タバコの値上げ!フランスはさらに進んだ「プレーン・パッケージング法」
こんにちは!
日本でもタバコの値上がりは実施されていますが、ヨーロッパのタバコの値段は日本よりももっと高いんですよ!
先日、フランスの厚生省大臣のMarisol Touraineが、さらなるたばこの値上げをすることを発表しました。
しかも今回の決定、変わるのはたばこの値段だけじゃないんです。
2年ぶりのタバコの値上げ
フランスでの最後のタバコの値上げは2年前に実施されました。
フィガロ紙のサイトに、過去のタバコの値段と購買量の遷移の表があります。
すごいですね。
1990年は1箱1.5€だったのが、今では7€になっています。
値段は4倍以上上がったのに対して、オレンジ色の棒グラフを見てみると購買量は約半分に減ったことが分かります。
そして今回、最新のたばこの値上げ政策を実施することで、タバコ1箱の値段は10€を越える可能性があるのです。
現在のレートだと、だいたい1€=120~130円なので、タバコがかなりの高額な商品になることが分かります。
タバコの値上げだけではない今回の政策
ただ、タバコの実質的な値上げは、たばこ販売店や喫煙者との衝突を避けるために、まだ先送りになっています。
(とはいえ、そう遠くない将来に実施される見込みですが)
そのかわり、今年の5/20から実施される新しいタバコに関する政策があります。
それはpaquet neutreの制度化。
paquet neutreとは?
日本語では「プレーン・パッケージング法」というそうです。
まだ日本には定着していないようで、検索してもそんなに引っかかりません。
この法律は、「タバコのパッケージをすべて同じにする」とするものです。
「プレーン・パッケージング法」で、すべてのタバコのは同じ形の箱、同じ色、ロゴ無し…になってしまうわけです。
なぜこんなことをするかというと、特に若い人がタバコのパッケージに惹かれて喫煙することを防ぐため。だそうです。
写真を載せて紹介したいところなのですが、健康被害を警告する写真が現行のものと比べ問にならないくらいグロいんで自重します。
気になる人はググってみてください。
オーストラリアではすでに実施されている
この法律、すでにオーストラリアでは2012年から施行されています。
ヨーロッパでもイギリスがフランスと同様に今年の5月から施行することを決めていますが、たばこメーカーから大反発を食らっています。
結構多くの国でこの法律は批准されたり議論されているようです。
ヨーロッパ内だとベルギー、ノルウェー、アイルランド、スイスなど。
珍しいところだとブルキナファソが今年の4月から法を施行する予定です。
アジア圏はシンガポールのみですねー。
まだまだ、これからといったところですね。
タバコの値上げに比べて効果のほどは?
これは、現在オーストラリアでしかこの法律が実行されていないので多くのデータがあるわけではないのですが、「プレーン・パッケージング法」を取り入れたことによって喫煙率が減ったという報告が出ています。
ただ、オーストラリアは同時に25%もの値上げを実行しているので、喫煙率が減るのは当たり前の結果だろうと思います。
今回、フランスでの値上げは2~3€です。
現在のタバコの平均価格が7€なので、約40%の値上がりになるわけですね。
ここまで値上がりすれば、喫煙者数は減るでしょう。
10€っていう、数字的な大台にも乗りますし。
表示義務だけで喫煙を減らせるのか
ただ、「プレーン・パッケージング法」だけで喫煙率を減らせるのかというと疑問が残ります。
タバコを吸っている人ならわかると思いますが、タバコを吸いたいという気持ちは「依存性」なんです。
いざ禁煙を心に決めても、3日後にはタバコを吸いたくなりますよね?
タバコを吸いたいという気持ちを抱えたまま、いざタバコ屋さんに行ってタバコのグロテスクな写真を見たところで、タバコへの欲求はそう簡単になくなるものではありません。
既存の喫煙依存者に対しては、あまり効き目がないんじゃないかと思います。
と同時に、タバコのロゴに惹かれる喫煙者というのは確実にいるので、そういう人たちに対してどれだけの効果が得られるのかというのが、今回の法律の施行で注目されるところですね。
こんなかわいらしいタバコだったら持ち歩きたい女性もいるだろうけど、ゾンビみたいに歯ががたがたなおっさんの顔面写真が前面に強調されたパッケージのタバコを好んで持ちたがる女性は少ないでしょう…