フランシウム87

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フランスから日本へ帰国しました┃フランス留学を終えた後の話

いつもフランシウム87を読んでいただきありがとうございます。

この度、5年間のフランス留学を終えて日本に帰国しました。長かったようで…長かった留学生活。フランスでの時間のスピードは日本の何倍もゆっくりと感じたので、とても長い間フランスにいた気がします。

今回はフランスの留学生活を終えた話、そしてこれからのことを書いてゆきます。

 

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5年間のフランス留学

 

2013年の9月。僕のフランス・モンペリエでの留学生活が始まりました。

フランス南部の町、モンペリエ市はこれといって観光名所がない町ですが、居心地がとてもよく住んでいて気持ちの良い場所でした。この町で1年半の語学学校生活、そして3年の大学生活を送りました。

もともと銀座の日本料理屋で働いていたこともあったので、フランスでも学業の傍ら料理の仕事をしていました。フランスの仕事のシステム。フランス人の仕事に対する姿勢など、仕事を通じて多くのことを学ぶことができたと思います。

また、それ以外にもフリーの身として通訳・翻訳にも挑戦させてもらえました。だいたいモンペリエでお世話になっている日本人の方々(フランス歴で僕の諸先輩方)からお仕事の話を頂いたり、自分の登録しているクラウドソーシングからフランスでのアテンドを依頼されたり。ワインの商談からエネルギー関連の話、日本米のインポートやフランスの大学の講演など、様々なジャンルの通訳・翻訳をさせてもらい、とてもいい経験になりました。

 

僕個人としてはなかなか充実した5年間だったと思います。

 

 

なぜ、日本に帰ることになったのか?

 

日本に帰ると決めてから、よくフランスで友達に聞かれた質問です。

「なんでbantanは日本に帰るんだ?」

答えは僕も良く分からないのですが、多分フランスの生活に満足しなかったからだと思います。フランスの生活の質が悪いという訳ではありません。フランスの生活・社会は日本と同様に、良いところもあれば悪いところもあるけど、ざっくりと見れば良い国です。

ただ、僕はそんなにどこかの国に住み続けることは考えていないので、いったんフランスからは出ようという考えになりました。そもそも留学開始当初は1年の滞在の予定だったので、僕にとってはとても長引いてしまった留学だったのです。

それもこれも、フランスでの目標がフランス語学習からフランスの大学への入学→フランスの大学卒業と、コロコロ変わっていたからです。今年の5月に無事フランスの大学での学業(生命科学微生物学)を修めることができたので、ここらへんで一度自分の目標を整理するために日本へ帰国することにしたのです。

 

フランスは良い国だったか?

 

あるものに対して良い・悪いの判断を下すには、それと比較するものを知ってなくてはいけません。

例えば、日本酒やワインのテイスティングをするとき、1本だけでは何のコメントもできません。我々のように資格があったり多くの酒を飲み比べていれば、何かしら「基準となる味」が記憶されていて、それと比較してテイスティングした酒をあーだこーだ言うことはできます。しかし、基本的には一つの対象物だけで物事の良し悪しは判別できないものだと思います。

 

話がそれましたが、僕がフランスを良い国だったかどうか判断するために比較できる国は、今まで住んだことのある日本とスペインしかありません。

それを踏まえていうならば、フランスは良くも悪くもない国だったと思います。

料理の点でいうと、この3つの国で星付きのレストランであればフランスが最も質が悪かったです。サービスに愛情が感じられないのと、食材をいじりすぎています。町場の大衆レストランならまだしも、星付きレストランに行ってもあまり満足するサービスと料理は体験できませんでした。自分の店選びが悪かっただけなのかもしれませんが、世界に名を馳せているレストランでも疑問符が頭の周りを飛び回ったまま店を後にしたことは一度や二度のことではありません。

ただし、ワインとチーズに関してはフランス程素晴らしい国はありません。この2つさえあればフランスの食は安泰であると言っても過言ではないほど、本当に素晴らしいです。

人という観点でいうと、フランス人は日本人と相性が良いという人もいるし、相性が悪いという人もいます。フランス人は議論好きです。これは議論慣れしていない日本人にとって大きな迷惑となることがしばしばあります。こちらは別に話の本質を追求したくない時でも、フランス人はそれを許しません。そうかと思うと、フランス人は日本人と同じく物事をストレートに言わず、とても迂回した言い回しを好み、日本人とおなじような思考をすることがあります。間接的な皮肉は、時にはストレートに言うよりももっと辛らつなダメージを与えることがあるのです。僕はフランス人と日本人はわりとうまくやって行ってると思います。

社会については、僕は全く分からなくなりました。フランスの個人主義は、全体主義の日本で生まれ育った僕からするととても羨ましく感じるのですが、フランスに住んでいるとしばしば個人主義が行き過ぎた場面に遭遇することがあります。これで良いのだろうか?と疑問を抱くと同時に、それでも上手く機能しているフランス社会を見ていると、これで良いのだろう。と納得せざるを得ません。もちろん、フランスと日本を足して2で割ったらいいのにと思うことはなくもないのですが。。。

フランスで一番良いなぁと思ったのは、芸術に対する姿勢です。フランスでは日本よりも芸術が守られていると思うシーンが良くありました。フランスは多くの優れた芸術家を輩出しつづけていますが、それは芸術に対する国の取り組みが日本よりも大がかりだからでしょう。また、藤田嗣治のようにフランスに帰化した芸術家も多くいます。僕たちアマチュアの人たちが低料金で演奏会に行くことができるようにして、芸術と市民の接点を多く作っているのも、からくり自体は簡単ですが金銭面でなかなかできないようなことをやっているのがフランスです。

 

フランスに対するコメントを始めたらキリがありません(笑)これをネタに一晩中話し合えるくらいです。それと、ここで書いてあることはあくまで僕個人の感想です。人によってはフランス料理が一番美味しいという人がいることも知っていますし、僕の周りにもそういう料理人は多くいます。

総じて、僕の感覚で言うとフランスは中の上くらいの国でした。

 

 

フランスの大学で生命科学を学んで

 

一応フランスの大学で生命科学・微生物専攻を勉強したわけですが…正直このまま科学者としての道を歩む気にはなれませんでした。そもそも僕は根っからの文系で、なんで理系の学問を、しかも海外で始めたのかわかりません(笑)

理由としては、幼い頃から生き物が好きだったので、いつか生物学を勉強してみたいという思いが心の奥底にあったのだと思います。

しかし、もう一つの理由として、例え文系であっても理系の勉強はできる(その逆も然り)、しかも海外の大学で!という、ある種の証明がしたかったというのもあります。そのうえ、僕は高校を卒業した後にスペインへ留学したり仕事をしたりしていたので、日本で大学に行ったことがありません。日本で大学に行っていなくても、立派に勉強できるということも証明したかったのです。

なので、このブログを読んでいる皆さんには「やりたい勉強なら何でもできる!」と、声を大にして伝えたいです!そして、僕自身もこれに満足することなく、これからもたくさんのことを勉強していきたいと思っています。

 

 

今後の話

 

海外に留学する人にとって、留学から戻ってきたときの人生設計をどうするかという点に興味を持つ人は多いと思います。行きはヨイヨイ、帰りはコワイ。

僕は1年前から友人と今後の目標について話し合っていました。その時はまだ日本に帰国するか、それともフランスに残って学業を続けるか考えていたのですが、上で書いたように科学者の道に興味が持てなかったので、日本に帰国した時のことを考え始めていました。

ちょうどその時に仲の良かったフランス留学仲間も日本への帰国を考えていたので、何度も何度も話し合いをした結果、日本で新しいことに挑戦することに決めたのです。

詳しいことは長くなってしまうので、また別の機会で記事にすることができればと思うのですが、簡単に説明すると 外国人の力を借りて日本の問題を解決したい、というのが我々のプロジェクトの目標です。そのための第一歩として、日本での活動の地を東京から山口県へ移すことも決まりました。

 

フランス留学を終えて

 

さて、これが僕の当面の大きな課題なのですが…フランス留学の後に何をするか。

恐らく、多くのフランス留学生たち、そしてこれからフランスに留学しようと考えている人たちも同じ課題・悩みを持っていると思います。

幸いなことに僕は語学を含めて「手に職系」のものを持ち合わせているので仕事探しに困ることはないのですが、自分の人生の中で何をしていきたいかという主体を持った目標を考えると、話はそう簡単ではなくなってきます。

僕は1年前から友人と今後の目標について話し合っていました。その時はまだ日本に帰国するか、それともフランスに残って学業を続けるか考えていたのですが、上で書いたように科学者の道にあまり興味が持てなかったので、日本に帰国した時のことを考え始めていました。

ちょうどその時に仲の良かったフランス留学仲間も日本への帰国を考えていたので、何度も何度も話し合いをした結果、日本で新しいことに挑戦することを決めたのです。

詳しいことは長くなってしまうので、また別の機会で記事にすることができればと思うのですが、簡単に説明すると 外国人の力を借りて日本の問題を解決したい、というのが我々のプロジェクトの目標です。そのための第一歩として、日本に帰国してから着々と準備を整えています。

今後の動向についてもブログで報告できればと考えています。

 

それと、このブログ自体については残すべきか残さないべきか考えたのですが、まだ伝えきれていない僕のフランスやフランス語学習に関するあれこれがあるので、これからも時間を見つけて更新していきたいと思います。役に立つかどうかは分かりませんが、たまに覗いてもらえると嬉しいです。

 

というわけで、フランス留学は終えてしまいましたが、今まで通りフランシウム87は続きます。フランスとフランス語の新しい視点を届けられるような記事を書いていきたいと思っているので、よろしくお願いします^^