bantan流！単語の覚え方┃細かいことは後回しの術

語学の習得のかなめ、基礎、最小の単位は「単語」であると、このブログでは耳にタコができてタコ壺になりそうなほど繰り返し書いています。

「単語」覚えずして、言語の習得はあり得ません！

単語勉強が大事なことは分かっているけど…

単語攻略の基本は、暗記です。

僕は昔から暗記が大好きだったので、単語であろうが年号であろうが、特に苦も無く暗記できてしまいます。しかし、世の中みんなが暗記好きでないことはよくわかっています。

しかし、暗記はやろうと思えば誰でも出来ることもよく理解しています。その証拠に、赤ちゃんは基本誰でも言葉を習得します。語彙数の多少はあれど、ほとんどの人は言葉を話すために単語を暗記しています。

問題は、暗記が苦手だということ。効率よく暗記する方法が分かっていないと、頭が疲れるだけで、なかなか語彙数が増えません。

その中でも特に問題なのが、一つの単語を調べた時にいくつも意味が出てきて、全部覚えるのが大変！と思っている人です。

単語は一度にすべての意味を覚える必要はありません。今調べたい文脈に当てはまる意味だけ覚えるようにしましょう。

例えば、bancという単語には「ベンチ」「作業台」「州、礁」「堆積、層」「（魚などの）群れ」という意味があります。これを一度に全部覚えるのは無理です。文脈にふさわしいものを1つ選んで覚えるようにしましょう。ほかの意味は、また別の機会に覚える必要が出た時に暗記すればいいのです。

新しく覚えたい単語が、知らない単語で構成されていた場合

今回はちょっと特殊なケースについても解説します。

フランス語ではなく英語になりますが、僕が学生のころcellular phoneという単語に出会った時のことです。ご存じの通り、cellular phoneとは「携帯電話」のことです。当時、この単語に出会ったときに、僕はまだcellularやcellといった単語を知りませんでした。

学校の英語の先生からは、電話回線をつなぐ中継局を地図に書くと、それが細胞に見えるから云々…と説明されましたが、いまいちピンときません。

とりあえず、中学生だった僕はcellular phoneという単語を、単語の成り立ちは理解できていないまま、ひとくくりに「携帯電話」として頭にインプットしました。

それから１０年ほど経ち、フランスの大学で生物学を勉強していると、毎日毎日、頭が痛くなるほどcelluleという単語を目にします。細胞の写真やイラストも、いやというほど目にしました。そんな経験をしてから、ある時ふと、中学生のころ、細胞も何も知らなかったときに覚えたcellular phoneという単語について考えてみたところ、案外スッと理解できました。それは、僕の頭の中に細胞の絵が定着していたため、それに倣って名付けられたcellular phoneが、何の問題もなく理解できたからでした。

ちょっとわかりにくい例え話だったかもしれません(;´∀｀)

つまり、意味不明な単語から構成されている言葉は、無理にそれらを分解して、言葉の成り立ちを理解しようとする必要はありません。そっくりそのまま暗記しちゃった方が手っ取り早いです。

そして、いつの日か外国語に慣れ親しんできたときに、スッと理解できる時が来るものです。それまでは意味が分からなくても、丸々暗記してしまったほうが良いと思います。

他にも、laptopという単語は「膝の上」という意味で「ノートパソコン」のことを指すのですが、ここでlapとtopに分けて言葉の成り立ちを…と調べる前に、laptopはノートパソコンなんだ。と理解した方が早いです。いつかまた、ほかの場所でlapという単語に出会ったときに、改めてlaptopの意味を、より実感して理解できるはずです。

おわりに

このブログでは、過去にたくさん、フランス語の単語を分解して解説してきました。単語を分解して語源を調べることは、単語を暗記する一つの助けになります。

しかしすべての単語に対して語源を調べればいいかと言ったら、そうではありません。今回紹介したようなケースでは、語源を調べることによって却って複雑になり、暗記を妨げてしまうからです。

単語を分解してみて、それぞれの要素が簡単で分かりやすくなれば、語源から調べると良いでしょう。単語を分解してみても意味が分からなかったり、語源が複雑すぎる場合は、あえて分解することなく、丸々暗記してしまいましょう。

さぁ、あなたならcoup du lapinという言葉を、どのように暗記しますか^^？