フランシウム87

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フランスの大学1年目ってどんな感じ?┃フランスの大学に正規留学しようと考えている人へ

最近、このブログを読んでくれている人から、加えてリアルの知人から、「フランスの大学1年目について知りたい」という意見を多く貰うようになったので、今日はそのことについてお話ししたいと思います。

 

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フランスの大学に留学して…

 

最初に簡単にぼくのステータスの紹介から。

現在、フランスのモンペリエにある国立モンペリエ大学の生命科学部で微生物学を専攻しています。学士過程3年目なので、フランスではLicence 3、略してL3です。

モンペリエ大学には一年目(以降、L1)から在籍しています。同じくモンペリエにあるポール・ヴァレリー大学内のフランス語学学校でフランス語を勉強し、その後モンペリエ大学の理工学部にフランス語の成績証明やモチベーションレターなどを送って入学しました。なので、入学に関して試験などは一切受けていません。また、日本で大学に通ったことはありません。

ちなみに現在はモンペリエ大学の理工学キャンパスで生命科学を勉強していますが、もともと自分は文系肌です。面白いことにフランスでは、例え文系の人であっても外国人であれば、僕の様に無試験で理系の分野の勉強をすることができるのです。日本であれば、大学の入学試験である程度文系・理系の素地を持っていないとパスすることが難しいと思います。新しい分野を勉強してみたい人にとっては、フランス留学も良いかもしれませんね。

 

 

フランスの大学1年目ってどんなことをするの?

 

フランスのL1は難しいという話をよく聞きます。外国人にとっては毎年の試験がそれなりに難しいのですが、L1についてはフランス人にとっても難しいのだそう。

理由は大きく考えて2つ。

 

①勉強する分野が広範囲。

②まだ専門的でないので、興味のない分野も勉強しなければいけない。

 

僕はL1から生命科学という分野を選択していました。生命科学というのは、生物学と同じ様なものです。生物学というと、生き物の生態系とか、細胞分裂とか、そんなイメージがありますよね。少なくとも僕はそれくらいの漠然としたイメージでいました。

しかし、ふたを開けてみるとL1の授業は、僕の頭の中のお花畑とは似ても似つかぬ授業があったのです。ざらっと書き出してみますね。

生物細胞学、バイオテクノロジー、化学、生物化学、数学、物理、環境史、微生物学、地理学、生物考古学、英語…

 

前にも書いたように、僕は文系なので、もちろん日本の高校では文系に特化した授業を受けていました。つまり、物理や化学や数学の代わりに、世界史や古文なんかを勉強していたのです。なので、フランスの大学での初めての数学の授業でワラビマーク(後にインテグラルという記号だと判明)、化学の授業でNa=sodium, K=potassium...と書いてある元素周期表、物理の授業で「不確かさ」について延々と話す先生を見た時の僕の心境は、容易に想像できると思います。

これがL1の難しさだと思います。好きな教科を勉強したいという気持ちで入学しても、L1では汎用な知識を習得するために、なかなか興味のないものでも勉強しなくてはいけないんですね。なので、当然途中で嫌になって勉学を投げ出してしまう人も多くいます。

 

francium87.hatenablog.jp

 

殊、僕に至っては「半径」「直径」みたいな簡単な単語すら当時は覚えていなかったので、友達からはだいぶ憐みの目で見られたものです。数学の最初の中間試験では、人生初の0点も取りましたしね(笑)

 

 

フランスの大学1年目を受ける意義

 

僕は、そもそも理系分野に関してズブの素人だったので、今思い返すとかえってこうした分野をL1の間に広く勉強しておいてよかったと思います。いまだにL1で勉強したことをフルに活用しているかと聞かれると、自信をもってyesとは答えられませんが、大学の勉強に限らず、多くの情報を消化するためにこの時勉強した知識は役に立っていると思います。

反面、すでにある程度の知識がある状態でフランスの大学への留学を考えている人には、L1は必須ではないとも考えています。1年勉強するというのはかなり体力を消耗することですし、なによりL1からL2への進級率を鑑みるとハイリスクであると言えるでしょう。

 

 

フランスの大学1年目に必要なフランス語力は?

 

基本的にフランスの大学にはDELF B2以上に相当する語学力が証明できれば入学を認めてもらえます。しかし、問題はそんなに紋切り型ではありません。

フランス語の語学試験というのは、言ってみれば正確な文法の運用能力と、ケースバイケースに対応できる聴解力、論理的な思考を書き下す・論述する能力を試されるものだと思います。もちろん、それらの能力がパーフェクトに養われていれば問題ないのかもしれませんが、なかなかそう簡単にはいかないものです。

特に僕個人が、大学で使うフランス語という枠組みの中で一番困難に思えたのは、作文です。もともと僕は語学学校にいる間、作文の点数は良い方だったのですが、大学でいざレポートを書くとなると、文章全体をどういった形で書いたらいいのかわからなかったのです。もちろん、それは日本語であっても同じことで、科学的な文章は最初からスラスラと書けるものではなく、ある程度の勉強をしなくてはいけないと思います。しかし、僕が言いたいのはそこではなくて、「どのようにすれば読み手(フランス人)により良く理解してもらえる文章が書けるか」という点なのです。

言うまでもなく、フランス人と日本人ではあらゆる点において物の捉え方、考え方が違っていることがあります。そうした違いがあることによって、僕たち留学生は新しい考えの価値に気付かされたり、それに悩まされたりするのですが、レポートではとにかく相手に理解してもらうことを第一優先とします。その過程において、「んーフランス人だったらこんな言い方はしないだろうなぁ。どう書いたらいいんだろう…」という試行錯誤は、なかなかDELF B2では判定されないと思うのです。

 

とはいえ、なんでもそうですが全てのことが最初から問題なくできてしまう人なんてほとんどいません。Petit à petit, l'oiseau fait son nid.案ずるよりも生むが易し。努力をすれば、結果は自ずとついてくるものだと思います。

 

 

その他、フランスの大学1年目のavantages

 フランスの大学でL1を勉強する利点はたくさんあります。

まず先ほど書いた通り、今まで文系だった人でもでも理系の勉強できる(また、その逆も)という点が大きいと思います。日本の様に受験がないのが良いですね。

無視できないのが学費の安さ。これはL1に限ったことではないのですが、これだけ学費が安ければ気軽に新しい分野の勉強を始めることができます。

francium87.hatenablog.jp

L2からいきなり勉強を始めることに対して不安を抱いている人もL1から始めると良いでしょう。特に外国語で勉強するとなると、様々な語彙を覚える必要があります。言葉の面で、基礎固めのためにL1を選択するというのもアリだと思います。

 

不利な点としては、時間が1年余分にかかったり、進級率が悪い(足切り)ためリスクが高いなどありますが、それm勉強が本当に好きなのであればあまり大きな問題にはならないはず。

一見するとネガティブな様に見えることでも、それを良く捉えるか悪く捉えるかというのは、その人の心持ち次第なのです。

 

ちなみに、フランス語で利点はavantageですが、その反義として難点と言いたいときはinconvénientと言います。avantageの反対だからdésavantageと言いたくなりますが、"les avantages et les inconvénients"の様に、この2つはセットになっています。

 

 

おわりに

 

海外の大学で勉強するって結構ハードルが高そうに感じられると思います。実際、大学への応募から留学ビザの申請など、留学が始まるまでに面倒な手続きがいくつもあります。自分の力で一つ一つこなしていくことも不可能ではありませんが、書類集めには「願書締め切り」というタイムリミットが付いて回るので、なかなかハードです。そういうときは無料で留学の相談に乗ってくれる留学エージェントを賢く利用して自分だけの留学までにToDoカレンダーを作るのが得策です。

 

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留学の準備は簡単ではありませんが、日本と違う生活様式・文化の中で育まれた教育を実際にうけるということは価値があると思います。分野によってはフランと日本のやっていることが違っていることもありますし、どうやったら多様な人に伝わる知識を身につけられるかという事を考えるというのは、日本にいるとなかなか難しいのではないでしょうか。

 

フランスで新しい勉強を始めるって、なんだかワクワクしませんか?^^