フランス語の性数一致┃ミスは"Pardon"に値する
フランス語にあって日本語にないもの。
時制によって変化する動詞の活用という概念や、名詞の性、単数・複数のs、バリエーション豊かな発音…
そのなかでも、フランス語の性数一致は上にあげた要素のうち2つを気にかけなければいけない厄介なものです。つまり、性別と数が関わってきます。
しかも厄介なことに、フランス人が話しているのを聞いていると、どうやらこの性数一致はかなり重要であるようなのです。。。
性数一致とは
今回お話しする性数一致とは、名詞に係る形容詞が、名詞の性と数によって変化する場合の事を指します。
つまり…
un problème global ⇔ des problèmes globaux
une problématique globale ⇔ des problématiques globales
名詞の後についている形容詞はすべて同じ「全体的な・包括的な」という意味なのですが、前に来る名詞の性・数によってglobal/globale/globaux/globalesと、4つの形に変形しています。
学校でたまに聞くものに、examens finauxと言われているケースがあります。
一般的にはexamens finalsと言われるようで、finauxと言ってしまった時には"Pardon"と言われ、finalsに訂正されます。finauxでも良いみたいですけどね。(参考:Examens finals ou examens finaux? )
ちなみに、examen terminalの複数形は、いつもterminauxが使われています。
また、今回は扱わないのですが、おなじ性数一致でも、従属節のpassé composéが先行詞に出てくる直接目的代名詞(COD)の性数に影響を受ける、というものもあります。
例えば、J'écoute les musique que j'ai téléchargées hier.
queの後の文章は、その前の文章に現れている目的語の性・数に関係するという事ですね。
名詞の性を知っていなくてはならない
形容詞の形を決定するのが名詞の性と数であるなら、名詞の性が分かっていなければいけませんよね。
これが、日本人のようにそもそも「名詞の性」という概念がない人たちからすると、ハードルが高いと思うのです。
先に出した例に、problèmeとproblématiqueという似通った形の名詞を使いました。
しかし、これは前者が男性名詞で、後者が女性名詞です。
(ついでにいうと、アクサンの向きも変わっているので注意が必要です…)
でも、残念ながら性が分かっていないと、形容詞としてglobalを使うべきなのか、globaleを使うべきなのかという判別ができないんですよね。
ミスは"Pardon"に値する
フランス人の会話をよく聞いていると、この性数一致って結構間違えていることに気づかされます。特に、難しい話題になればなるほど間違えているような気がするんですよね。
で、彼らフランスネイティブスピーカーたちは、性数一致を間違えていってしまった時には、ちゃんと"Pardon"と言って訂正するのです。
僕たち日本人には、この性数という概念がないので、なにかと性数一致を会話の中でおろそかにしてしまっているのではないでしょうか。特に僕のような「伝わればオッケー^^」みたいな考え方をしていると、性数一致はごちゃごちゃになってしまいます…反省。
でも、このミスというのは"Pardon"と言って言い直すに値するほどの間違いなんですね。
つまり、僕が考えるに、彼らネイティブスピーカーにとっては、この性数一致は会話を理解させるための重要な部品の一つなんだと思います。
そもそも日本語には概念のないものなので、日本語に置き換えた時の好例というものが思いつかないのですが…書き言葉であれば、漢字の送り仮名を間違える、といったような感じでしょうか。このミスは文章を理解する妨げになりますよね。
ちっちゃいことだけど重要
会話というのは、基本的に相手にわかってもらってはじめて成立するものだと思います。相手によりよく理解してもらうためには、やはりこういった小さな文法事項にも気を配らなくてはいけないのでしょう。
僕もいまだに会話の中で間違えてしまうことがあるので、気を付けないといけません…(*_*)