フランシウム87

南フランスに住む日本人学生が発信するブログ。

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ヨーロッパでもマスクが定着したか、としみじみ感じる今日この頃

2020年はコロナウィルスが猛威を振るいました。というか、今現在も猛威を振るっています。フランスで微生物学を勉強したけど、やっぱり病原菌には未知なことがたくさんあるんだなぁと、情報を知れば知るほど感じます。

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2009年の新型インフルエンザ

僕が初めて海外留学をしたのは、2009年の3月。

もう多くの人は忘れてしまったと思いますが、ちょうどこのころ新型インフルエンザがアジアを中心に流行っていたんです。(豚インフルエンザと呼ばれていました)

初めての留学、初めての一人暮らし。そんな中、日本では連日新型インフルエンザのニュースがテレビで流れている。どうやらメディアではパリやロンドンの街でマスクをつけてる人の映像をちょろっと流していたみたいなんですね。それを見た母は、これは大変!と、航空便でマスクを20枚くらい送ってくれました。

 

ヨーロッパではマスクは御法度?

その時、僕はスペインで叔母の家に居候させてもらっていました。母から送られてきたマスクを着けて外出しようとした僕に叔母が一言。「bantan!インフルエンザにかかったの?」

いや、マスクをつけてるのはインフルエンザに感染しないようにするためだよーと答えたのですが、叔母曰く、スペインではマスクをすることは一般的でなく、着けるのは医療従事者や、よほど重症の患者くらいのものだそう。日本みたいに病気予防、花粉症対策、果てはメイクをしていないのを覆うため…と簡単にマスクをつけることはないのだそうです。

そういわれてみれば、確かにスペインでも新型インフルエンザのニュースは流れているけど、街でマスクをしている人は一人も(文字通り一人も)見かけませんでした。これは後で知ったことですが、スペインに限らずヨーロッパではマスクを感染症予防として付けることは一般的でなく、感染者が感染拡大を防ぐために使うもの(それも、かなりの意識高い系の人くらいのもの)だったのです。日本で流れたニュースにはヨーロッパの街角でマスクをしている人の映像が流れたそうですが、取材班はかなり粘って映像を撮ったのだろうな、と思いました。

 

叔母は、逆に健康なのにマスクなんかしていると、銀行とか入れてもらえないかもよ~なんて言っていました。まぁ、たしかにヨーロッパでマスクは「私は保菌者です」っていうマークみたいなものですからね。そんなこんなで、母から送ってもらったマスクは、結局ハロウィンの仮装まで使われることはありませんでした。

 

そんなマスクが定着してきている!

あれだけヨーロッパで嫌われ者(?)だったマスクが、今はファッションの一つになってきているというのですから、驚きです。あの、手を洗わないフランス人が手ピカジェルを使ってる!というのと同じくらいの衝撃です。いつも大腸菌を使った実験のあとにろくに手も洗わないフランス人学生を見て、他人事なのにひとりハラハラしていたのは、今となっては良い思い出です。チーズたくさん食べてるから腸が元気なのかな。

 

例えば、僕の好きなEL GANZOというブランドも実用的なマスクを販売していたし。

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ゴルチエも奇抜なマスクのデザインをインスタに載せているし。

 

猫も杓子も、マスク戦略。

個人的には、最近日本の人たちがしている黒いマスクがあまり好きじゃないんだけど、もうここまでいろんなデザインのマスクが出てきたら、白以外のマスクもちょっと試してみたいかなーなんて思ったりして。

日本のトイレが高性能だという話はヨーロッパで驚きをもって迎え入れられるわけだから、日本の高性能マスクをつけてヨーロッパに行ったら、それもそれで面白そうなんて思ったり。いや、感染したら元も子もないから面白くないか。

 

そんなことを考えていたら、先日母から手縫いのマスクが送られてきました。なんでも、「あんたが幼稚園の時に作った甚兵衛の、切れ端から作った」のだそう。しかも、柄の配置とかちゃんと計算されている。

このマスクはちゃんと使わせてもらいます^^