上手なフランス語会話とは┃フランスで英語の授業を受けて考えてみた
僕は今、フランスの大学1年生なんですが、今学期から英語の授業が必修科目としてスタートしました
フランス語で英語の授業を受けるなんて意味が分からない…
英語の授業を受けるよりも前に、まずフランス語のブラッシュアップをしたほうがいいと思うのですが、必修なら仕方がない。
それに、僕は英語を長い間使っていないので、英語を復習するにはちょうどいい機会かななんて思っています。
もしかしたら、英語とフランス語の新しい関係を発見して、さらに踏み込んだ語学の勉強法を見つけられるかもしれないし!
というわけで、今週さっそく英語の授業があったんですが、その第一回目の授業を通して、フランス語のある特徴を発見したので、今日はそのことについて書いていきたいと思います。
フランス人は英語が苦手!?
よく、フランス人は自分の国の言葉に誇りを持ってるから英語をしゃべらない。なんて言われてますよね。
一方で、フランス人はプライドが高いうえに英語が苦手だからしゃべろうとしない。なんて考え方も聞いたことがあります。
どっちなんでしょう?
僕個人の感じたところでは、フランス人だって今では多くの人がそれなりに英語を話してます。
特にパリやリヨンなどの都市部、リールやモンペリエ、ボルドーなどの学生都市では英語をしゃべることができる人の数が結構多いように思えます。
少なくとも日本に比べて。
でも、今回の英語の授業に出席して、やっぱりフランス語圏の人は英語に弱いんだという事が分かりました。
英語は子音の言葉、フランス語は母音の言葉
フランス語というのは、母音の発音のパターンが限られています。
たとえば鼻母音のin, an/en, un, onは、それぞれに対して一種類ずつの発音しかありません。
でも、英語にはaに対して、前後の文字によって発音がいくつものパターンに変化しますよね。
playとambitiousのaの発音は同じではありません。
まずここがフランス人にとっては難しいのです。
母音のパターンがいくつにも分かれて難しいと感じるのは、ちょうど日本人がそう思うのと同じようにフランス人にとっても難しいのです。
それに加えて、母音の音の使い分けが重要なフランス語に対して、英語というのは母音よりも子音が特徴的に発音されるそうなのです。へぇ~
そういえば、僕が高校生の時に使っていたシャドーイングの本にも、英語は子音を聞き取れるようにするためスピードアップしたシャドーイングがおすすめだと書いてありました。
英語の音源は早く再生すると母音がどんどん聞こえなくなって、子音の音だけが残っていくようになるのです。
母音型のフランス語と、子音型の英語。
これが1つ目の英語の難しいところです。
一問一答式の動詞の数!
英語だったら動詞と前置詞の組み合わせでいろいろな意味合いの動詞を作ることができます。
例えば、go out, go up, go down...
それをフランス語だと何というでしょうか?
それぞれ、sortir, monter, descendre になりますね。
ここです!ここが英語のむずかしいところなのです!
フランス語であれば、一問一答式のように「この動作にはこの動詞」と、意味と言葉がペアになっているのです。
でも、英語だと「この動詞の意味は、これになって、あれになって、それにもなって…」と、ヴァリエーションが豊かすぎるのです。
先生は「フランス語だったら同じ動詞でこんなに意味が変わることなんてないのに…」と嘆いていました。
これがフランス語話者の感じる英語の難しさの2点目です。
それでは英語を通じて発見したフランス語の上手な会話術とは?
日本人であれば、すでに中学から英語の勉強をしているので、英語の知識はあると思います。
なので、上で紹介した2つのポイントを逆に考えてみましょう。
何か新しい勉強法を考え出すには、すでにやったことのある勉強から逆の方向に考えていくといいです^^
英語は子音がポイントの言語。ではフランス語は?
当然、逆の方向で考えればフランス語は母音がポイントの言語、ということになります。
以前のエントリーでも紹介したように、フランス語の聞き取りはシャドーイングで勉強するのが効果的だといいました。
詳しくはこちら↓
今回はこれを応用させて考えてみます。
シャドーイングは、リスニング力をつけるうえでとても効果的ですが、リスニング力というのは言い換えれば発音の性質をよく理解する力です。
つまり、リスニングのトレーニングをつければフランス語特有の母音の性質を理解できるという事ですね。
上手なフランス語の会話も、母音を正確に発音する&聞き取るというのはとても大切な部分なので、シャドーイングでその能力が身に着きます。
ちなみに、英語では子音がポイントになるので高速再生のシャドーイングで子音の特徴をつかむトレーニングをしますが、フランス語の場合は母音がポイントなのでその逆。
スロー再生でのシャドーイングが効果的です。
動詞のバリエーションを増やそう
動詞に関しては、フランス語の場合は英語よりも多くの動詞を覚える必要があるという事になります。
特に勉強を始めたばかりの人は、英語だったらいくつかの動詞を覚えて→前置詞との組み合わせでバリエーションを作っていく。という事が可能ですが、フランス語の場合は最初から多彩なバリエーションの動詞を覚えなくてはいけないんです。
フランス語に限らず、ラテン語派生の言語はどれも同じようなもので、これが第2外国語でフランス語・スペイン語・イタリア語・ポルトガル語を選択した人を悩ませる大きな障壁の一つになると思います。
ボキャブラリーを増やすための計画的な勉強方法も以前のエントリーで紹介しているので、読んでみてください↓
ちなみに、動詞のバリエーションが英語と比べて多いというのは慣れてくると利点にもなります。
なぜなら、英語だったら"go+前置詞"で意味がどんどん変わっていくので、イメージとして多くの動詞が近い感じになるのですが、フランス語ならスペルも音も全く違う動詞を覚えていくので、自分からアウトプットするときには区別がつきやすくて覚えやすいのです。(僕個人の感覚ですが…)
英語の先生が言っていた「フランス人の英語の弱点」を逆から考えて勉強しよう
子音のバリエーションが豊かな英語はフランス人にとって難しい
↓
母音のバリエーションが重要だという事
一つの動詞が多くの意味に変わってしまう
↓
一つの動詞は一つの意味合いなので、とにかく動詞のバリエーションを増やす
今回英語の勉強を始めて、この2つのポイントに気づくことができました。
1月もそろそろ終わりです。
今からフランス語の勉強を始めれば、夏には見違えるように進歩してますよ^^
僕も英語の勉強頑張ろっと!