刺身が泳ぐ日本と、アメリカのチョコレート乳牛
何年か前に、日本でショッキングなニュースを聞きました。
日本の子供たちの中には、マグロの冊が海の中を泳いでいると思っている子供がいるのだそう…
食べ物の起源
というのも、日本のスーパーでは鮮魚コーナーで刺身の魚が冊切りになって売られていますよね。
マグロやサケなどを、その魚の切り身でしか見たことのない子供の中には、魚の切り身が海で泳いでいると勘違いしていることがあるのだそう。
そんな馬鹿な…と思ってしまいますが、まぁ僕も小さいころ、おいじいちゃんに見せてもらった古い写真を見て、「昔の人は白黒の服ばかり着ていたんだね!」と言ったそうなので、人のことは言えません。。。
アメリカのチョコレート乳牛
先日、フランスのニュースサイトでこんな記事を発見しました。
この記事によると、なんとアメリカの人口の7%以上(1600万人以上、ペンシルヴァニア州の人口程)の人は、ホットチョコレートなどのチョコレート飲料は、茶色い乳牛からお乳として出てくると思っているのです!わお!
まぁ、アメリカというとフライドポテトとポテトチップスの原料が同じでないと言ってみたり、チキンナゲットはひとつひとつが養殖された生き物とか言っているそうなので、茶色いチョコレート乳牛がいてもおかしくはないのかもしれません。
農業大国フランスでは?
この記事は、「あなたはチョコレートミルクの原料を知っていますか?『そんなの簡単!カカオと牛乳と、少しの砂糖でしょ!』と、読者の皆さんは当然レシピを知っていることでしょう。しかし、1600万人以上のアメリカ人にとっては当然ではないようです」と、かなりフランス上位の書き出しで始まっています(笑)
まぁ、フランスと言えば言わずと知れた農業大国。ワイン・チーズをはじめ、フランスでは多くの食品・料理が作り出されていて、その原料もまた、ほとんどがフランスで生産されたもので賄われています。
そんなフランスでも、食品原料の起源には問題があるようなのです。
この記事によると、フランスでは幼稚園児にも栄養の勉強がされているそうです。
しかし、その内容というのは「ニンジンの絵を描くこと」。
ニンジンの絵を描くことが栄養の勉強…まぁ、食材の元の形を知るという事はとても大切なことですが、週2回の授業でニンジンの絵ばかり描くのはつらいとのこと。
フランスの食材離れ
実はフランスも子供たちの「食材離れ」は問題になっています。
特に顕著なのが野菜について。フランスってグルメの国と言われているくらいなので、日々の食事は豪華でふんだんな食材が使われているようにイメージしてしまいがちですが、必ずしもそうとは限りません。
むしろその逆で、フランスの食卓は日本と比べて品数が少なく、手が込んでいないシンプルなものであることが多いのです。
そもそもフランス人というのは個人の時間を尊重します。それは子を持つ親になっても同じことで、毎日毎日料理に膨大な時間を費やしてしまっていては、時間がいくらあっても足りません。
なので、普段の食事はなるべく手軽に済ませる傾向があるのです。
加えて、フランスは食材レベルで美味しいものが多いので、そんなに一生懸命調理をしなくても美味しいものがたくさんあるんですね。
まぁ、食材が美味しいというのは日本でもいえることなのですが、日本人はとにかく料理に凝る傾向があるかと思います。だからこそ、日本のレストランって質が高いと言われている所以だと思うのですが。
話を戻すと、日々の料理が簡略化されていくと、使われる食材の数が少なくなり、しかもサラダなどがすでにカット済みのものになると、元の野菜の形・名前が分からないという事になってくるのです。
その他にも、上で紹介した記事には「ヨーグルトは卵から作られると思っている子供がいる」なんていうことが書かれています。
食育
日本には食育という言葉があります。
この言葉は、単に栄養や料理方法などを学ぶだけではなく、食というものを通じて、文化や経済、歴史などを学ぶということです。
食は、「衣食住」とよばれる人間の生活の3本柱の一つです。
海には刺身魚が泳いでいると勘違いしてまま生きていても、もしかしたらその人の人生においては特に大きな問題にならないかもしれません。ちょっと恥をかくくらいで。
もしかしたら、これからの世の中、食材と料理というのは完全に切り離されたものにンあってしまって、みんな料理もする必要がないような「便利な世の中」になってしまったら、わざわざ食材がどこから来たのか、なんてことは知る必要が無くなってしまうかもしれません。
でも、なんかそうはなってほしくないですよねー。
やっぱり、子供たちには食べ物のことをしっかり知ってもらいたいです。
同時に、アメリカの生物学者は、チョコレートミルクの出る乳牛を開発すればいいと思う^^