フランシウム87

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パリの街中で酒が飲めなくなる!?どんどん取り締まりが厳しくなるパリの飲酒事情

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パリの旅行の楽しみは、ノートルダム寺院ルーヴル美術館だけではありません!

パリ市内はピックニックをしながらのんびり寛げる場所がいっぱいあります。

パリの楽しみはのんびりしながらお酒を飲むことにあり!なんて考えていたのですが、パリの最近はアンチ・アルコールになりつつあるのが現状のようです…

 

今回はCapitalという経済と政治に関するニュースサイト内の、Polemikというカテゴリーから、パリ市の飲酒取り締まり強化の是非について考えてみましょう。

 

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Polemikとは

Polemikというのは、フランス語のpolémique(論争)からきている言葉だと思います。

サイトの副題にもあるように、Avoir une opinion c'est bien, des arguments c'est mieux. (意見を持つことは良い。議論をするのはもっと良い。)と、読者が社会の関心事についてより深く考えることができるように問題提起のトピックが詰まったサイトです。

面白いのは、大手新聞社の記事が多数引用されているため、キュレーションの役割も担ってくれているところです。気になる意見は大元のサイトに飛ぶことでより詳しく効率よく調べることができます。

 

例えば今回紹介するのはこちらの記事

www.capital.fr

「屋外の公共の場での飲酒を飲酒は禁止すべき?」というテーマで、賛成・反対の意見が紹介されています。わたしたちが一つの問題に対して考えを巡らせるときに、他の人はどんな意見を持っているんだろう、という一つの指南書になっていると思います。

フランスの取り締まりと言えば、以前このブログでも取り上げたタバコの「プレーン・パッケージ法」があります。この時も様々な意見が出ていましたが、こういう問題意識を持つことってとても大切だと思います。

 

francium87.hatenablog.jp

 

もちろん、問題意識を持つ、または問題提起をすることは、フランス語の試験で不可欠なスキルです。こうしたことを日々の生活の中で意識的に取り組むのが、フランス語上達のカギなのではないでしょうか。

 

フランスの飲酒取り締まり

フランスはワインをはじめとして多くのアルコール飲料を生産する国です。

微生物学の立場から言うと、日本と同様に微生物の恩恵の上にフランスの食文化が成りたっていると言っても過言ではないと思います。

昔は飲み水が少なかったため、ワインを常飲していたといわれるフランスでも、最近では街の安全のために、屋外の公共区域(主に路上)での飲酒を禁止する取り組みが進んでいます。

 

例えばパリ市では区によって独自の政策がとられていて、最近話題になっているのがパリ18区の取り締まりです。

 

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 leParisienより引用

 

18区の中でも取り締まりの対象になっている地域とそうでない地域がわかれているので、旅行客にとっては何とも難解な施策です。

オレンジ色に塗られた区域が件の取り締まりが強化された部分です。その内容は、「路上での飲酒は16時~翌7時まで、持ち帰り用のアルコールの販売は20時~翌8時まで禁止」というものです。

パリに旅行したことのある人なら想像できると思いますが、時期によってはパリの16時はまだまだ太陽が高い位置にあります。

同時に、この地域では窃盗や暴力事件が他の区と比べて比較的多いのも事実です。そうした背景から今回の取り締まり強化策が打ち出されました。

 

取り締まりに対する賛成意見

 

一つ目の賛成意見は、「公共の福利を守るため」です。

現在、パリにある20区のうち飲酒に対する取り締まりのある区は何区あると思いますか?

答えは17区です。言い換えると、パリでは飲酒に関する取り締まりが無いところがたった3区だけあるということになります。その3つの区というのは13区,14区,15区です。これらの区は一般的な住宅街として知られる場所です。

有名な観光地がある区だと人が多く集まります。そこにアルコールという魔法の液体が加わることで、どうしてもトラブルが起きてしまうので、取り締まりが必要になってきます。

特に飲酒をした人による事件が後を絶たなかった18区のような地域では、より強化された取り締まりが実施されています。

 

もう一つの理由は「ごみ問題」です。

僕の住む南仏の街、モンペリエ市でもそうですが、フランスの酔っ払いはとにかく何でもモノを道に捨てます。酔っ払ってなくても道がゴミ箱みたいな国なのに、酔っ払った時の悲惨さたるや。。。「ピレネーを越えたら、そこはアフリカだ。」とスペイン人の野蛮性を揶揄したのは、時の皇帝ナポレオンでしたが、ゴミ問題でいうとフランスはかなり粗野な国だと思います。

記事の中で言われていることは、サン・マルタン運河では一晩の清掃で2,5トンものゴミが回収されると見積もられていて、実際に昨年の例では1万ものタバコの吸い殻、3,500の瓶ビールのふたがわずか1時間の間に回収されています。(Collecte géante de déchets au bassin de la Villette)とても多いごみの量ですね。

 

ごみの回収についてはこちらのオーディオも参考にしてみてください。新しい意見、リスニングの勉強に役立ちます。

Collecte de déchets sur les berges du Canal Saint Martin le 30 septembre avec l'association Watertrek

 

一連のごみ問題の対策として、デザイナーにペイントしてもらった目立つ小見箱を設置したり、サメの絵の描いてある男性用小便器を設置したりと、様々な対策が取られています。

 

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 Poubelles-smiley et urinoirs-requin pour les fêtards du canal Saint-Martin

 

同様のごみ関連の対策は、サン・マルタン運河以外にもこれらの場所でも実施されています。

 

Le dispositif estival de propreté et de lutte contre les incivilités concerne également huit autres sites parisiens :

  • la place de la République ;
  • le bassin de la Villette ;
  • la butte Montmartre ;
  • le parc Rives de Seine ;
  • le quai de la Tournelle et les quais de l'île Saint-Louis ;
  • la passerelle des Arts ;
  • le Champ de Mars ;
  • le Trocadéro.

                ————パリ10区公式サイトより

 

取り締まりに対する反対意見

 

街の平穏が守られる一方で、今までアルコールを売ってきた人たちにとって今回の施策は快く思われていません。

アルコールの夜間販売取り締まりが強化されたことによって、フランスの4,000ものエピスリー(小規模な食料品店。フランスでは日本のコンビニの様に夜間に営業する店が無く、夜遅くなった時はエピスリーのような小さな商店で飲食物を買うのが一般的)が処罰の対象になったのだそう。(Peut-on encore boire une bière dans la rue? - Libération

また、トゥールという町の17の夜間営業をしているエピスリーをし食べたところ、平均して40~50%売り上げが落ち込んでいるとも書かれています。

 

さらに、このようなアルコールの消費に関する政策は、私たちの声がなかなか聞き入られていないという意見もあります。たばこの値上げの時にも毎回聞かれるフレーズですが、民主主義であればあらゆる人の声が反映されるべきところ、この手の法令は一部の人たちによって決定されているという意見もあるのです。

 

日本と比較してみる

 

日本の金曜夜の酔っ払いは、もはや名物と言ってもいい光景です。

日本は比較的、アルコールを消費する場所についてうるさくない国です。都心部でも道でお酒を飲むことができます。最近になって靖国神社の花見や、夏のビーチなどでお酒の販売・持ち込みを禁止(あるいは度数の高いアルコールの販売を禁止)に踏み切った場所がありますが、こうした取り組みはまだまだ限定的です。

これだけ見ると、日本はアルコールに対して寛容な国であるような気がします。でも、飲酒運転のことを考えると、アルコールが検知される濃度は恐ろしく低いし(フランスでは1杯のワイン程度ならセーフだと言われています)、違反金もかなり高額です。

 

フランスも日本も、取り締まる部分は違うけれどお酒に対しては厳しいですね。

 

 

おわりに

 

さて、これを読んであなたはパリのアルコール取り締まりについて賛成でしたか?それとも反対でしたか?

お酒を飲まない人からするとどうでもいい話題だと思うのですが、僕の様にお酒が大好きな人からすると無視できません。

様々な人の意見をくみ取って成長を続けているパリ。今後の方向性に注目です。だって、それによってどこで酒が飲めるか変わって来ちゃいますからね!^^