「語学は武器になるのか」という事について
「語学は武器になるのか」
これは、いろんなところで議論になる、いわば「永遠のテーマ」でありますし、それぞれ語学を勉強している人の中でも、自らに問いかける「永遠の課題」であるようにおもいます。
ことばを学んで、何になる。
短絡的な回答としては、国際化が急速に進んでいる世の中に対応するため~とか、インターネットの普及により、改めて重要になってきているコミュニケーションのため~とかがあるとおもうんですが、なんか違うんですよね。
求められている回答は、そんな副次的なものじゃない。
mokuji
語学は武器になるのか
このことに興味を持ち始めたのは、この記事を読んだことがきっかけです。
この方、文中で
英語を話せるだけでは
ビジネスでは
『スタートラインに立ったに過ぎない』
というわけだ。
って言ってるんですけどね、僕には「それって、語学ができないとビジネスのスタートラインにすら立ててないんじゃ…」と思ってしまうわけです。
まぁビジネスのスタートラインに立つために必要なツールは、決して語学に限らないのですが。語学も重要な要素の一つであることは間違いないでしょう。
高校・大学と英語を「専攻」してきたと書いてあるのですが、中途半端な勉強だと「世間話の通訳」ていどで終わってしまうのですね。気をつけないと。
大学の休学を決めたT.さん
もうひとつ、僕の「語学は武器になるのか」という考えをまとめるにあたって、影響を受けた文章があります。
それが、このT.さんの書いたブログ。
いやぁ、壮絶な人生を弱冠にして経験しているのですね。辛酸舐めきってます感が、ひしひしと伝わってきます。
簡単にまとめると、彼の話はこうです。
-親が新興宗教にはまり、自分の望む学校への進学を邪魔するので家を出る。
-未成年、独り身の生活というのは、まともな生活環境を得ることすら難しい。
-お金の工面が必要で仕事をしなくてはいけない。でも、学業も大変。
-結果、アルバイトを増やすために休学を決める。
悲しいことに気づいちゃった
僕、彼のブログ読んでて気づいちゃったんですよね。
自分のほうがこの人より稼いでない…(*´ω`)
いや、まぁそりゃそうなんですけどね。
だって彼、週7回以上の勤務・44時間連勤とかしてるみたいですし。対して僕は今、試験期間中だという事もあり、週2日勤務=週15時間勤務しかしてないですし(笑)
また、9月に親との扶養を切られたという通知を受けた。これにより国民健康保険に加入することになり、出費が大幅に増えた。授業料56万、家賃20万弱、通信費保険料20万強で、食費や諸雑費を0円と仮定しても年間支出が100万円を超えてしまった。これをカバーするには年間130万ほど稼ぐ必要があり、月収だと11万である。さらに、大学院の入学金のことを考えるとさらに稼ぎ、貯金する必要があり、その生活は困難を極めることが分かった。
食費や諸雑費(娯楽費とか?)を0円と計算している時点で、ちょっと僕の理解の範疇から出てしまっているのですが…楽しみのない学生生活…?謎だ…
彼の生活にかかるコストと、学生としてやるべきタスクは、全くバランスが取れていないのは火を見るよりも明らかです。
僕の例もちょろっと出させていただくと…授業料0万、家賃40万、通信費4万、保険料0万ですね。年間44万、月3万6千円稼いでいればネットもガスも電気もある家に暮らしていけることになります。もちろん、病院に行っても保険適用されますよ。
彼に海外留学という選択肢はなかったのか?
大学の授業料が彼の生計を圧迫していることは確実でしょう。
「学びにお金をかけるのは当たり前」であるとは思いますが、僕はやっぱり日本の大学授業料は高いと思います。
ヨーロッパには、フランス以外にも授業料が0円の国があります。
授業料10万/年くらいに予算を増やせば、もっと多くの国がヒットします。
彼はそういうところには気づかなかったのでしょうか。それとも、海外には頑として行きたくないのか。
本気で勉学に励みたいのであれば、場所なんて選ばないと思いますけどね。まして、学費を払うためのアルバイトのために休学なんて、本末転倒な気がしてしまいます。
まぁ、休学中の仕事を通じて、またなにか新しいものを発見する可能性は大いにあるので、あながち「間違った」選択にはならないでしょうが。
彼が満足できる学習環境を早く整えられることを期待しています。
語学は武器になるのか?
こうしてみると、語学は、それを使って何かビジネスに役立てるとか、そんな遠回りなものではなく、自分の新しい生き方の可能性や方法を見つける一つのツールだと思うんですね。
僕は、初めてスペイン語が話せるようになったとき、まるで世界がもう1つ増えたような感じがしました。だって、全く違う自分の世界が生まれたのですから。
何を寝ぼけたことをwと思う人もいるでしょうが、残念ながらこれは実感した人にしか発見できないことなのです。
シンプルに学生とお金の面でみても、フランス語学を勉強したおかげで、今はT.さんよりも満足した(少なくとも少ない不満の)学習環境が整えられているわけです。
僕も日本にいたら、とてもじゃないけど26歳にもなって大学を一から始めようなんて思いませんwそんなことしてたら銀行口座枯れ果てますwww
それに、フランスだったら大学1年次への入学は無試験ですしね。どうしてその学部に入りたいのか、自分の熱意を伝えることができれば、入試対策の勉強もする必要がないわけです。
こういうことが、語学があってはじめて得られる「報酬」なんですよね。
だから僕は、語学というツールは、お金を稼ぐために役立ったりと単純で副次的な武器というわけではなく、自分自身にダイレクトに収穫を与えてくれる一つの貴重なツールだと考えています。