フランシウム87

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フランス語の動詞の勉強┃代動名詞と再帰代名詞って、つまり何なの?

もうすぐモンペリエでは、2016年初のDELF/DALFの試験が開催されます。

 

今回はフランス語の「代動名詞について取り上げたいと思います。

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フランス語でいうとverbes pronominauxです。

 

 

 

普通の動詞と何が違うのか

 

まず、普通の動詞ってなんなんでしょう。

 

普通の動詞=再帰代名詞以外の動詞

 

だとします。

 

étudier, manger, marcher etc...

 

これらの動詞は、自動詞(目的語をとらない動詞)と他動詞(目的語をとる動詞)に分けられます。

 

自動詞・他動詞なんて言葉、久しぶりに耳にする人も多いと思います。

 

学生時代、英語が苦手だった人はアレルギーに感じる言葉でしょう(笑)

 

(僕がそうです)

 

でも、フランス語を学ぶ上では、この自動詞・他動詞の判別はとても大切なので、日ごろから意識するようにしましょう。

 

 

 

自動詞・他動詞って?

 

他動詞から先に説明します。

 

目的語をとる他動詞というのは、イメージとしては対象物へのアクションのような感じです。

 

対して、自動詞というのは目的語がない=対象物がないアクションのイメージです。

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上の図だと、相手(=対象物)に「話しかける」のが他動詞

 

対象物はなく、自分が「話す」のが自動詞です。

 

例に動詞parlerを使いましたが、見てのとおりこの動詞は自動詞と他動詞の両方の特性を持っているという事になります。

 

自動詞のみ、他動詞のみ、または自動詞と他動詞のの両方の性質を持つ動詞の3種類の動詞があります。

 

 

 

では、代動名詞は?

 

動名詞常に他動詞の働きをします。

 

つまり、アクションに対する対象物があるという事です。

 

しかも、再帰代名詞の場合は対象物はすでに決まっています。

 

それは、動詞の活用の人称に対応する人物/物です。

 

つまり、動詞のアクションがその人自身に帰ってくるのです

 

 

 

スペイン語では「再帰動詞」と言います

 

僕は、スペイン語の文法書で紹介されている「再帰動詞(代動名詞)」という言葉のほうがスムーズにイメージができると思います。

 

再帰動詞、つまり、動詞が再帰(自分に帰ってくる)とういうこと。

 

「私のしたことが私に帰ってくる」ということです。

 

代表的な再帰動詞の例にlaver(洗う)という単語があります。

 

Je lave.では、まだ再帰動詞の形ではないので、普通の動詞の形というここになります。

 

訳は「私は洗う。」

 

また、この動詞は他動詞であるのが分かるでしょうか?

 

なぜなら、「洗う」というアクションは、何かしらの対象物に向かっているからです。

 

目的語(=対象物)をとる動詞は他動詞でしたよね。

 

ちなみに、他動詞であっても目的語は必須ではありません。

 

上絵の例文にも目的語がないのですが、そうすると目的不明=何を洗うのかはまだ分からない漠然とした文章になります。

 

では、ここに目的語を入れてみましょう

 

Je lave mon corps.「私は私の体を洗う。」

 

ちょっと回りくどい言い方ですが、逐語訳的に訳してみました。

 

目的語はmon corp「私の体」

 

これで対象物がはっきりとした普通の動詞での文章が完成しました。

 

 

 

さらに書き換えると…代動名詞の登場!

 

「私は私の体を洗う」って、かなり面倒な言い方ですよね。

 

もうちょっとすっきりとした言い方にできないものか…

 

という悩みを解決してくれるのが代動名詞なのです!

 

次の例文が代動名詞を使った文章の例です。

 

Je me lave.

 

お、主語と動詞の間にmeが入りましたね。

 

これは「私」の対象物バージョンなのです。

 

「私」を主語として扱うときは"je"、対象物として扱うときには"me"、ついでに単独で強調させて使いたいときには"moi"と、形が変化するのです。

 

そして、この「私」の対象物バージョンのことを再帰代名詞と呼びます。

 

つまり「自分に帰ってくるアクションの対象=自分自身の代名詞」ということです。

 

再帰代名詞の置き場所にはルールがあって、再帰代名詞は、それを目的語としている他動詞の前に置くことが決められています。

 

この場合、他動詞はlaverなので、その直前にmeが置かれています。

 

すると、文の意味はどうなるでしょう?

 

Je me lave.=「私は私を洗う」=「私は体を洗う」になりました!

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え?なんか強引じゃないかって?

 

えぇ、それは百も承知です(笑)

 

「私は私の体を洗う」よりは「私は私を洗う」のほうが30%くらいはすっきりしたと思うんですが、まだ面倒な言い方ですよね。

 

でも、仕方がないんです。

 

だって、フランス語には「体を洗う」っていうことをストレートに言える動詞がないんですから

 

 

 

動名詞の原理を考える

 

フランス語って、元はラテン語から派生した言葉じゃないですか。

 

時代が進むにつれて、フランス語文法というのは形が変わってきているんですが、いまだに「体を洗う」とか「私の名前は」とか「自己紹介する」に使う動詞は自動詞で使えないようになってるんですよ。

 

ない単語はどうにかして他動詞で説明しなくては!

 

ということで、"Je me lave."「私は私を洗う」=「体を洗う」

 

"Je m'appelle~" 「私は私を~と呼ぶ」=「私の名前は~です」

 

"Je me présente." 「私は私を紹介する」=「自己紹介をする」

 

なんていう言い方をしなくてはいけないんですね。

 

だから、これらの他動詞の目的語(対象物)は、冒頭で言ったように動詞の活用と対応する人称、つまり主語と同じ人/物になるのです。

 

 

どうでしょう?

 

説明したいのに上手い言い方がなく、無理やり他動詞を自分に返して物事を説明したのが代動名詞で、しかもいまだにこの言い方しかフランス語にない!

 

という認識で代動名詞に取り組んでみると、「これしか言い方がないんだったら仕方がない、覚えてやるか」くらいの気持ちになれると思います^^