フランシウム87

南フランスに住む日本人学生が発信するブログ。

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通訳士は将来消える職業?

フランス語を勉強する理由は人それぞれだと思います。

フランス語を、将来の仕事に使おうと考えた場合「通訳士」というのは、だれでも思いつく一般的な職業なのではないでしょうか。

 

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mokuji

 

 

将来"消える"仕事

 

2013年、オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授がまとめた「今後10年で消える職業リスト>」を見た人は多いのではないでしょうか。話題になりましたよね。

どうして消えてしまう職業があるのかというと、仕事の担い手が人間からコンピュータやAIにバトンタッチされることが大きな原因だそうです。

 

通訳士・翻訳士は、このリストには入っていませんでした。

しかし、遅くとも今後20年では消える運命にある職種だと言われています。

 

 

google translatorがすごい

 

多くの人は使った経験があると思いますが、googleのサービスに無料で翻訳をしてくれるgoogle translateというものがあります。

自分で入力した短文から、インターネットサイトのページをまるまる翻訳することも可能です。

translate.google.co.jp

 

僕はもう10年近く前からこのサービスを使い続けていますが、翻訳精度の進歩は、ほんとうにすごいのです。数年前までは日本語と欧米諸語の翻訳はほとんどつかいものにならなかったのですが、最近は単語レベルではかなりの精度が出ていると思います。

また、フランス語をはじめとした外国語の単語の意味を調べるのにも役立ちます。というのも、僕がフランスで勉強している生物学には、特殊な単語が多く出てくるのですが、そういったものは手持ちの電子辞書ではヒットしないのです。

しかし、google translateではかなりの割合で特殊な単語もヒットするんですよね。つまり、一般の電子辞書よりも語彙数は多いのでしょう。少なくとも、生物学や科学系の単語については。

francium87.hatenablog.jp

 

 

通訳の仕事が無くなるのは時間の問題か?

 

僕の親戚にも、通訳士がいるので、その周辺の人たちと話すと話題は大体、いつも「通訳の仕事は無くなるのか?」というものになります。

ヨーロッパの人の意見では、やはり言葉でのコミュニケーションは、ビジネスはもちろん、生活のあらゆる部分で必要不可欠であるとされているため、そう簡単になくならないだろう、というのが多くの見方です。

 

通訳という仕事に直接関係のない人に同じ質問を投げかけてみても、やはり答えは同じようなものになるでしょう。ロボットが人間と同じように「意思」をくみ取りながら通訳することはできないだろう、と。

 

でも、よく考えてみてください。

これから生まれる新世代の子供たちが、生まれた時から人工知能の翻訳機を使う事が当たり前の環境で育ったとしたら。

僕の予想では、機械が翻訳した無機質な言葉からも、僕たち人間は巧みに「意思」をくみ取れるようになると思うんですよね。それはちょうど、話し方もニュアンスも異なる外国に身を置いた時に、自然と話し手の挙動に自分を合わせることによって、会話内の「意思」をくみ取ろうとする僕たちのように。

 

つまり、人間が機械に適応しようとするのではないか、と考えるのです。

 

これは音楽にも当てはまるんじゃないか、と思います。

かつて音楽は楽器や声帯から発せられる音を楽しむものでした。それが、電子的に音を発生させる装置の登場で、音楽はどこでも聞くことのできるより便利なものになりましたよね。CDを聞いた時に、そこに流れてる「意思」を、場の雰囲気で直接感じることができなくなった今、僕たちはCDの無味乾燥な電子音を通して「意思」を汲み取り、それについてあーだこーだ言っているのです。。

 

人間の耳は、すでに機械に適応しています。

francium87.hatenablog.jp

 

翻訳の難しい日本語

 日本語というのは、言語的な親類縁者のいない孤立した言語。

したがって、世界のみんなから見ると、日本語って奇妙奇天烈で理解しにくいうえに使いづらい言語なのです。

故に、自動翻訳の精度もピカイチで悪いのです。今はもう使われることのない、絶滅した言語であるラテン語のほうが、日本語より何倍も精度の高い翻訳が実現しています。

 

しかし、先日こんな動画を見つけました。

 

 

なんだ!できてんじゃん!

結構びっくりするほどの精度・スピードで翻訳されていますよね。

しかも、値段は$200程度なのだそう。

これは、通訳士の仕事が消える日も近くなってきたかもしれませんねぇ。。。

 

ちなみに、通訳士界隈の意見では、今からあえて通訳の道に進むのはあまりお勧めしないとのこと。理由は簡単。通訳の仕事は機械に席巻されることが予想できるからです。

しかし、通訳の仕事が無くなることもないだろうとも考えています。

いくら機械が発達した現代においても、いまだに下町の工務店に革製品や金物の修理のお客さんが訪れるのと同じように、通訳士にも機械に負けない良さが残ると思うんですよね。いつまでも。

 

 

おわりに

 

将来、消えることはないとしても、確実に仕事は減るであろう通訳・翻訳業。

この仕事で生き残るには、今まで以上の「+αの価値」が求められてくると思います。

もし今の段階で通訳を仕事にしたいと考えている人がいるならば、何か特殊な分野の知識を併せ持つことが必須条件となるでしょう^^