフランスだと、例えば大学の授業で先生が用意してくるパワポの資料なんかも(物理なのに)
テーマ→問題提議→これから提示する手順の紹介→論拠1→事例1→論拠2→事例2→……
といった具合に、文体ガッチガチだったりするんです。
…ということは、ここはぜひとも理解しておかないと点数獲得、いやそれ以前に文章を読まれても意味を理解してもらえないかもしれないというリスクになってしまうかもしれないんです。
僕は自分で文章を書いて→誰かに訂正してもらって→それをもとにまた新しく文章を書いて…の繰り返しをしたり。
あとは、他の人の書いた小論文とかをたくさん読ませてもらって「あーこういう文章の展開方法があるんだな。」ってメモしていって文章構成力をつけていきました。
こんな勉強ができたのは、フランス現地にいるからだと思うのですが、これが日本であれば同じようにはいかないでしょう。
この部分は日本で売られているテキストで勉強可能だと思います。
文章構成の説明だったら、日本語で書かれていてもフランス語で書かれていても変わりありませんし、身近なフランス語話者の人に「文章構成教えて!」っていっても、そんなに簡単に人に説明できるものでもないと思うので。
いづれにせよ、大切なのはフランス語のパターンをつかむという事
言い回しにしても、文章の構成にしても、何度も繰り返し手直しを受けているうちにパターンが見えてくると思います。
そのパターンを常時いくつか用意しておけば、いろんなタイプの作文問題が出てきても、大体のものには立ち向かえると思います。
例えば、僕が経験したものだとDELFのB2の試験には、必ずと言っていいほど「市長や企業あての手紙」という問題が出てきます。
手紙本文の冒頭にはあいさつ文を入れて、日ごろの感謝をし、そのあと自分の抱えている問題点(例えば近隣にごみステーションがなくて困っているとか)を提示し、具体的な解決案を出し、なぜその解決案がいいのか根拠を書き…
こんな感じに、流れは毎回同じで、文章と文章の接続に使う言葉も同じ。
あとは文章の内容を書き換えるだけでOK!という感じにして試験に臨んだところ、作文が一番の高得点をマークしました ^^v
なので、過去の問題を見て傾向をチェックして、それに対応する文章のパターンさえ覚えておけば、逆に苦労なく点数が狙える分野でもあります。
一つ重要なことを言い忘れてた
事前に勉強しなくてはいけないことの一つに、文章のひな型があります。
こればっかりは力づくで覚えるしかありません。
どういうものかというと、例えば手紙だったらこんな感じ。

実際は本文はもっと長くなくてはいけませんが、本文を書き始める前に、どこに宛名を書いて、どこに書いた日付を書いて、結びの言葉はこれを書いて、どこにサインをして…というのを知っておく必要があります。
なぜなら、この書式の知識も含めて作文は採点されるからです。
試験の志願者は、真っ白な解答用紙に、本物の手紙と同じように作文問題に取り組まなくてはいけないのです。
他にも、企業あてのクレームの手紙や、新聞への投書など、過去の作文の問題はいくつかの問題形式しかないのですが、それらすべての書式を勉強しておく必要があります。
こういったものもフランス語の作文の参考書に書いてあるので、活用してみてください。
意外と成長が早く感じられる作文能力
作文は書いて→訂正されて→覚えるため、問題と対策が分かりやすく、目に見えて成長していく分野です。
でも、同時に書くのに時間はかかるし、人に訂正を頼んでも返ってくるまでにさらに時間がかかるものなので、ゆっくりと気長に取り組むのがいいでしょう。
1週間に作文1題書いていけば、5か月後には20題。
20題も解いていくと、大体の文章のパターンは頭に入っているころだと思います。
そうなれば、どんな角度から文章が来ても対応できるだけの力はついてますよ!
ちなみに…
C1レベル以上のサンテーズとレジュメについては、くりかえしパターンを覚えていても完璧ではないです。
文章構成や導入部のバリエーションの書き方を鍛えるためには行こうかもしれませんが、C1/C2レベルでは「書く」テクニックよりも「理解したものを表現する」テクニックが必要になってくるので、さらに別の角度からのトレーニングが必要になってきます。
が、そこから先はスピード感をもった学習、というよりは極める学習方法になってくると思うので、今回は触れません。
またいつか、機会があったらサンテーズとレジュメについて書いていきたいと思います^^