ブラックでグロくてエロい、大人のための ピノキオ♥
タイトルは誇大表現ではありません。
僕がスペインに住んでいた時、北の小さな町のホテルに泊まった時に客間においてあった、フランス人作家の描いたマンガ版ピノキオ。
マンガといっても、フランスでバンド・デシネ(BD)と呼ばれる、アーティスト性の強い絵で書き上げられたマンガです。
アングレーム国際マンガ祭グランプリ作品
実はこれ、ヨーロッパでは結構有名になった作品。2009年にフランスで開かれた国際漫画祭でグランプリに輝いたからなんですね。
当時、そうとは知らずホテルの客間で寝るのも忘れて必死に読んだ19歳の僕。
でも、このピノキオは僕たちが知っているディズニーのつくったピノキオのストーリーとは全く違うんです。
ストーリーのおおすじや、登場人物には共通点があるんですが、ストーリーがまるで破天荒。
ピノキオ生みの親、ゼペットじいさんはマッドサイエンティスト。ジミニー・クリケットは30過ぎて職のないアル中ゴキブリ。当のピノキオは金属ででき破壊ロボット…こんな具合です。
間違っても子供へのプレゼントに買ってはいけない
もしこれを子供に買い与えたとしたら、おそらく一生後悔することになるでしょう(笑)
それくら、かなりキツい内容の本です。
それが作者であるヴィンシュルスの手によって、ブラックでグロくてエロい、でもストーリーが気になって思わずページを進めずにはいられない…!そんな作品に仕上がっているのです。
アマゾンで、作品の冒頭が見れるので、ぜひこの本がどんな世界観なのかを見て頂きたい。しかも日本語!翻訳されるなんてすごい。
かなりの大判で、装丁もしっかりしているので 大人へのプレゼントには良いでしょう。
僕の弟がもうすぐ誕生日で、イル・ビソンテのアクセサリーを贈ろうと思ってたんですが、この本に計画変更!笑
ただのマンガじゃない…
この漫画は単にエログロなだけでなく、時に笑えて、時に考えさせられたりもするから不思議。
っていうか、よく考えてみたら、本家のピノキオも子攫いがあったり、劣悪な環境下で子供が仕事をさせられたり、エグい路線の下地は完成されていたんですね。
僕は、特に遊園地に集められたピノキオの友人との別れのシーンが忘れられません。
悲劇的であり耽美的。こんなマンガは見たことがありませんでした。そのシーンだけ、思わず3回は読み返しましたね。
ごり押しですが、フランス語に堪能な方は、これを原文で読めばさらに深い部分が見えるんじゃないかなと思います。
僕も時間ができたらフランス語で再挑戦しようっと!
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