【TED動画】テクノロジーとバイオロジーを融合したデザイン(ネリ・オックスマン)
TEDでバイオロジーとデザインの領域を結びつけている、MIT(マサチューセッツ工科大)メデイアラボの准教授であるネリ・オックスマンのプレゼンテーションを見つけました。
彼女のアイデアはとっても面白いし、実際、いま世界で注目されている分野でもあるのです。
(youtube版の動画は最後に張り付けてあります。)
微生物や酵素の反応、たんぱく質の構造モデルなどのミクロのデザインを模してると思えば、こんどは大きいな構造物を虫と一緒に作っちゃったり…なんとも幅の広い"デザイナー"です。
この人のすごいところは、バイオロジーの研究成果を上手に編み上げて、違う分野に応用しているところです。
ビデオ中盤(8分あたり)で話している微生物とは、シアノバクテリアのことでしょう。
酸素のなかった太古の地球に、生命のエネルギー源となる酸素を生み出した太古のバクテリアです。
地球の歴史で重大な変化を起こしたシアノバクテリアを、今度は人間の作り出したプロダクトに埋め込もうとしている。
因みに、シアノバクテリアが酸素を作り出して地球の環境を変えたときって(今から27億年前の話ですが…)酸素は猛毒だったんですよ。
なぜなら、それ以前の地球の大気は二酸化炭素と窒素が主だったわけで、生命は酸素に対応できる体ではなかったんです。
私たちが今、酸素に順応して、しかも酸素をエネルギーを作り出すために利用しているのは、名前だけ聞いたことのある何かで有名なミトコンドリア君のお陰なんです。
あなたも、ミトコンドリア君によって生かされているのです。
話が脱線しましたが、彼女のやっていることは、ある意味「神の領域」に触れてると言えるんですね。
果たして、それが良いことなのか悪いことなのかは…僕にわかるわけがありません。
でも、一人のバイオロジーの学生として、彼女のプレゼンはとっても興味深かったので紹介しました。