フランス大学の学費┃フランスの教育費は本当に無料なのか
当ブログでも、何回も繰り返し言っていることなんですが、フランスの大学は学費が無料なんです。
大学が無料っていうのは、ヨーロッパの国々であれば決して珍しいことではないのですが、日本人からするとにわかに信じがたいことですよね。僕も最初はかなり疑っていました。
実際、授業料がかからないとしても、他にお金を払わなくてはいけない部分があるので、年間の出費が完全に0€というわけではありませんでした。
今回は、僕が実際に支払いをした2015-2016の授業費の詳しい内訳を公開します。
国立大学は授業費無料
フランスの国立大学は、原則として授業料が無料です。
僕が通っているのは、モンペリエにある国立モンペリエ大学なので、僕の学校も授業料はかかっていません。
しかし、他にかかる費用があるのです。僕が実際に入学の時(2015年9月)に支払った費用がこちら。
-ディプロム代 134€
-社会保障料 215€
-FSDIE*1 16€
-予防医学(公衆衛生費) 5.10€
-図書館使用料 34€
total 404.10€
つまり、学費はタダだといっても、僕の場合は年間404€(ざっくり計算して、約5万円)かかっていたわけなので、完全に無料というわけではありませんでした。
(しかしその後、社会保障料の部分は、僕の仕事の給料から支払われていることが分かったため学校に支払う必要はなく、払い戻しをしてもらいました。)
とはいえ、日本の天文学的数字の学費から比べたら、かなり安いですよね。
→2016年度版の情報はこちら
奨学金受給者ならもっと安い!
僕が払った費用のうち、あとから払い戻しを受けた社会保障費を除くと、一番高いのがディプロム料となります。
このディプロム料は、奨学金受給者かそうでないかで値段が大きく変わってくるのです。
僕が通った理系大学ではなく、お隣の文系のキャンパスであるポール・ヴァレリー大学の費用一覧表があるので、それをもとにして紹介します。
まず、licence(3年間の学士課程)のディプロム料は、一つの課程の選んだ場合189€。同じ国立の大学ですが、僕の大学より50ユーロほど高いですね。
ちなみに、課程は同時に2つ選ぶこともでき(フランス文学と演劇など)、その場合は311€。
これらの費用は、奨学金受給生(boursiers)ではない場合のものです。
では、奨学金受給生であればいくらなのでしょうか。
なんと、どちらも一律5.10€!安すぎる(笑)
もはや0€にしてしまえばいいのに…と思ってしまう値段設定です。
master(2年間の修士課程)の場合、単一課程選択の場合は261€、2課程選択の場合は429€ですが、これも奨学金受給者であれば5.10€。
しかも、ここで言われている奨学金は、家庭の収入状況によっても変わってくるのですが、最大で年間80万円の手当がもらえるのです。え?もちろん返済不要ですよ。
僕は外国人だし、licence1の学生なので奨学金を得る権利がないんですけどね。まぁ僕の場合は一応仕事をしていて、そのお金で生活できているので受ける必要もないのですが。
でも、奨学金を受けることで、大学の出費を抑えられるのであれば、奨学金を受給するのも一つの手ですね。
100%無料ではない。しかし、安い。
というわけで、フランスの大学にかかる費用は、実際のところ0€ではありませんでした。
しかし、年間で5万円くらいで大学に通えてしまうのは、日本人にはびっくりしてしまうところです。実際、フランスでは「ちょっと英語勉強するために1年間大学申し込んできた~」という人もいるくらいです。彼らにとって英語を学ぶことが目的であって、進級する必要はないため、試験などを受けることもないんですね。
あと、学費はタダ同然であっても生活費はかかります。フランスの大学に留学を考えている人は、あらかじめ経済計画を立てておくようにしましょう。現地でどれくらいの出費があるかは素人では分からないので、プロに聞くのが一番です。SchoolWithのような、無料でカウンセリングをしてくれるエージェントがおすすめです^^
日本の学費は高すぎるので、学費を支払うために授業を休んでアルバイトをするといった話を耳にすることがあります。フランスくらい授業料が安ければいいんですけどね。
→フランスの大学に入るのって、意外と難しくないのかも…
→理想と現実は違います。
*1:Fonds de Solidarité et de Développement des Initiatives Etudiantes : 生活困難な学生に対して出る手当のうち、学生同士が連帯して負担する費用の部分