【フランスニュース】ミシュラン 間違えて無名のレストランに星をつける!?
飲食店と、そこで働く人たちの人生を左右するかもしれないミシュラン。
日本でもミシュランによるレストランの格付けがされていますが、ミシュラン発祥の国はフランスです。
そんなミシュラン本家のフランスで、こんな珍事件が起きました。
ミシュランが間違えて格付けしちゃった
ミシュランは、実は星付きのレストランを決めているだけではなくて、フランス全土のあらゆるレストラン情報をまとめているんですね。例えるなら日本でいうところの、ぐるなびとか食べログみたいなものでしょうか。
フランス中に数多く存在するレストランの中でも、特に優れたレストランに対して、1~3個の星で評価することで、星付きレストランが誕生するのです。
この星が付くかつかないかで、レストランの評判、そこで働く人たちの人生、ひいてはそのレストランのある地域の活性化につながったりと、まぁかなり影響力のある団体なんですね。
そんなミシュランが起こした珍騒動がこちら。
名前を取り違えて、全く関係ないレストランに星を付けた!
ミシュラン2017が先日公開されたんですが、そのなかで新しく、ブールジュという街にある「Le Bouche à Oreille」というレストランに星が付いたのです。
先にも書いた通り、レストランに星が付くというのはとても栄誉あることです。また、同時に世界中の食通たちの注目の的になるという事でもあります。
このレストランも、ミシュランガイド(インターネット版)に載った直後から多くの人が訪れるようになりました。が、そこに行った人たちはびっくり。なぜなら、外観からしてどこからどう見てもこの新参者のレストランはミシュランの星に「相応しくなかった」からです。
それもそのはず。実は、このレストランが手に入れてしまった星は、本来ブテルヴィリエという町にある、同名の他のレストランに与えられるものだったのです!しかも、同じだったのは店名だけでなく、住所の通りの名前までほとんど一致していたんですね。(フランスでは、全ての通りに名前がついているので、通りの名前を使って住所を表します)
ちなみに、ブテルヴィリエのレストラン「Le Bouche à Oreille」はこんな感じ。
うん、これだったら星が付いていてもおかしくはないですね(笑)
意外な反響に悲喜こもごも
思いがけないミシュランの恩恵を受けてしまった、街の小さなレストラン「Le Bouche à Oreille」。
その噂は瞬く間に広がり、連日店は繁盛しているのだそう。
これならオーナーはさぞ嬉しかろう…と思ったら、実際はそうじゃないみたい。
"Je commence à être noyée! J'ai des nouveaux clients qui veulent des tables de trois, de quatre. Mais je n'en ai pas une grande superficie et il n'y a que quatre mains"
「もうアップアップだわ!新しいお客さんたちは3人席とか4人席とか頼んでくるんだけど、ここにはそんな広い場所はないわ。手だって4本しかない」
ちなみに、ここでは"à la bonne franquette"という12ユーロのお料理が有名なんだそう。懐にも優しくおなか一杯になれるので、地元の人に愛されているお店のようですね。
ちょっとフランス語についても書かせていただくと、このレストランの店名にもなっている"un bouche à oreille"は「口コミ」という意味です。直訳すると「口から耳へ」という意味になるので、覚えやすいexpressionですね^^
今回の珍騒動でのお客さんの襲来は、まさに"un bouche à oreille"の効果があったと言えます。
日本人があまり行くことのないような場所にあるレストランですが、もし近くに行くことがあれば、是非立ち寄ってみたいレストランです!