フランシウム87

南フランスに住む日本人学生が発信するブログ。

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海外旅行に行く理由って何?フランス人に聞いてみた!

フランスは言わずと知れた「お休み大国」。

労働時間は基本週35時間だし、有給は年に1ヶ月分しっかり使えます。

 

これだけ時間があると、やることと言えば海外旅行。

最近は日本に行くフランス人が急増しているのだそう。日本政府観光局によると、2012年では13万人だった訪日フランス人観光客は2016年に約2倍の25万人になっています。

 

フランスと日本。

言葉も違えば文化も違う。食べるものだって口に合うか分からないのに、なんで日本に来たいのでしょうか?

 

フランス人に聞いて見えてきた、なぜ海外旅行に行くのか?という理由を探っていきます!

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今、日本は空前のフランス人観光客フィーバー!

 

冒頭で書いた通り、今日本に観光に来るフランス人が急増しています。

僕も年に一回は日本に帰るのですが、その度に「フランス人の旅行客増えたなー!」と思っていました。それは、「年を追うごとに自分のフランス語の力がついてきているせいで、東京の街中で聞こえるフランス語をどんどん耳で拾えるようになってきたからなのかも?」とも思っていましたが、データを見ると実際に観光客が増えていることが分かりました。自分のフランス語力うんぬんじゃなかった。。。笑

 

 

なぜ、日本?

 

そこで僕は気になったのです。

どうしてフランス人は、わざわざ遠くて言葉が分からない上に、決して飛行機代も滞在費も安くないし、暑いし、湿気凄い日本なんかに行きたいのかなぁ、と。

暑くて湿気多くてエキゾチックな場所なら、フランスとゆかりのあるベトナムとか、タイとか、そういうところでも良いじゃん。比較的安いんだし。なんて思ったので、そこら辺をフランス人の友達(日本に行ったことある人、無い人あわせて)に聞いてみました。

 

なぜ、日本なのか?

 

すごく要約すると、「違う文化を知りたい」っていう答えが、なんと全員に共通していました。

(いや、まぁこんなアバウトな言い方なら共通率100%でも驚きはしないんですが。。。)

中でも多かった意見が、「日本のような文化がとても異なる(であろう)国を知ることで、それと自分を対比させることで、自分を知る」というものでした。同じような意見を持つ人が、結構多かったのです。

何が言いたいのかというと、日本という国は行きづらい国であるけれども、同時にまだ知らない部分が多く残っている国である。だから、自分が生まれ育ったフランスの文化背景と、よく知らない国・日本の文化背景を比較することで、自分がどんな人間なのか相対的な分析から「浮き彫り」になる、のだそう。

つまるところ、「自分探しの旅」ってやつですね。

 

 

海外を知ることで、自分を知る

 

でも、これって結構重要なポイントをついていると思うんですよね。

っていうのも、「自分」というものを理解するためには、比較することが必要不可欠だと思うのです。

例えば、僕は身長175cmなのですが、これが大きいか小さいか判断するためには他の人の身長を見なくてはいけないのです。総体的に見ることで、初めて自分が大きい部類に入るのか、小さい部類に入るのか判別することができますね。極端な話、この世に僕一人しか存在しないとしたら、僕の身長が大きいのか小さいのか定義することができません。

「私」という人間が、どんな人間なのか。これも相対的に考えることでだんだん考えがまとまってゆくものです。しかし、相対的に観察する対象が、同じ文化背景をもつ日本人だけの場合と、異なる文化背景を持つ人達(例えばフランス人)だった場合と、得られる答えは違うだろうということは、誰でも予想できますよね。

 

そうした、旅行することで得られる比較の中の気付きが、いわゆる「自分探しの旅」の中で多くの人が追い求めているものなのでしょう。

 

これは何にでも応用できる考えです。人生の幸福度、であってもです。

自分が幸せかどうかなんて、自分で決めればいい。という人もいるでしょう。そう思うなら、まぁやってみれば良いと思いますが、なかなか自分の幸福度を自分で決めるということは難しいものです。

だって、人間誰しも生まれ育った社会というものがあって、その社会に小さい時から「良い人生」のイメージが刷り込まれちゃっているんですから。幸福度なんていう目に見えない抽象的なものの物差しを一から自分で作り出すことは難しいのです。

ではどうするのが良いかというと、他の文化・社会との「比較」が一番手っ取り早いと思います。それぞれの国、社会には、それぞれの幸福度のバロメーターがあります。そういうものを学び取ることで、自分自身の幸福度を、より多角度から分析することが可能になるのです。

ところがどっこい、このバロメーターを学び取るって、めちゃめちゃ時間がかかるんですよね。だって、どんな教科書にも載っていませんから。少しずつ、日常のあらゆる場面で感じ取らなくてはいけないんだと思います。旅行の様な限られた時間の中だと、学び取れるものの量も限られたものになってしまうかもしれませんね。

 

 

海外旅行に行く理由、海外留学する理由

 

フランス人にとって海外旅行に行くということは、その土地の美味しいものを食べたり、観光地を巡ったりすることだけではないようです。

自分の知らない新しい地に足を踏み入れて、そこで得た知覚から「自分」という存在を再定義する。これがフランス人なりの旅行の目的と言えるのではないでしょうか。

 

…カッコいいぜフランス人。

つまらない質問に対しても、味のある答えをさらっと言えちゃうフランス人。彼らの思考については、まだまだ学ぶことが多くあります^^

 

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