新入生歓迎会┃フランスの大学の新学期
9月になりました。
僕の通っている南仏のモンペリエ大学も新学期が始まりました^^
僕は日本の大学に通ったことがないのでよくわからないのですが、日本では新しい学年が始まったときに新歓みたいなことをやりますよね。フランスの大学では、ターゲットは新入生でなく、学校全体が新しい環境に慣れるための"intégration"というイベントが企画されます。
intégration(f.)=統合、同化
読んで字のごとく、新学期の新しい顔ぶれとの馴れ合いの場として企画されるこのイベント。場所はもちろんクラブです。
フランス人はクラブが大好き。フランス人に限らず、ヨーロッパの若者はクラブを一種の教会と勘違いしてるんじゃないかと思うほど、週末の礼拝のごとく足しげくクラブに通います。
それが大学生ともなれば尚のこと。こんな感じに学生主体のイベントが企画されると、みんなこぞって行ってしまうわけです。
僕は残念ながら、去年も今年も、この新学期のintégrationには参加していません。2年前にポール・ヴァレリー大学に在籍していた時には友達の誘いで行ったんですけどね。市街地からちょっと外れたところにある大きなクラブの1フロアが、学校用に貸し切りになっていました。
行ってみれば結構楽しく、周りは20歳そこそこの人たちばかりで、ヨーロッパの夜のアクティヴィテイを知るにはうってつけの場なんですが、やっぱり歳を重ねるごとに夜中からクラブに行くのが辛くなってきて…(笑)
僕が最後にintégrationに参加したときには、コンドームシャワーというユニークなことをやっていました。DJたちがみんなに向かって大量のコンドーム(とジェル)をばら撒くのです。ブラジルが、リオのカーニバルから10ヶ月経つと、ちょっとしたベビーブームがやってくるという話を聞いたのを、ふと思い出しました。こうやって先手を打つって大事。
送迎完備
こういったイベントが開催されるのは、いつも町から外れた場所にあるクラブです。
なので、街中を移動する公共の交通手段はなくなってしまう…はずなのですが、こういったイベントでは夜中でもクラブ→街中まで送迎してくれるバスが一晩中走ってくれているのです^^
フランスは、学費はかからないし、学生寮の手配は丁寧にしてくれるし、学割制度もあって「良い歳した若者を甘えさせるな!」なんて意見もあるくらいなのですが。クラブへの送迎バス(無料)は手厚すぎる保護な感じがしますね。
ポスターを観察
さて、このポスターを見て少し奇妙な点に気づいたでしょうか。
日付が、9/8ですね。がっつり木曜日なわけです。フランスだって日本と同じ、週末と言ったら金曜の夜からです。それを、あえて木曜の夜にめり込ませてくる、フランス人あっぱれです。
というか、一説によるとモンペリエ人にとっての週末というのは、木曜から月曜までらしいんですよね。その説に則れば、このイベント開催日を設定した人に罪はないわけです。。。もちろん、金曜は授業がありましたよ。
次にtarif(料金)の欄を見てみましょう。
adhérents(会員)の場合は5€で、そうでなければ7€。
会員というのは、ここでは学生のことを指すので、学生証を提示すれば割引サービスが受けられるというわけです。
さて、このadhérentという単語、途中に無音のhが挟まれていたりして覚えるのにやや苦労する単語ですね。これは名詞の場合は「会員、党員」となるのですが(もちろん、女性の場合はadhérenteとなります)、形容詞であっても同じ形で、こちらは「密着した」という意味になります。
さらに、この「密着した」に焦点を当てて考えてみましょう。「密着した」は形容詞ですので、その名詞、つまり「密着」というのはadhérence(f.)となります。読み方は「アデランス」
また一つ、フランスと日本のつながりを発見しましたね。
日常会話で「べたべたする」とか言うときには、だいたいcollant(e)を使うので、adhérenceが登場する機会はそうそうないのですが、もし運よく使うタイミングを見つけたら、自信をもって発音したい単語の一つです。