【フランス】売れ残り食品の廃棄を禁止!デランバーシュ市議にエドガー・フォール賞が贈られる
デランバーシュ議員をご存でしょうか?
最近ヨーロッパで話題になっている議員なんです。
フランスの議会で全会一致で可決した法案とは?
2016年2月3日に全会一致で、売れ残った食品を廃棄してはいけないという法律がフランスの議会で可決されました。(フィガロ紙→Unanimité contre le gaspillage alimentaire)
この法案、実は去年からずっと議論はされていたのですが、2015年12月にパリで開かれたCOP21の影響もあって、めでたく全会一致で可決されることになったのです。
そもそも、この新しい法案ってどんなものなんでしょうか?
スーパーなどの小売店で売れ残った食品は、今後捨ててはいけなくなる!
膨大な食品の廃棄量に頭を悩ませるフランスで、大手スーパーマーケットがまだ食べられる食品を廃棄処分することを禁じる法律が制定された。
この法案は、5月21日にフランスの国民議会で全会一致で可決された。一連の法律によって、店舗の面積が400平方メートルを超えるスーパーマーケットは賞味期限切れなどで販売できなくなった食品を処分することができなくなる。
売れ残った食品は慈善団体に寄付するか、家畜の飼料や肥料に転用しなければならなくなり、法律に従っていることを証明するため、スーパーマーケットは慈善団体と契約を結ぶことも義務付けられる。
スーパーの食品売り場を見てみると、いつでも豊富な品ぞろえが維持されていますよね。
これって、消費者からするといつでも欲しいものが買えるから便利でいいけど、もうちょっと考えると必ず売れ残る商品があるという事ですよね。
まして、ペットボトルの飲み物や乾物なんかだったら結構日持ちするものもありますが、生鮮食品だとその日売り切れなければ廃棄に回されてしまいます。
他にも家庭で食べきれなかった食品、賞味期限が来てしまったために捨てざるを得なくなってしまった食品など、無駄に廃棄されてしまう食品ってありますよね。
フランス全土で廃棄される"まだ食べることのできる食品"、その量なんと年間90-120kg(一人当たり)になるんです!
だいたい、一回の食事で食べる肉は100g前後だと思うので、100kgの肉があったら約1000皿分の料理ができることになります。
しかも、20-30kgは家庭から廃棄された量で、そのうち7kgはまだ梱包された状態(未開封)の食品なんですって!
そんな食品の無駄遣いに待ったをかけた議員
そう、彼こそがタイトルでも名前が出たデランバーシュ議員なんです。
彼は、自身が学生の頃に食費を工面するのに苦心した経験から食品の無駄がどうやったら減らせるかを考え始めたそうなのです。
うーん、すごい。
思うだけなら簡単なのに、実際に議員になって、法律を制定させてしまうなんてすごいですね。
しかも、ちょうど去年の暮れにCOP21がフランスで開かれたというタイミングの良さも彼に味方しました。
2015年、デランバーシュ議員にエドガー・フォール賞が贈られる
エドガール・フォール賞って日本ではあまり聞き馴染みのない名前の賞ですが、フランスでその年最も優れた政治に関する刊行書に贈られる権威ある賞なんです。
その賞の受賞者にデランバーシュ議員が今回の功績で選ばれたんですね。
フィガロ紙→Le prix Edgar Faure pour Arash Derambarsh
Le "Manifeste contre le gaspillage alimentaire" (Fayard) raconte le combat de l'élu des Hauts-de-Seine pour empêcher les grandes surfaces de jeter de la nourriture et de rendre leurs invendus impropres à la consommation.
"Manifeste contre le gaspillage alimentaire"(Fayard社発行)は、大量に捨てられる売れ残りの食品と、廃棄された食品を再度消費させるようにするため、オー=ド=セーヌの議員としての闘いの話である。
フランスでは、売れ残った食品は転用されないように漂白剤などの薬品をかける処理をされた後に廃棄されていたそうです。
そこまで苦労してわざわざ捨てていたものが、今回の法律でより簡単に再利用できるとなれば一石二鳥ですね。
フランスは世界でも有名な農業大国
実際、北欧の国々に比べて食材は豊かだし、食文化も栄えてきました。
でも、そんなフランスでも食品の無駄は多く出ていたんですね。
今回の法案は、フランスが昔から自負している農業大国として、世界的にも意義のある取り決めになりそうです。