フランシウム87

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DELF B2を合格するには┃僕が使ってきた問題集を紹介します!

DELF B2

フランス語を勉強している人なら「とりあえずこれくらいは取っておきたい!」レベルのディプロムではないでしょうか。

文法的な知識はある程度身についていて、会話も文脈を意識したもの、リスニングはかなり広範な内容を聞き取る能力を試される、いわば「フランス語が喋れます」を証書として保証してくれるような試験です。

 

さて、日本にはたくさんの種類のフランス語学習の問題集が並んでいます。僕は新宿紀伊国屋が多くの言語の問題集がそろっていて好きなのですが、都心に住んでいなければ本を実際に手に取って確かめながら買うということは難しいでしょう。

そこで、今回は質問もいただいたことなので、僕がDELF B2をとるまでに取り組んだ全問題集を一挙大公開します!DELF/DALFに関わらず、今の僕のフランス語知識の礎を作り上げてくれた本なので、問題集選びに迷っている人はぜひ参考にしてください。

 

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mokuji

 

 

はじめに

 

今回、この記事を書こうと思ったのは以前のエントリー(ヨーロッパ旅行にオペラを組み込もう┃海外でオペラ!6つのポイント~準備編~ - フランシウム87)でこんな意見をいただいたからです。

 

わたしもフランス語を勉強しているのですが、文法がどうにも上手く頭に入らず困っています。もしよろしければbantanさんがこれまで使ってきた文法問題集を全て紹介していただけないでしょうか? 

 

僕が今まで勉強してきた問題集は、そのほとんどが語学学校で配られたものです。

そして、僕の語学学校はC1レベル以上からは先生たちが作ったテキストを使うので、市販の教材を使うということがありません(ただ1冊だけ、担当の先生が編纂した問題集を使いました)。なので、タイトルにある通り、僕が市販の問題集を使った期間は、DELF B2を取得する前まで、つまりDELF B2に合格するまでに使ってきた問題集となります。

教材の向き・不向きは人によって違うので、僕と同じ問題集を使ったからと言って、試験に合格するとは限りません。が、これから紹介する教材に載っている事柄を理解すれば、DELF B2の試験はクリアできるということです。

 

 

 

日本出国前

 

フランスに着く前に、一応日本で勉強をしておこうと思った時期があります。ちょうど、ビザの申請でフランス大使館に足しげく通っていた頃でしょうか。

僕は、過去にスペインに留学した経験があります。そのときは初心者のレベルからスペイン現地で語学を始めたのでかなり苦しました。そんな経験があって、次にどこか外国で言葉を勉強するときは、日本でしっかり勉強して、ある程度喋ることができるようになってから留学に行こうと考えていたのです。

結論から言うと、僕の心はそんな決心をすぐに忘れてしまうようで、日本出国前に買った問題集は、新宿紀伊国屋の本棚に並んでいた時とあまり変わらない美しさのまま、フランスに持ってくることになりました。上下巻あったのですが、下巻なんて開いてもいないので新品そのままでしたね。。。

 

で、アマゾンで探してみたんですが。

見つからない。

本のタイトルとか覚えてないし(もう捨てた)、言ってももう3年も昔のことですからね。なんか、思いもよらないところで「時間の経過」という名のブローを受けてしまい、心が苦しいです。

 

あ、NHKフランス語講座(テレビ版)も買いました。確か1冊だけど。

NHKの語学講座で言葉がしゃべれるようになったら、苦労しませんよね。

 

 

 

フランス到着直後 レベルA1

 

とういうわけで、日本にいたときの問題集の紹介は割愛。

フランスに着いたときに、まず僕は語学学校のA1(もっとも初心者コース)から授業を受けました。一つのレベルを4ヶ月くらいかけてクリアしてゆくのです。

 

このとき使った教材がこちら。TAXI 1

 

 内容は、アルファベットの学習から自己紹介、国の名前、数字の勉強、基本的な動詞・形容詞・会話の練習などです。

これくらいだったら、日本で買う教材のほうがいいと思います。と言うのも、書いてあることが全部フランス語だと、文法の何を説明されているのかわからないですからね。

まぁ、フランス現地でフランス語を勉強する人は、当然この壁を乗り越えるわけですから、普通であれば爆発的なフランス語能力を蓄えることができるのでしょう。

利点と言えば、最初からフランス語で文法用語に慣れ親しんでおくと、ある程度のレベルからフランス語で文法解説を探したくなった時に、既に知識を持ち合わせていることになるので便利だという点でしょう。 

 

TAXI 1は会話は実生活に使えるフレーズなどを中心に学ぶもので、もう少し専門的な文法事項は別の文法書で学ぶことになります。それがこの Les 500 exercices de grammaire A1

 

 この文法問題集は最強です。このあと、B1のクラスでもこのLes 500 exercicesシリーズを自発的に買ってしまったほど、この本の効果の実感がありました。

この本の効果的な使い方はこちらのエントリー(僕のおすすめするフランス語問題集の使い方┃LES 500 EXERCICES DE GRAMMAIRE - フランシウム87)にまとめてあるので読んでください。

 

ちなみに、このLes 500 exercicesシリーズは文法だけではないのです。なんと学校からはphonétique(発音、音声学)の授業でもこの問題集が配布されました。

 

 

2冊合わせて1000問…(笑)

phonétiqueのほうも、なんだかんだで重宝しましたね。最初のうちに発音記号を丹念に学習できたのは、今振り返ってみるとよかったと思います。やっぱり、フランス語を話していると、発音の難しさっていつまでもまとわりついてきますからね。

 

学校のほかに、個人的にこれも買いました。Nouvelle grammaire du français

 

 

ソルボンヌ大学のフランス文明講座の編集だったと思います。

いわゆる文法辞典。内容は見やすく詳しい文法解説が載っていて、初級~中級くらいであれば十分知りたいことが見つかる感じです。

ただ…値段が高いんですよね。フランス国内であれば30€もしないで手に入るのですが。やはり、これだけ分厚いハードカバーとなると、日本に輸入すると高くなるんでしょうね。

 

 

レベル B2

 

A1の次はA2になるのですが、僕は学期の間のバカンスで、前出のLes 500 exercicesの文法A2を買って終わらせてしまったので、新学期にはクラスの変更の届け出をしてB1のクラスにうつったのです。

 

B1クラスの会話等の練習の教材はこちら。alter ego B2

 

 

このレベルのあたりから、書く力が要求されてくるんですよね。つまり、話し言葉と書き言葉は違うんだよ、ということを意識しなくてはいけなくなるのです。

具体的に言うと、On peut~? Est-ce que l'on peut~? Peut-on~?といったことを勉強したりするわけです。なので、この本で学ぶ内容も、実生活の会話と言うよりは、どのように文章を書くのか、といった点に焦点が当たっていました。

まぁ、これは他の問題集でできることなので、わざわざAlter egoをかって勉強するようなことではないでしょう。ちなみに、教科書のタイトルであるalter egoとは「無二の親友」と言う意味です。

 

文法強化用の問題集はこちら。Exercices de grammaire en contexte

 

 

これもとても良い問題集でした。何が良いのかと言うと、実際に文章を書くときに必要になってくる、さまざまな「書き方」が学べるようになっているんですね。例えばそれは文章と文章をつなぐ方法だったり、婉曲・推量・仮定・反論を述べる方法であったり。

 

フランス語に限らず、言葉は最低限の語彙と文法知識で話すことができます。砂場で遊ぶ幼児を見ればわかります。彼らの語彙力はまだまだ乏しいのですが、そこにいる環境に必要な言葉のバリエーションは限られているので、幼児同士で会話が成り立っているのです。ちょっと悪い例になりますが、女子高生のメールの言葉遣いもそうでしょう。話す内容がパターン化されていけば、必要な語彙と言うのは限定的になるのです。

しかし、砂場で遊んでいる子供たちが、もし高度な技術を要する砂の要塞を作りたい場合はどうでしょう。必要な材料、必要な建築技術、必要な計算式が出てくるわけです。こうなってくると、少ない語彙では役不足になってしまいますね。

 

ちょっと話が脱線しましたが、フランス語の学習でもそうなのです。より高度な会話を楽しみたいのであれば、それなりの知識をつけることです。「思う」という動詞だって、penserとcroireだけではありません。さらに自分が作った文章を効果的に相手に届けるには、どういった文章のコネクトにするべきなのか。この問題集は、そういった「一段上のフランス語文法」を学ぶ、良い入門書なのです。

偉そうなことを書いていますが、いまだに僕はこの問題集を手に取ることがあります。それは、この問題集が問題を解くためだけではなく、文法事項をあとから見返すにも見やすいまとめられ方をしているからです。

 

科学の勉強をしていても、やはり文法知識は必要なのです。

 

発音に関しては、このころから先生とコンピューターを通した授業になったため、特に教材は使いませんでした。発音は発音記号さえマスターすれば、あとはフランス語を話す人から根気よく訂正してもらうのがベストの勉強方法です。リエゾン一つとっても、liaison obligatoire, liaison facultative, liaison interditeとあるわけで、それらの判別を外国人である我々日本人がするのは至難の業です。(フランス語の勉強法!より速くマスターする5つの方法![④発音学編] - フランシウム87

 

そして、B1クラスにいたときにDELF B2に受かっため、B2のコースは受講していません。DELF B2対策用に買ったのがこれ。

 

 DELF/DALF Reussir系の本はみんな使いますよね。もう、問題作成者もこれ参考してんじゃないかってくらい。

 

 

番外編

 

ここで紹介するのは、僕が友人から頂いたフランス語学習の本。

「もうこんなこと知ってるよ!」というものから「情報多すぎ…」というものまであります。

 

BLED orthographe et grammaire

 

 

主につづりを練習する本。活用形で最後のsやtが抜けていないか、アクセントは正しく打っているか、çaをsaと書き間違えないか…など。文法では性数の一致や、同音異義語など、「フランス語話す人が間違えやすそう」な問題がずらり。

この本をくれたのはセネガル人の友人。アフリカでのフランス語教育って結構しっかりしているようで、意外かもしれませんがフランス人よりフランス語について詳しい時があるんですよね。まぁ、その知識を日常で使っているかどうかは別として。だから、彼もorthographeの教育はしっかりと受けてきたようなので、この本をくれたのです。

でも、日本人ってけっこう几帳面な性格だから、つづりって割と正確に覚えちゃうんですよね。僕は同音異義のコーナーはおもしろくて読んだのですが、問題を真剣に解くことはありませんでした。

それと、僕だったらorthographeの勉強にはこのサイトを使いますね。こっちのほうが楽しい。(フランス語のorthographe!┃フランス人が使うスペルの勉強サイト - フランシウム87

 

Dictionnaire des difficultés de la langue française

 

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これは退職したフランス語の先生から頂いたもの。

カタルーニャ出身の彼女からは、同時にフランス語ーカタルーニャ語翻訳辞典も頂きましたが、いまだに利用できていません。。。

この本には前置詞の使い方や動詞の活用の仕方等で間違えやすいポイントが辞書形態になって乗っているのです。暇なときにパラパラ読んでいるのですが、たまに衝撃的な文法の事実に出ったりするので面白いです。

因みに、これは1956年のもの(!)なので、現代ではこんな感じでしょうか。

 

 

最後に、たまーに開く辞典。

その名もDictionnaire de la langue française

 

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ちょっと冗談かな?中に金の延べ棒でもしまえんじゃないの?ってくらいに厚いです。

これは友人から借りているものなのですが、wikipediaがあると、なかなかこんな分厚い辞書はひかないんですよね。

 

 

おわりに

 

こうしてみると、そんなにたくさんの問題集をこなしてきたわけではないことが分かりました(笑)僕は新しいものに挑戦するより、同じものを何回も解くほうが好きなので。

それにしても、今の世の中はすごいですね。フランスでゲットした本は、すべて日本でも手に入っちゃうんですね。アマゾン様様です。

本来であれば、実際に書店へ行って並んでいる問題集から自分に合いそうなものを選ぶのがベストなのですが、洋書となるとなかなかそうもいきません。また、地方に住んでいる場合は比較できるだけの問題集の量に出会えないかもしれないので、そういった時に僕の体験談を役立ててもらえればと思います^^

 

 

→フランス現地の語学学校って意外と安い!?

 

→フランス語の独学を成功させるためには?

francium87.hatenablog.jp