フランス語は分解すれば覚えやすい!┃messieurs,mesdames
フランス語はややこしい綴りの単語が多く、覚えにくいのが問題です。書いたとおりに発音してくれればまだいいものの、そうとは限らないのがフランス語厄介な点であり、また魅力的な点でもあると思います。
今回はよく目にするけどややこしい単語、monsieurとmadamme、その複数形のmessieursとmesdammesを取り上げて単語の仕組みを紹介します。
単語は分解して覚えるべし!
このブログでも以前から繰り返し書いているように、単語は長く複雑になればなるほど、分解することで覚えやすくなります。
今回取り上げる単語のうち、まず単数形のmonsieurとmadammeを分解するとどうなるでしょうか。
monsieur→mon+sieur
madame→ma+dame
madameのほうが説明しやすいので、こちらから解説します。
分解することでma+dameとなりましたが、これはそのまま"Ma dame"と読むことができます。つまり、直訳すると「私の婦人」です。
中世が舞台となった物語を読んでみるとわかると思いますが、よく身分の高い女性についている家来などが、女性の名前を直接呼ばずに"Ma dame."と呼ぶことがあります。身分の低いものが高貴な人を名前を呼ぶと、あたかも対等な関係で接しているようになってしまうため、「私の仕えている御婦人」というような呼び方をします。これが現代にも形をとどめ、一般的に女性のことを指すときにmadameという呼び方を使うようになりました。
さて、mon+sieurはどうでしょうか。"mon"は「私の」という意味ですが、"sieur"は分からないですね。実は"sieur"は"seigneur"が変化して短くなったものです。"seigneur"は「主、主人」という意味です。これも中世ドラマなどで城主なんかが呼ばれている場面がよく出てきます。また、"seigneur"を発音してみると、ほかの国のことばのある単語に似ていると思いませんか?そう、スペイン語の「セニョール」に似ていますよね。実は「セニョール(señor)」の意味は、フランス語の"monsieur"と同じ、男性の敬称です。どちらも同じ「主、主人」が語源というわけです。
ただし、フランス語のほうは"seigneur"が短くなって"sieur"となり、さらに「私の」という意味の"mon"がついて、"monsieur"という形になりました。
ちなみに、"monsieur"は発音が難しい単語です。発音の仕方についてはこちらの記事を参考にしてください。
複数形を分解してみる
同じように複数形の単語も分解してみましょう。ここまで理解した人であれば、あとは簡単です。
messieurs→mes+sieures
mesdames→mes+dames
どちらも所有を示す形容詞である"mon/ma"が、複数の"mes"に代わり、後ろの名詞の語尾に複数を示す"s"が付いただけです。
覚えにくい名詞は分解して覚える
実はmesseirus,mesdamesについて「よく目にするのになかなかスペルが覚えられない…」という声を聞きます。でも、こうして分解してみれば理屈がわかるので、たとえスペルを忘れてしまっても思い出すことができますよね。
ほかにも、フランス語には長くて厄介な単語がたくさんあります。そういった単語も、一つ一つ丁寧に分解して、意味を理解することで長く記憶することができるようになります。難しい単語に出会ったときは、ぜひこの方法を試してみてください^^
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