デング熱ウィルス蚊の駆除┃モンペリエ市が散布する蚊の殺虫剤対策
デング熱騒動、日本ではおさまっているのでしょうか?
2014年に話題になった「デング熱」
デング熱とは、デングウイルスが原因の病気です。
このウイルスを蚊が媒介して、ヒトに感染したという事例が2014年に日本で報じられて、一躍有名になりましたね。
あれから2年、今年ももうすぐ夏がやってくるわけです。
デング熱対策として日本がやったこと
デング熱の流行の原因はいろいろありますが、共通して言えることは蚊が媒介者として重要な存在であるという事。日本では代々木公園がデング熱の発生源だとして、大規模な殺虫剤の散布がされました。
その甲斐あって、大流行の翌年、2015年の蚊の数は減ったと報告されています。
(というより、2014年のみ蚊が大量発生しています。参考:東京都感染症情報センター » デング熱 Dengue fever)
さて、この時にまかれた殺虫剤ですが、ヒトへの害(有毒性)が話題になりました。
東京都感染症情報センターのサイト内で紹介されている備蓄殺虫剤は、フマキラーのボウフラ退治の薬と同じ成分のピリプロキシフェンで、1980年代に日本の住友製薬が改良・製品化しています。
ブラジルのジカウイルス対策にも併用して使われています。
その毒性から、ドイツ・スイス・オーストリアでは一般への販売は認められていませんでした。(参考:Pyriproxifène — Wikipédia)
モンペリエでも蚊の対策をしています
僕の住んでいる南仏の町・モンペリエでも早くから蚊の駆除対策をしています。
ただ、モンペリエでは化学的な合成物質である殺虫剤を使うのではなく、バクテリアの培養から作られた微生物殺虫剤が使われています。
温暖化で蚊の生息地が急激に広がったのと、アフリカ大陸との人の移動が多い南フランスは、デング熱など蚊の媒介するウィルスに頭を悩まされているのです。
どうやって蚊を駆除するのか
なんでいきなりこんなことを話し出したかというと…まぁこの前の授業で聞いた話だからなんですけどね(笑)
このバクテリア、名前はバチルス・チューリンゲンシスといいます。
このバクテリアが蚊の体内に入ることによって、蚊は死んでしまいます。
なので、化学的な薬品を使わずに蚊を内部から殺す方法なんですね。
ちなみに、この微生物殺虫剤は、その効果を選択できることから、ヒトには無害であるといわれています。
けっこうバシバシ撒いてます
僕がフランスについた最初の年は、昔ワインのブドウ農家をしていためちゃめちゃ広い敷地の家にホームステイさせてもらっていました。
僕がモンペリエについたのが9月だったんですけど、それから11月まで、数回防虫剤散布の人が家に来たのを覚えています。
なんでも、その家はあまりにも広いから、市の人が蚊の駆除のために無料で防虫剤を撒きに来るんだそう。
暇だったので窓から眺めていたんですが、結構豪快に撒くんですよ。殺虫剤。
えーこんなに撒いちゃっていいの!?っていうくらい。もうもうとした殺虫剤の霧が、風に乗って隣の家まで届いてしまってました。
世界にはいろいろなバイオテクノロジーがある
世界ではバイオテクノロジーをいろんな形で応用しています。
海外から日本のニュースを眺めていると、なんだか日本はまだまだ旧式のテクノロジーにしがみついている感じがしますよね。蚊の駆除の方法に然り。
なにかと環境破壊を叫ばれてるアメリカでも、環境保全の動きは日本よりも活発な印象を受けます。
対して、日本の伝統的な知恵には、まだまだ現代に応用可能なバイオテクノロジーのアイデアがあるので、この分野はますます面白くなりそうです。