フランシウム87

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日本の高校を卒業して、フランスの大学へ入学したい!

日本の高校に在学中の人で、卒業後、フランスの大学に入学したいと考えている場合、一体どのような手順をとればよいのでしょうか。

 

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こんな質問をいただきました

 

ブログ拝見させていただいております。bantan様のように国立大学付属語学学校に通ったのち、高等教育機関への進学をしたいと考えております。語学学校にどれくらいの期間通おうか迷っているのですが、bantan様はどのくらい通われたのでしょうか?また、語学学校から高等教育機関に入学する際、何が必要になるのでしょうか(資格やdelf,dalfなどの試験の合格書、語学学校での成績等のノート、面接、小論文など)?回答の程宜しくお願い致します。

 

 

フランスの大学に入学する際に必要なもの

 

大学入学だけを考えた場合(言い換えれば、ビザ取得のために必要な要件を省いて考えた場合)、必要になるものは以下の2点です。

 

・DELF、もしくはTCFでB2以上のフランス語レベル

・日本の高等教育機関(高等学校ではありません、大学レベルの教育機関のことです)からの受け入れ認可。

 

フランスの大学で勉強を始めるのは、書類の面で考えればかなり敷居が低いと思います。フランス語さえ理解できれば、ほとんどの人が大学に入れると言っても過言ではないでしょう。

 

しかし、日本にいる間にフランス語B2レベルを習得するというのはなかなか大変なことであるようです。また、実際に大学で授業を受けるにあたって、自分のフランス語力が果たして通用するのか気になる人も多いと思います。

 

そこで、今回はフランスの大学に入学を視野に入れて、その前にフランス現地で語学学習を通して肩慣らしをする、というモデルでの必要事項を確認していきたいと思います。

 

 

フランス語力が足りない場合

 

外国人のフランス大学入学志望締切は、毎年1月末です。例えば、2019年の9月から入学したい場合は、同年1月に申し込みをしなくてはいけません。

ということは、申込み時点で必要なフランス語力を証明する書類(DELF、もしくはTCFでB2以上)を取得していなければいけません。例外的に5月まで待ってくれるという大学もあるのですが、基本的には1月までです。僕の大学も1月まででした。

 

となると、フランス語力が足りていない人は、日本の高校を卒業後、日本もしくはフランスで、フランス語の勉強をしなくてはいけません。一般的に、フランス現地の語学学校では年に2レベルのペースで学習をすすめてゆきます。また、学期の振り分けは年に2期のセメスター制、つまり9-12/1-5月です。もし、2019年1月の時点でB2のディプロムを取得していたい場合は、最低でも2018年の9月には語学学校でB2のコースを勉強している必要があります。それ以前を考えると、2018年1月にはB1のクラス。2017年9月にはA2…とういうように、逆算していくことができます。

 

しかし、これはあくまで“一般的”に物事が進んだ場合です。つまり、年に2レベルの進級ができた場合を前提としているので、早くフランス語を習得した場合、またその逆で、フランスの習得に時間がかかった場合は、この限りではありません。

 

 

僕の場合

 

フランス語の学校にどれくらい行けばいいのか?という「期間」については、個人によって大きく変わると思います。

僕はそもそもフランスに来る前にスペイン語を勉強していたので、なんとなく同じラテン語を共通の祖先にもつフランス語には親しみを感じていました。なので、語学学校はA1のdébutantから初めて、3回のセメスターでC1まで終わらせることができました。つまり、語学学校の在籍期間は1年半ということになります。

 

大学進学が目的であれば、語学学校に長くいる必要はあまりないと思います。お金ももったいないですしね。ただ、その後の大学生活まで過ごした身から言わせてもらうと、C1の授業は受けておいたほうがいいと思います。文系学部についてはよくわからないのですが、理系の学部においては、レポートを書くときや他の言語の授業(主に英語)で、フランス語の語学学校のC1レベルで学んだことは、とても重宝しました。

 

 

フランス語力以外で必要なもの

 

まず、高等教育機関に受け入れを認められたと証明できる書類が必要です。

それについてはこの記事にまとめてあります。

francium87.hatenablog.jp

francium87.hatenablog.jp

 

フランスのバカロレアの制度と、日本の高等教育機関についての違いを、よく理解しておくことが必要です。

 

また、なぜフランスの大学で勉強をしたいのか、志望動機書を書く必要があります。

決してこれを見て点数をつけられるといったことはないので、フランス語力が問われることはないと思いますが、最低限の文章力が必要であることには違いありません。

 

ここまでが大学の申込みに必要な書類です。

これに加えて、僕の場合は入学前に、生物学の大学教授と15分程の短い面接がありました。

面接と言っても雑談に近いもので、「かなり大変だけど大丈夫?」とか、「事前にこの本を読んでおいたほうがいい」といったことを話した記憶があります。

 

 

公立大学付属の語学学校からエスカレーター制度

 

僕の通っていた語学学校(モンペリエポール・ヴァレリー大学内にあるIEFEという語学学校)がそうだったのですが、語学学校の成績を利用して、大学の学部に編入できるところがあります。

 

この制度を使えば、学部(license)であればB2、修士であればC程度のレベルを語学学校内で取得すればいいのとになります。

語学学校内で、というのは、つまり、DELF/DALF、TCFなどの、公的なディプロムを取得する必要がなく、語学学校内で実施されるテストに受かればいいということで、難易度がぐっと下がると思います。

 

しかし、これには少なからず問題があります。一つは、公立大学付属のすべての語学学校が同じような制度を持っているとは限らないということ。例えば、同じモンペリエ市内には他にも公立大学があり、そこにも外国人向けのフランス語講座があるのですが、エスカレーター制度を設けているのはポール・ヴァレリー大学のみです。

 

また、編入できる学部には制限があります。というのも、またモンペリエ市を例にあげますが、編入制度のあるポール・ヴァレリー大学は文系の大学なので、理系の学部は用意されていません。僕はポール・ヴァレリー内にある語学学校に通っていたのですが、勉強したい学部(生物学)は違う大学だったため、この学内編入制度を使うことができず、DELFなりのディプロムを取得する必要がありました。

 

まぁ、一般的に言ってフランス語を学ぶ多くの人は言語の分野に興味があると思うので、ほとんどが文系の学部への編入で問題ないと思うんですけどね。それに、文系大学と言っても、例えばポール・ヴァレリー大学には映像や舞台関係の芸術系の学部もありますし、自然災害や都市開発、資源エネルギー系といった、科学のエッセンスが少しだけ組み込まれた学部もあります。

 

しかし、こういった編入制度について、日本にいるうちに、つまり、フランスに実際に来る前から調べるというのはかなり難しいのではないでしょうか。実際、僕の知っているポール・ヴァレリー大学に編入した日本人は、全員フランスに留学を始めた後にこの制度があることを知っていますし、僕自身もそうでした。情報収集の時点でかなりのフランス語力が要されると思うので、まずはフランス語の勉強を第一に進めて、その中で大学に進学するにはどうしたらいいのだろうか、ということを考え始めたらいいのではないかと思います。

 

 

キャンパスフランセを通して留学手続き

 

もちろん、フランスの大学で勉強したいのであれば、わざわざフランスの語学学校に通って、現地で編入手続きをして…というステップを取る必要はありません。

 

もっとシンプルに、日本のキャンパスフランセを通して、フランスの大学の編入手続きをすることができるのです。

しかし、これにはすでに求められるフランス語力を証明するディプロムを取得していることが前提です。手続きの手順については、フランス現地での編入手続きと同じものなので、締め切り云々はほとんど同じコンディションで進められます。

 

 

おわりに

 

1回理解してしまえばどうってことないんですけどね、フランスの大学の編入システム。

少なくとも、フランス語力とフランスのバカロレアに相当するレベルの証明書(日本の大学の入学証明書や、卒業証明書など)が必要なことは覚えておきましょう。あとは、ケースバイケースです。

案ずるよりも産むが易し!

 

 

francium87.hatenablog.jp

 

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