フランシウム87

南フランスに住む日本人学生が発信するブログ。

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フランスの大学生活┃ヴァリエーション豊かなクラスメイト

自由・平等・博愛

 

これはフランス共和国が掲げているモットーです。

かつて様々な国を支配下に置いたフランス。今ではフランス国内に様々な人が住むようになりました。地理的にも、フランス南部に広がる地中海を超えれば、そこはもうアフリカ大陸。移動のしやすさもあいまって多くの人がアフリカ大陸からやってきたという経緯もあります。

 

また、フランスの公立学校は学費が無料であることはこのブログでも繰り返しお伝えしている通り。無料の公教育というのも、世界中から多くの人を引き寄せている魅力の一つでもあるんですね。

そんなフランスの学生のヴァリエーションは実に豊か。僕の大学のクラスにはこんな人たちがいるのです。

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mokuji

 

 

ヴァリエーション豊かなクラスメイト

 

日本人から見た場合、「フランス人」と言ったら、何の根拠もなく金髪蒼眼のパリジャンを思い浮かべる人も少なくないのではないでしょうか。でも、実際はそんな容姿のフランス人は少数です。位置的にもフランスはヨーロッパの中でも南に位置しているため、北の人の特徴でもある色白・金髪というのは、決してマジョリティなものではありません。

 

それに加えて、フランスには常に人の動きがありました。日本は島国であるため、良くも悪くも昔からほかの国との間の人の移動は制限されてきました。対してフランスは、地理的にも政治的にも、他の国との関係性の中で人の動きが常にあったのです。

 

となると、もちろんフランスの大学というのは、出身、宗教、文化などで様々な違いのある生徒たちが一堂に集まる場になるのです。

 

 

 

チャドルで登校

 

チャドルとは、イスラムの女性が着る全身すっぱり被るヴェールです。ブルカという目だけしか出すことのできないヴェールと違って、チャドルは顔がすっぽり出るようになっています。

こうしたイスラム圏特有の服装で学校に来る生徒が結構いるんですね。

全身すっぽりヴェール以外に、頭にスカーフだけをまいてくる生徒もたくさんいます。

 

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ヴェールやスカーフを頭から巻くという事は、髪型で顔をごまかせないという事。それなのに驚異の美人の多さ。元が違うんだなぁとしみじみ見入ってしまいます。

チャドルやスカーフには、様々な色やデザインのものがあります。伝統的なものは黒や白といったトーンなのですが、他にもワインレッドやエメラルドグリーンといった目立った色合いのものもあります。とくに人気なのはベージュだそうで、一枚あると着回しできて便利なのだそう(友人談)。

 

ちなみにチャドルに似た、イスラム特有の衣装の中にブルカというものがあります。ブルカは全身を頭からすっぽりと隠し、目の部分もメッシュ生地を通して視界が得られるようになっているものです。

このブルカの着用は、フランスでは禁止されています。フランスが政教分離、つまり政治と宗教に癒着のない国であるという事と、顔が見えないと防犯上好ましくないという理由から禁止されています。なので、顔が全面的に出るチャドルで登校なら問題はないんですね。

 

 

いつも一緒のアフリカ男子

 

なぜかアフリカ系の男の子たちはいつも仲良くグループで行動しています。

アフリカの国々は様々な歴史背景から、国によって話される言葉が様々です。フランスに統治されていた国々では、現地教育でフランスを学ぶ可能性があるので、そういった人たちのなかからフランスに留学に来る人が多くいるのです。

 

講堂などで比較的多くの人が集まったときに辺りを見回してみると、やっぱり肌の色である程度グループが形成されているのが見えるんですね。

 

で、アフリカの国から来た男の子たちってとっても面白いんです。明るいし、なんかいつも踊ってるし(笑)僕はよくアフリカの国のことを知らないし、彼らも日本の国のことをよく知っているわけではないので、しょっちゅう会話がちぐはぐなことになって面白いのです。

 

 

 

ホームレスみたいな人

 

フランス語でホームレスはエスデーエフ(SDF: Sans Domicile Fixe)というのですが、一見エスデーエフかな?っていうひとが、大学には結構います(笑)

まぁ、言ってしまえば大学生によくありがちなヒッピー文化の一端だと思うのですが、もともと日本人よりお風呂に入る頻度が低かったりする文化に加えてヒッピーに傾倒しちゃうと、出来上がりはまるでエスデーエフになってしまうのです。

僕の今期のクラスにも一人います。はじめ見た時は「やば、エスデーエフが学校の中に入ってきてる」と思ったのですが、最終的には彼は自分と同じ授業のクラスメイトだったことが判明。そんな見た目から、ペトリ皿の中、黄色ブドウ球菌でいっぱいになっちゃいそう…って彼と組んで実験するのはためらってしまいます。

ただし、彼は優秀です。人は見かけによらないものなんですね。

 

 

 

よくわかんない外国人

 

僕が該当するグループ。

特にどのグループに所属することもなく、水面に漂う浮草のような、少数派の国籍の留学生。でも、話してみると案外面白い、ポテンシャル高めな人がいることもあるので、とっつきにくいけどトライしてみる価値のある層なのです。

 

僕のクラスには、仲の良いアルバニア人のクラスメイトがいます。アルバニアってなんだ?と思いましたが、インドヨーロッパ語族の中でも特殊系のアルバニア語や、2009年までは22時に電気が止まっていたアルバニアでの生活の話など、彼と話していて飽きることはありません。

 

 

 

いろいろな学生に出会えるフランスの大学

 

語学学校にいれば、フランス語を母語や標準語としない人たちが、わざわざ外国語としてのフランス語を学びに来ているわけなので、もちろん様々な国籍の人に会うことになります。

でも、フランスの大学でもあたりをみまわしてみると様々な背景を持った人がいるんだという事に気づかされるのです。