フランシウム87

南フランスに住む日本人学生が発信するブログ。

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母なる海について

夏といえば海!

フランスでも日本でも、海は夏の風物詩として人気のスポットです。

 

さて、「海」という言葉をよく考えたことはありますか?

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海の中に母がある

フランス南部のモンペリエという街は地中海に面しています。

特にパラヴァスという港町はモンペリエからアクセスしやすく、カフェやレストランなども充実してるため、モンペリエっ子に人気の街です。

また、パラヴァスは昔から芸術家に好まれた街でもあります。往年の芸術家が魅力を感じた南仏の太陽を、パラヴァスに行けば今でも体感できます。

 

さて、フランス語で「海」はなんと言うでしょうか?

 

そうです、(la) merですね。

高級コスメにde la mer(ドゥ・ラ・メール)というものがありますが、直訳すると「海から」という意味になります。海に由来する化粧品成分が使われているからでしょうか。

 

この単語、発音は(la) mèreと同じです。こちらは「母」という意味の単語です。

merとmère…ほかの国の言葉でもこの関係がありそうな気がしませんか?

 

日本語の「海」という単語を見てみると、その中に「母」が隠れている、なんて言われたりしますよね。フランス語でも日本語でも、「海」という言葉の中には「生命の母」というニュアンスが隠れているのかもしれません。

 

しかしスペイン語の「海」は男性形

 

スペイン語で海はel marと言い、男性名詞です。なんだー母とは関係ないじゃんー('_')と思うかもしれませんが、ちょっと待ってください。スペイン語の中でもこの単語は特殊なのです。

というのも、「(母なる)海」というニュアンスを出したいときには、特別に女性形の定冠詞を付けてla merという形に変わることが許されているのです。(スペイン語で男性定冠詞はel、女性定冠詞はlaです)小説や歌の中など、あえて「(母なる)海」と言いたいときにだけ使われます。

 

「海」という感じの成り立ちについて

調べてみたところ、「海」のつくり(左側)の部分、つまり「毎」は「髪飾りを付けた女性」の象形文字だそうです。しかも、これだけで「薄暗い」という意味にもなるのだそう。女性の黒髪から薄暗いニュアンスに変化したそうですが…ちょっと連想ゲームが過ぎる気がします。

つまり、海というのは「薄暗い水」という意味でできた漢字なのだそう。母は関係ないんですね。「髪飾りを付けた女性」が入っているので、女性的なニュアンスがないこともないですが。

 

おわりに

ということで、「海」と「母」との直接的な関連性がないことが分かってしまったのですが(´∀`;)でも、この話を思い出してもらえれば、merという単語が男性名詞なのか女性名詞なのか、間違えることがなくなると思います。

ちなみに、国の名前で女性形が比較的多い(la France, la Chineなど)のは、一説には大地の神ガイアが女性というところにルーツがあるのだそうです。

モノに性が付くということは、日本人にとって理解が難しいことが多々あります。でも、こうやって一つ一つ背景を調べてみると面白い発見があるかもしれません^^