フランシウム87

南フランスに住む日本人学生が発信するブログ。

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「意識高い系」ってポジティブな言葉だと思ってた┃出る杭は打たれる社会なんだなぁと、しみじみ感じた件

意識高い系。

最近、何かとよく目にする単語です。

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「意識高い系」の定義

 

意識高い系という言葉の生みの親である常見さんによると、定義は以下の7点だそうです。

 

1.やたらと学生団体を立ち上げようとする
2.やたらとプロフィールを「盛る」
3.全ては自己アピール、質問が長い
4.ソーシャルメディアで意識の高い発言を連発
5.人脈をやたらと自慢、そして利用する
6.やたらと前のめりの学生生活を送る
7.人を見下す

 

うーん。

まぁ世の中に結構いる性格ですよね。

人をついイラッとさせてしまう性格だという事も、否定できません。

 

 

 

「意識高い系」って、なんかポジティブな言葉だと思ってた

 

最初、意識高い系という単語を耳にしたのは、去年日本から留学でモンペリエに来たK君との会話の中でした。

当時、僕の頭の中には「意識高い=いろいろ考えてるスマートな人」だったので、この言葉をポジティブな表現として受け取ったのです。

「僕って結構意識高い系だから~」って言っているのを聞いて、確かに彼はとても優秀な経歴を持っている人なのでそういう言い方をしてるんだなぁ、と思ったのです。

言い換えると、皮肉った考えがない状態でこの言葉を聞けば、ポジティブな表現なのです。

でも、その後ネットでこの単語を目にするうちに、だんだんとこの言葉はネガティブな表現で使われているという事に気が付きました。

Kくんは「僕って結構意識高い系だから~」って言いながら、自分を皮肉っていっていたんですね。

 

 

 

「意識高い系」について、こんな記事を発見

 

なんで急に意識高い系という言葉について書くことにしたかというと、この記事に出会ったからです。

 

www.jimpei.net

このブログ、面白いです。

僕はヒッチハイクをする気はありませんが…(笑)

 

 

 

「意識高い系」と「意識高い人」は違う、とか言ってる時点でもうダメ

 

「意識高い系」と「意識高い人」が違うという人の意見の理由は、こうです。

「意識高い系」の人は、言う事だけデカくて、実績が伴っていない人の事。

対して、「意識高い人」は、言う事かっこよくて、しかも実績が伴っている人の事。

 

実績が伴っているかいないかの違いだけで、例え両者の言ってる事・やってる事が同じであっても、かっこよく見えるか、ださく見えるかの差が出てしまう。ってことですよね。

ここから、僕には日本の社会のヒエラルキーが見えてくるんです。

 

つまり、こういうことです。

自分よりかっこいいと思う人(上の層にいる人)は何を言ってもかっこいいと思うけど、自分と同等かそれ以下だと判断した人が同じ言動・行動をすると「意識高い系」と言って非難するのです。

 

 

 

職場を例にして考えてみましょう

 

例えば、職場にめちゃめちゃ尊敬している、格好いい上司がいるとしましょう。

この上司がいろいろなセミナーに参加したり、ソーシャルメディア上で「意識高い系」の発言をしても、すべてがかっこよく見えてしまうでしょう。

でも、これが自分の大して成績の変わらない同僚がやったらどうでしょうか。

この同僚の事を「意識高い系」とか言って非難する人が出てきても不思議じゃないですよね。

さらにもう一つ、これが自分の尊敬しない上司の場合はどうでしょう?

これも「意識高い系」の非難対象になりますよね(笑)

 

どうでしょう?

ここから見えてくることは、人は「意識高い系」という新しい言葉を使って、自分の中で構築したヒエラルキー、つまり力の相関図を表現しているということです。

しかも、「意識高い系」と言う、一見するとその人に問題がありそうな言葉でカモフラージュして人を見下しているんだからタチが悪い。

 

 

 

 

頑張っている人を無条件で応援することができないんでしょうか?

 

僕は海外に住んでいるという、言ってみたらちょっと特殊なシチュエーションに身を置いているので、海外と比較して考えてみますね。

僕の感じる限り、欧州の人でこういう風に人を評価する文化ってないですね。

まぁ、あったとして大多数の価値観を席巻するほどのものにはなりません。

 

逆に、どんなにビッグマウスなことを発言しても、どんなに突拍子もない夢を語ったとしても、どんなに分不相応な意見を言ったとしても、「いいじゃん、それ!」という返事が返ってきます。

僕、この「いいじゃん、それ!」っていう言葉が大好きなんです。

だって、この言葉一つで自分の背中を誰かが押してくれてる!って思えるんですよ。

もちろん、「いいじゃん、それ!」って言う人の中には、テキトーに話聞いてるような場合もあるんですけどね…でも、それでいいんです。

とにかく、ステップアップしようともがいてる人は、だいたい世間からの反応がいいです。

例え、それが実績の伴っていない発言だったとしても。

まして、ステップアップしようともがいている人の足を引っ張るようなことはありません。

あるとしたら、それは「妬み」です。

 

 

 

僕が特に疑問を感じる「人脈をやたら自慢、そして利用する」

 

人脈を自慢することってネガティブなんですか?笑

素晴らしい交友関係を話されるって、たとえそれが自慢話のようであっても嬉しくないですか?

「えーすごい!今度その人紹介して!っていうか、パーティー誘って!」とは言わないんでしょうか?

それに、広めた人脈は使ってなんぼだと思います。

形成された人脈を、大事に温めて観察するだけで終わるんですか?笑

それ、確実に「意識高い系」より残念な人ですよ。

 

 

 

問題なのは話し方だと思う

 

残念だな、と思うのは、志のベクトルは間違っていないのに話し方があまりにも下手すぎて、「なんだ、この高飛車な態度は」って思われてしまう場合ですね。

そう思われてしまうと、「意識高い系」のレッテルを張られるのは簡単な話です。

僕自身、日本にいるときにはこの点について注意されたことがあるのですが、確かに話し方の良し悪しで、相手からの印象は変わりますよね。

せっかく芽を伸ばそうとしているところ、「出る杭は打たれる」ような事態になることを防ぐためには、慇懃な態度を身につけることが大切ですね。

 

 

 

 

自分を変えようとしている人を笑う人って、笑えない。

 

つまり、僕の考えでは「意識高い系」っていって他人を批判している人は、意識的にか無意識的にかは分かりませんが、人を見下した態度をしてると思うんです。

最近、日本語のサイトを見ていて気になっていた言葉、「意識高い系」。

僕はあまり美しい言葉ではないと思います。