金木犀(キンモクセイ)ってフランス語でなんて言う?
金木犀の香る季節になりました。
あの、特別な香りが風になって香ってくると「どこだ!金木犀!?」って探してしまうのは、きっと僕だけではないはず。
日本では有名な金木犀ですが、フランスでもたまに見かけます。というか、香ってきます。とはいえ、日本ではよく口にする花の名前も、外国語では意外と知らないもの。日本では練り香など古くからよく使われる花の香りなので、ぜひこの記事を読んでフランス語でなんて言うか覚えてください!
金木犀ってフランス語でなんて言う?
金木犀はフランス語でOsmanthusと言います。フランス語の読みをカタカナにするのは難しいのですが。発音はオスモントゥスといった感じでしょうか。
実は金木犀はモクセイという属(グループ)の中の一種類です。モクセイというと、一般的にはギンモクセイという植物を指します。金木犀はその名の通り(?)金色…というかオレンジ色をした花を秋のはじめにつけます。対して銀木星は銀…というか白い花をつけ、香りはありますが金木犀ほど強くありません。
一方で、フランス語でOsmanthusと言うと、一般的には金木犀を指すようです。というのも、フランスで一般的に金木犀が登場するのは香水などの文脈で、調香に使われるモクセイ属の花といえば金木犀だからです。
フランスの薬局などでも売られているROGER&GALLETのコスメにも、Osmanthusのシリーズがあります。(外部リンク:https://www.roger-gallet.jp/collection/fleur-d-osmanthu/)僕も友人からプレゼントされたせっけんを使いましたが、本物の金木犀ほど甘ったるくなく、むしろさわやかな感じがして気に入りました。(個人的にはローズのシリーズのほうが好きですが…^^,)
あと、フランスでよく見かける金木犀としては、香りづけされた中国茶があります。salon de théで金木犀の香りの中国茶を見かけたら、ぜひ試してみてください。とてもおいしいですよ。
Osmanthusの語源
単語を覚えるときは、語源まで調べることをお勧めします。
特に長い単語や覚えにくい単語は語源までさかのぼって調べることで、パーツに分解して頭に焼き付けることができるので本当におすすめです。
osmanthusを分解するとosmとanthusの2つにわけることができます。
osmは、古代ギリシャ語のosme「匂い」
anthusは、同じく古代ギリシャ語のanthos「花」
実は「匂い」を意味する、osmeはodumという形でも使われていたようで後者はさらに変化して現代フランス語のodeur「匂い」という形になっているようです。
anthosはピンと来る人もいるかもしれません。そうです、アントシアニンのアントは、まさにanthosが由来なのです!(みんなピンときている…はず!)
アントシアニンはブルーベリーの紫色を出す色素ですが、スミレの花の紫も同じものです。だから花を意味するantho-が接頭辞となっているんですね。今度スミレで有名な街、トゥールーズに行った際には、スミレ→アントシアニン→anthos→osmanthus→金木犀と思いを馳せてみてください。
また、人生で1回も使うことはないでしょうが、「花恐怖症」を意味する言葉はanthophobieで、ここにも同じ接頭辞が使われています。後半の-phobieについて興味がある人は、この記事を読んでみてください。
モクセイに似た花で…
モクセイことギンモクセイは白い花をつけます。
個人的に、トベラという植物尾花がこれに似てると思うんですよね。花の見た目もさることながら、その香りも、なんとなくモクセイに似ているような…でもずっと嗅いでいると頭が痛くなるような気もする、不思議な香りがします。
ちなみに、トベラもフランスで見かけます。家の前の生け垣がトベラでした。トベラについては、日本語名の語源と隠語を探ると面白いかもしれません。僕も最近調べて新しい発見になりました。
おわりに
まぁosmanthusなんていう花の名前を知っていなくても、別に困ることはないのですが、知っていると日本の文化を伝えるときにちょっと役立っちゃったりします。ついでに金木犀の練り香なんかをさりげなく持っていれば、あなたの魅力がアップすること間違いなし!そこで今回の語源の知識をひけらかしてみましょう!きっと面倒な奴だと思われますよ!笑