フランシウム87

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フランス人は、なぜ甘いもの好むのか(個人的考察)

マカロン、エクレア、タルト・オ・シトロン…フランスに行くと様々なおいしいスイーツに出会います。

日本の男性は甘いものが苦手という人が多いですが、フランスをはじめとする欧米諸国では男性でも甘いものを良く食べます。生クリームたっぷりのデザートを食べないと、食事をした気にならない!という男性もいるくらい。

 

なぜ、フランス人は甘いものが好きなのでしょうか。そして、フランスに行ったことがある人なら同じことを思ったかもしれませんが、なぜフランスのお菓子はとても甘いのでしょうか。今回はフランスのスイーツに焦点を当てて考えてみます。

 

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あま~い、あま~いフランス菓子

 

そもそも、どうしてお菓子って美味しいか考えたことはありますか?

お菓子の甘さの源は糖です。糖は人間の体内に入ると分解されて、エネルギーになります。糖は、いわば人間という機関車を動かすための石炭燃料のようなものです。

人間が生きるために必要な「食事」という行為とは異なり、お菓子を食べる「間食」や「食後のデザート」は、基本的に生きるために不必要な行為です。では、なぜお菓子を食べるのかというと、それは糖が美味しいからです。

 

人間の体は良くできていて、自分にとって良くないものはマズイ・クサイ・キモチワルイとネガティブな反応を示すようになっています。反対に自分にとって良いものはオイシイ・イイニオイ・ココチイイとポジティブに認識します。

例えば、最近人気の発酵が良い例です。発酵と腐敗は違うものだと思っている人は多くいますが、実は微生物の働きという視点で見ると、この二つは同じ化学変化(有機物が分解されて、アルコールや乳酸、二酸化炭素などが発生する)です。しかし、発酵食品の中には乳酸菌などの人間の体に良いものが入っているので、私たちはオイシイと感じるのです。反対に同じ化学変化でも食中毒の原因となるような腐敗したものは、私たちの鼻や舌、時には目でマズイ・クサイ・キモチワルイと認識します。人間の体に有利なものは美味しく、不利なものは不味いのです。

 

話がそれましたが、まとめると、糖は私たちの体の燃料でありエネルギーを作り出す「良いもの」です。なので、私たちの舌はそれをオイシイと感じるのです。

しかし、生きるために必要な糖は、一般的な食事から十分に摂取されます。仮に十分な量の糖が食事から摂取されなかった場合でも、脂肪やたんぱく質などのほかの栄養がエネルギーの不足分を補います。つまり、お菓子は完全に余剰なエネルギーの塊と言えます。

しかし、その余剰なエネルギーの塊は私たちの舌や鼻、目にとって、文字通り甘美な存在であることは経験から知っているとおり。

 

ドーナツが好きな人は多いはず。しかし、良く考えてみてください。オーソドックスなドーナツに使われる材料は、小麦粉(炭水化物=糖)砂糖(糖)そして油です。真っ赤に熟れたイチゴが使われているわけでもなく、希少な蜂蜜が使われているわけでもないのに美味しいのは、糖と油という2大エネルギーの源が多く含まれているから、体に有利なもの=美味しいのです。もちろん、ドーナツ屋さんの企業努力というものはあると思うのですが、美味しさの根源はエネルギーです。僕はこのことに気が付いてから、ドーナツがあまり好きじゃなくなりました^^,

 

お菓子の美味しさの秘密は、私たちの体の生物的な欲望を満たしてくれる糖にあったのです。

 

人間の体の石炭、糖

 

さて、日本人とフランス人の祖先は同じでしょうか?

 

人類のルーツはアフリカにあるとされていますが、その後の人類の大移動によりヨーロッパに住み着いた原人、アジアに住み継いだ原人との間には生活習慣に大きな違いが生まれました。

ヨーロッパ系の原人は大柄な体格で狩猟を好み、とても長距離を移動するためにタフな体、また寒冷な地で体の機能を維持するためにより多くのエネルギーを必要としていました。対してアジア系の原人は温暖な気候のなか漁業や農業を営み、運動量が比較的少ない文化の中で生活していました。その名残からか、ある研究によると、現代の欧米人はアジア人に比べて呼吸数が多いというレポートがあります。呼吸というのは、言うまでもありませんが酸素を吸って二酸化炭素を吐く行為です。なぜ酸素が必要なのかというと、石炭燃料である糖を体内で燃やしてエネルギーを作り出すためです。(そうです、人間の体は機関車の様なものなのです!)

 

フランス人と結婚した人あるあるの話だと思うのですが、フランス人のパートナーの寝息が大きくてうるさいといった話を耳にすることがあります。大柄な体格の人が多い欧米人は呼吸数が多かったり、呼吸が深かったりします。

つまり、先祖代々体格が大きく多くのエネルギーを必要としている欧米人は、エネルギーの源である糖を多く必要とし、それを燃やすための酸素を賄うために呼吸数が多くなると考えられるのです。

 

フランス人は、なぜ甘いもの好むのか

 

その答えは、フランス人の体格にあると言えるでしょう。

しかも、より多くの筋肉をもっている男性こそ、甘いものを欲しているのかもしれません。また、フランスのお菓子が日本のそれと比べて全体的に甘さが強いというのも、原因は同じことだと思います。食後に生クリームたっぷりのデザートが好き、という意見も、生クリーム(油)と砂糖(糖)というゴールデンコンビであることから納得できますね。

反対に、体格が華奢で消費エネルギーが少なく、呼吸数も欧米人に比べて少ない私たちアジア人は、もしかしたら欧米人と同じような食生活を続けていると、過剰なエネルギー摂取になってしまうかもしれません。フランスに住んでいる人、パートナーがフランス人、あるいは欧米人で同じようなものを日ごろ食べているという人は、改めて自分の生活と食事を見直すと良いかもしれませんね。

 

おわりに

 

今日書いた内容はあくまで個人的な考察です。でも、フランス人と日本人の間には、このような文化的な違いと密接に関わる体の違いがあります。体のつくりが作り上げる文化の違いというのも、考えてみると面白いものですね^^